ファイアー・ドレイク

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ファイアー・ドレイク: Fire Drake)は、ケルト人(古代北西ヨーロッパ人)やチュートン人[1]および古代デンマーク人デーン人)の伝承に登場するドラゴン(もしくは)の一種である。

解説[編集]

「火の竜」を意味する名前の通り、炎をまとい、口からも炎を吐く。空を飛び、それが現れる時は辺り一面、昼のように照らされる[2]。曇天の空に不思議な光が走る時はファイアー・ドレイクが飛んでいるのだとされた[3]

イギリス諸島の湿地や沼地または北ヨーロッパの山の洞窟に棲んでいるとされる。また、財宝を守っていると言われており、財宝に近づく者を絶対に容赦しないとされる[3]

溶岩マグマの中を水中のように泳ぐこともできる。それゆえ、「火の精霊」もしくは「死者の魂」と同一視されることもある。

ファイアー・ドレイクとは、自然現象をドラゴンの姿で表現したものだと考えられている[3]。そのためか、出典のはっきりしない伝承であるが、熱い雲と冷たい雲が交わって生まれたとも言われている。

後世には羽の生えたドラゴンの姿で描かれ、しばしば紋章のモチーフにもなった。ほとんどの場合、上記の通り、飛竜の姿であることが多い。

脚注[編集]

  1. ^ 松平(2005)、211頁。
  2. ^ 松平(2005)、211-212頁。
  3. ^ a b c 松平(2005)、212頁。

参考文献[編集]

  • 松平俊久「ファイアードレイク」『図説ヨーロッパ怪物文化誌事典』蔵持不三也監修、原書房、2005年3月、211-212頁。ISBN 978-4-562-03870-1 
  • 幻想世界普及委員会編 編『世界の幻獣狩猟FILE 決定版』学研プラス、2011年2月。ISBN 978-4-05-404878-2 

関連項目[編集]