ピカール (クレーター)

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ピカール
(Picard)
アポロ17号のマッピング・カメラによる写真
月面座標 北緯14度34分 東経54度43分 / 北緯14.57度 東経54.72度 / 14.57; 54.72座標: 北緯14度34分 東経54度43分 / 北緯14.57度 東経54.72度 / 14.57; 54.72
月面余経度 日の出時点で306°
由来 ジャン・ピカール
GPN識別子 4720

ピカール(Picard)は、危難の海の中にある衝突クレーターである。17世紀のフランス天文学者で測量技師であったジャン・ピカールの名前に因んで名付けられた[1]。北北西にあるピアースより若干大きく、この海の中で最大の流れ込みのないクレーターである。西には、ほぼ完全に埋まったヤーキスというクレーターがあり、東には小さなカーティスというクレーターがある。

ピカールは、32億年前から11億年前まで続いたエラトステネス代のクレーターである[2]。ピカール内には、一連の段丘があり、地震学者は、これをクレーターの底面が崩壊したことにより生じたものとしている。底部には、低い丘が固まって存在する[3]

従属クレーター[編集]

ピカールの従属クレーター

ピカールのごく近くにある小さな無名のクレーターについては、アルファベットを付加することによって識別される[4]

ルナ・オービター4号による斜め撮影の画像
アポロ15号のパノラマカメラによる南向きの斜め撮影の画像
ピカール 座標 直径
K 北緯9度44分 東経54度34分 / 北緯9.73度 東経54.56度 / 9.73; 54.56 (Picard K) 9
L 北緯10度19分 東経54度19分 / 北緯10.32度 東経54.31度 / 10.32; 54.31 (Picard L) 7
M 北緯10度13分 東経53度57分 / 北緯10.21度 東経53.95度 / 10.21; 53.95 (Picard M) 8
N 北緯10度31分 東経53度34分 / 北緯10.52度 東経53.57度 / 10.52; 53.57 (Picard N) 19
P 北緯8度49分 東経53度37分 / 北緯8.82度 東経53.62度 / 8.82; 53.62 (Picard P) 8
Y 北緯13度11分 東経60度16分 / 北緯13.18度 東経60.27度 / 13.18; 60.27 (Picard Y) 4

以下のクレーターは、国際天文学連合によって再命名された。

出典[編集]

  1. ^ "ピカール (クレーター)". Gazetteer of Planetary Nomenclature. USGS Astrogeology Research Program.
  2. ^ The geologic history of the Moon. USGS Professional Paper 1348. By Don E. Wilhelms, John F. McCauley, and Newell J. Trask. U.S. Government Printing Office, Washington: 1987. Table 12.2.
  3. ^ Moore, Patrick (2001). On the Moon. Sterling Publishing Co.. ISBN 0-304-35469-4.
  4. ^ Bussey, B.; Spudis, P. (2004). The Clementine Atlas of the Moon. New York: Cambridge University Press. ISBN 0-521-81528-2 

外部リンク[編集]