ヒューマニスティック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヒューマニスティック
アバンダンド・プールズスタジオ・アルバム
リリース
録音 Qディヴィジョン(ボストン)、
トミー自宅(ロサンゼルス)、
スペース・スラッカー・インターナショナル(シルバーレイク
ジャンル オルタナティヴ・ロックインダストリアル・ロック
時間
レーベル エクスタシー・レコード・インターナショナル/ワーナー・ブラザース・レコード
プロデュース ポール・Q・コルデリーシーン・スレイドトミー・ウォルター
アバンダンド・プールズ アルバム 年表
ヒューマニスティック
(2001年)
ザ・リヴァーブ・EP
(2005年)
テンプレートを表示
専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
オールミュージック3/5stars [1]
ポップマターズ好意的[2]

ヒューマニスティック』(Humanistic) は、アバンダンド・プールズのデビュー・アルバム。2001年9月にエクスタシー・レコード・インターナショナルから発表された。収録曲のうち2曲が共同で作詞・作曲されているが、トミー・ウォルターのソロ作品である。新曲のほか、テリーやメトロマックス時代に制作した楽曲もいくつか収録された。

「レメディー」「ブラッド」のようなダークで陰鬱、時にアグレッシヴな楽曲と、「スタート・オーヴァー」「サニー・デイ」に見られる、より静かでアップビートな楽曲の対照性がこのアルバムの特徴である。暗い歌詞のテーマにキーボードが皮肉めいた明るい旋律を奏でる「ルーイン・ユア・ライフ」、激しいコーラスの「フルオレセイン」のほか、様々な収録曲で不明瞭なボーカル・レコーディングがフィーチャーされているなど、明らかなインダストリアル・ロックの要素が見られる。また、シンセ・エフェクトを使用した楽曲も数多い。フレンテ!のアンジー・ハートが、バッキング・ボーカルとして4曲に参加しており、ハートのハーモニー・スタイルとウォルターのアンドロギュノスな声質がユニークな化学反応を聴かせている。

ツアーとプロモーション[編集]

『ヒューマニスティック』は2001年9月に発表されたが、主なプロモーションは2002年初頭から半ばまでの間に行われた。その結果、アルバムとそのシングルは2002年3月までチャート入りせず、ピークを記録するのは5月ごろであった。ツアーでは、サポート・メンバーとしてリア・ランディとブライアン・ヘッドがベースとドラムスで参加した。全米ツアーは成功を収め、ガービッジレニー・クラヴィッツらとともにヘッドライナーを務めたりもした。

アルバムのリード・シングル「レメディー」はミュージック・ビデオも制作され、MTV2で回数多く放送された。第2弾と第3弾ビデオ/シングルとして「マーシー・キス」と「モンスター」も制作されたが、後者はツアーの映像を使用しており、ずっと後になってMTVのウェブサイトで公開に至った。「スタート・オーヴァー」は2002年3月に発表された『ヴァン・ワイルダー』のサウンドトラックに収録された。

2002年6月5日放送の『ザ・トゥナイト・ショー・ウィズ・ジェイ・レノ』と、同年6月26日放送の『ザ・レイト・レイト・ショー・ウィズ・クレイグ・キルボーン』に出演し、「レメディー」を演奏した。同年11月に放送開始になったMTVのアニメ番組『クローン・ハイ』では、『ヒューマニスティック』の収録曲が数多く使用されており、「スタート・オーヴァー」は番組のエンディング・テーマに使用された。2003年2月の『クローン・ハイ』終了後、主にエクスタシー・レコード・インターナショナルの解散を理由にツアーが中止になった。

批評[編集]

アルバムは総じて高い賞賛を受けた。ポップマターズのジェイソン・トンプソンは『ヒューマニスティック』をビリー・コーガンのソロ作と比較した上で、『ヒューマニスティック』をより高く評価した。トンプソンは「素晴らしいアルバムであり、エレクトロ・ポップの傑作として見なすことができる」「ウォルターはヘヴィネスを維持しながら、羽毛のように軽快なデンス・ポップ作品を生みだす才能がある」と公言した。オールミュージックのトム・ジュレックは、31歳のウォルターは「子供」だと何度も言及しながらも、ウォルターを「傷つきやすく、道に迷った感情を、群を抜くには充分なほどロックな言葉で表現するそのスタイルは、まさにハード・ロック版のトミー・グノーシスである」と表現した。

収録曲[編集]

全作詞作曲:特記なき限りトミー・ウォルター。

  1. 「レメディー」(The Remedy) - 3:57
  2. 「マーシー・キス」(Mercy Kiss) - 3:17
  3. 「スタート・オーヴァー」(Start Over) - 4:03(トミー・ウォルター、ピート・パゴニス)
  4. 「モンスター」(Monster) - 3:49
  5. 「ブラッド」(Blood) - 4:13
  6. 「サバーバン・ミューズ」(Suburban Muse) - 3:50
  7. 「サニー・デイ」(Sunny Day) - 4:02
  8. 「L.V.B.D.」(L.V.B.D.) - 3:27
  9. 「ルーイン・ユア・ライフ」(Ruin Your Life) - 3:45
  10. 「ネヴァー」(Never) - 3:38(トミー・ウォルター、ピート・パゴニス)
  11. 「シード」(Seed) - 3:30
  12. 「フルオレセイン」(Fluorescein) - 4:19

パーソネル[編集]

チャート成績[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]