パフィオペディルム・ローウィ

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パフィオペディルム・ローウィー
パフィオペディルム・ローウィー
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
亜科 : アツモリソウ亜科 Cypripedioideae
: パフィオペディルム属 Paphiopedilum
: パフィオペディルム・ローウィー P. lowii
学名
Paphiopedilum lowii (Lindl.) Stein
図版

パフィオペディルム・ローウィー Paphiopedilum lowiiパフィオペディルム属ラン科植物。側花弁の細長い花を一つの茎に複数付ける。

特徴[編集]

葉は5-6枚つけ、線状舌形で緑色、長さ30-40cm[1]。花期は春から初夏。花茎は直立するか斜めに伸び上がり、長さは60-70cmにも達する。鼻は花茎の上部に5-6個を生じ、すべてがほぼ同時に開花する。花は径が11-16cm。背萼片は卵形で基部の縁は後ろに強く反り返る。色は黄緑色の地に基部から上に向けて濃褐色が入る。側花弁は匙形で左右斜め下方に伸び、黄緑色で褐色の粗い斑紋が入り、先端付近は菫桃色になっている。唇弁は袋状でふとは外に向き、基部の両側は耳状の突起になっている。

唇弁は全体に濃褐紫色。仮雄蕊の先端中央は突出する[2]

種小名は本種の発見者でもあるイギリス人の植物採集家ヒュー・ロー(Hugh Low, 1824-1905)にちなむ[2]

分布[編集]

ボルネオスマトラジャワからマレー半島に分布する。本属は基本的には地上生のものであるが、本種は例外的に着生である[3]

類似種[編集]

ハイナルディアヌム P. haynaldianum はフィリピンのルソン島に産し、本種によく似ている。この種では背萼片に褐色の粗い斑紋が出る。またこの種では仮雄蘂の先端がくぼんでいる。

利用[編集]

洋ランとして栽培される。

出典[編集]

  1. ^ 以下、主として唐澤監修(1996),p.452
  2. ^ a b 園芸植物大図鑑(1996),p.2894
  3. ^ 遊川(1997),p.252

参考文献[編集]

  • 唐澤耕司監修、『蘭 山渓カラー図鑑』、(1996)、山と渓谷社
  • 『園芸植物大事典 2』、(1994)、小学館
  • 遊川知久、「その他のアツモリソウ亜科」:『朝日百科 植物の世界 9』、(1997)、朝日新聞社:p.25-252