ノート:マスムーブメント

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地盤沈下や陥没について[編集]

私は地学に関する知識は乏しいし、本記事もこれで一通り完成というより、執筆者様はおそらく現在も鋭意制作中であろうと思われますが、現時点で強く疑問を感じたことを書いておきます。

鈴木 (2000) によれば、「マスムーブメント」には地盤沈下陥没も含まれるようですが、この分類は今のところ広く認められているというわけではない、ということでしょうか。地すべり土石流と地盤沈下が同じ概念で括られると言うのは素人的には違和感がありますが、冒頭部に書かれた定義のうち「地形物質が重力によって下方へ移動する現象」だけを見ればたしかに地盤沈下が地すべりなどと同じ現象として括られることにも納得がいきます。しかし、その前に「斜面において」と条件が付いているし、またその後でも「地形の斜面プロセスの1つである」と規定しています。そうするとやはり地盤沈下や陥没を含めるのはおかしいのではないかと、素人的にも考えられます。少なくとも、日本地形学連合の定義を採用する限り、「斜面」は「マスムーブメント」発生のための重要な要素と考えられ、地盤沈下や陥没は「マスムーブメント」の範疇に含まれない、と考えられているのではないかと思われますがどうなのでしょうか。「分類」節で紹介されている、Varnes (1978)よる複数の要素の組み合わせによる分類を見れば「地盤沈下」を含めることも自然に思えますが、論文タイトルは"Slope movements type and processes"となっているのでやはり「斜面」を意識した分類と思います。「マスムーブメント」の分類には複数の見解があるということなので、単純に白黒つけられるような話ではないと思いますが、実際に各関連学会や研究者などの間で、「マスムーブメント」に地盤沈下や陥没を含めることが広く合意されている事なのかどうかという点についての解説は欲しいと思います。

なお、上の疑問とは別の話ですが、"Varnes (1978)"の書誌情報を注釈で紹介しているのと同様に、「鈴木 (2000)」についても書誌情報の紹介をお願いします。--Loasa会話2019年2月21日 (木) 00:27 (UTC)[返信]

  • 返信 再立項者です。Loasaさん、ご意見ありがとうございます。
    1. 地盤沈下、陥没について - 執筆にあたり参考にした文献をできる限り確認しましたが、地盤沈下や陥没がマスムーブメントに含まれるかどうかは、直ちに白黒つけられないように思います。鈴木 (2000)で挙げられている8分類(地盤沈下、陥没を含む)ですが、これは松倉 (2008b)(『地形変化の科学』)、および日本地形学連合 (2017)で引用されており、特に前者では高評価する旨の言及もあります(p.86)。しかし、松倉 (2008b)では斜面プロセスとマスムーブメントを同義として扱っている(p.85)うえ、松倉 (2008a)(『山崩れ・地すべりの力学』)では、マスムーブメントの定義として「斜面物質」とあり、そのうえ具体例として落石、匍行なども言及されていますが、ここでは地盤沈下、陥没は言及されていません(p.5)。私自身、マスムーブメントについて改めて考えてみると、斜面における地形プロセスという認識なので、ご指摘の違和感は理解できます。まずは、原典たる鈴木 (2000)を再確認してみたいと思います(この文献は図書館に行かないと閲覧できません)。とはいえ信頼できる第三者による高評価言及がある以上、鈴木 (2000)における説明が明らかな誤りとは思えず、かつ10年前では明らかに古い考え方とも言えないので、安易に当該記述を除去するのはためらわれます。もう少しこちらでも確認したうえで、適切に加筆・修正をしていきたいと思います。
    2. 鈴木 (2000)について - マスムーブメント#参考文献で提示した文献です。Varnes (1978)については本文中で直接的な出典として使用していない(参考文献節でも提示していない)こともあり、注釈という形で書誌情報を提示しましたが、鈴木 (2000)では既に参考文献で提示している関係で略しました。こちらも注釈をつけておいたほうが良いでしょうか?--郊外生活会話2019年2月21日 (木) 15:33 (UTC)[返信]
  • ご回答ありがとうございます。別の疑問点が出てきましたのでもう一つ
  • 抵抗力について
「垂直応力と表せる」となっていますが、垂直応力の単位は「力/面積」の次元量を持つはずです。この式だと「力/長さ」になってしまいますね。を「垂直応力」と呼ぶのが間違っているのか、が「長さ」ではないのか、のどちらかでしょうか。また、最初のの式にしても、せん断強度(せん断応力)はやはり「力/面積」のはずなので、これだとは「長さあたりの抵抗力」ということになってしまいます。出典資料はこのまんまの表現なのでしょうか。出典資料にある各変数の定義を見落としたり間違えたりしているということはないでしょうか。--Loasa会話2019年2月22日 (金) 12:35 (UTC)[返信]
  • 「鈴木 (2000)」の書誌情報
ああ、参考文献節にあったのですね。気がつきませんでした。このような場合は、注釈よりむしろharvタグを使って{{harv|鈴木|2000}}などと直接論文名の略記から書誌情報に飛べるようにしておけばよいと思います。
--Loasa会話2019年2月22日 (金) 12:35 (UTC)[返信]
  • 返信 コメントありがとうございます。「が『長さ』ではない」可能性が高いように思います。原典で確認してみましたが、立項時に潜在破壊面の長さについては記載したものの、奥行きについて言及し忘れたことに起因するかと思います。マスムーブメント#抵抗力でのを、長さ、奥行きの潜在破壊面の面積とみると、ご指摘の単位不一致は解決するかと思います。また、を面積ととることで、第3式の右辺第1項と第2項それぞれの単位も一致するかと思います。
ただ、出典として提示している松倉 (2008a)を読んでみると、垂直応力の式で分母にくるが「長さ」と読み取られ、原典自体で、長さと面積が混同されている可能性がある記述が見られるようにも思います。正確性と検証可能性の向上につながるよう、他の文献を含めてもう少し確認しておきたいと思います。
最後に、書誌情報については{{harvtxt}}を使った形で変更してみました({{harv}}だと括弧が入ってしまい不自然に思ったので{{harvtxt}}を使用しています)。--郊外生活会話2019年2月22日 (金) 14:55 (UTC)[返信]
  • コメント 遅くなってしまいましたが、地盤沈下陥没をマスムーブメントに含める鈴木 (2000)では、マスムーブメントの定義に「斜面」という用語自体を使用しておらず、高所→低所という地形変化プロセスについて述べています(p.779)。ただ、斜面プロセスとマスムーブメントを同義として解説している松倉 (2008b)にて、斜面プロセスのパートで陥没や沈下を扱っている(第10章、目次は出版社Webページで確認可能)わけで、さらにこの章での具体例も、一般的な用語としての斜面と見るのは難しいように思われます。でも安全率なりせん断強度なり、マスムーブメント#マスムーブメントの力学で出てくる用語が登場しているわけです。
なお鈴木 (2000)では、マスムーブメントが起こる区間について、発生域(斜面上部: 地表から地形物質が離れる)、移動域(斜面下部へ地形物質が移動する)、定着域(斜面下部: 緩傾斜地に地形物質が堆積する)の3区間に分けた解説箇所があったのですが(p.784)、陥没や沈下では、3つの区間が重複していると考えるようです。陥没や沈下が起こった区域を斜面の一種とみなしているように思える記述にも思われ、ご指摘の違和感も理解できます(発生域などについては後日加筆した方が良さそうには思いました)。
でも、それほど多くはない地形学のマスムーブメントの文献で、複数の文献が同じような解説をしている以上、少なくとも地形学においてはそう見ているという可能性が否定できないように思われます(私は地形学者ではないので自信をもってまでは言えませんし、また土木工学など他分野でどう考えられているのかもわかりませんが)。
また、先日のの話ですが、松倉 (2008b)では奥行き1の説明がある一方、鈴木 (2000)では、Lは長さとして定義し(奥行きは定義なし)、粘着力はせん断面全体の長さに比例という説明があったり、物理学的な垂直応力の定義を考え直すと疑問に思える書き方でした。垂直応力で面積で割るならLではなくSのほうが自然な気もしなくはないのですが、これも地形学での慣習でも何かあるのかもしれません(専門家ではないのでわかりませんが)。現状として検証可能性を遵守しつつ違和感の小さい書き方をするとなると、2019年2月22日 (金) 14:21(UTC)版での編集(差分)がベターなのかなと思ってはいます。でもすっきりいかないところですが。--郊外生活会話2019年3月8日 (金) 11:40 (UTC)[返信]
  • コメント 図書館で 山岸宏光・志村一夫 編著 2019. 『マスムーブメントのデジタル空間解析』 北海道大学出版会 を読んでみました(記事再作成後に発行されたものです)。p.13を読む限り、地盤沈下についてはマスムーブメントに含めることがあると明言があります。陥没についても、本では直接書かれていないものの、本で書かれていることをもとに考えると少なくとも広義のマスムーブメントに該当しないとは思えませんでした。山岸ほか (2019)では取りあげるマスムーブメントの具体例を絞っており、陥没はそれらには該当しませんが、しかし鈴木 (2000)と矛盾する主張ではないのでマスムーブメントに非ずともいえないように読み取っています。なお山岸ほか (2019)ですが、既存内容では触れられていない火山性マスムーブメント、エネルギーによる解釈(位置エネルギーから運動エネルギーへの転換)、マスムーブメントの規制要素、予知などにも触れられているので、内容をもっとしっかり読めばさらなる加筆に利用できるかと思います(規制要素、予知については松倉 (2008a)にあったような気がします、あとマスムーブメントの力学についても記載されているのは超基本的なことだけで、松倉 (2008a)には続きがあります)--郊外生活会話2020年1月28日 (火) 07:56 (UTC)[返信]