デビッド・マーフィー (野球)

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デビッド・マーフィー
David Murphy
クリーブランド・インディアンスでの現役時代(2015年4月8日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 テキサス州ヒューストン
生年月日 (1981-10-18) 1981年10月18日(42歳)
身長
体重
6' 4" =約193 cm
210 lb =約95.3 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 外野手
プロ入り 2003年 MLBドラフト1巡目(全体17位)
初出場 2006年9月2日
最終出場 2015年10月3日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

デビッド・マシュー・マーフィーDavid Matthew Murphy , 1981年10月18日 - )は、アメリカ合衆国テキサス州ヒューストン出身の元プロ野球選手外野手)、プロ野球解説者。左投左打。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

2000年MLBドラフト50巡目(全体1439位)でアナハイム・エンゼルスから指名を受けるも、入団には至らなかった。

プロ入りとレッドソックス時代[編集]

2003年MLBドラフト1巡目(全体17位)でボストン・レッドソックスから指名を受け、プロ入り。

2006年9月2日のトロント・ブルージェイズ戦でメジャーデビューを果たす。目を見張るような数字は残せなかったが、ニューヨーク・ヤンキース戦でジャレット・ライトからメジャー初本塁打を放っており、貴重な経験を積んだシーズンにはなった。

レンジャーズ時代[編集]

2007年の途中にエリック・ガニエとのトレードで、ケイソン・ギャバードエンヘル・ベルトレと共にテキサス・レンジャーズへ移籍した。レンジャーズ加入後は43試合に出場し、打率.340・OPS0.916と打ちまくった。

2008年4月25日のミネソタ・ツインズ戦においてキャリアで初めてサヨナラ安打を放った。この年は出場試合数を激増させ、108試合で打率.275・15本塁打・74打点を記録して中軸打者として活躍した。守備では、右翼と左翼をそれぞれ50試合以上守ったほか、中堅を守る機会もあったため、外野の全ポジションを守った。

2009年は打率と打点は減少したが、本塁打と盗塁で自己記録を更新した。OPSは、前年とほぼ同等の水準の数値をマークした。

2010年も外野の3ポジションを移り変わりながら138試合に出場し、打率.291・12本塁打・65打点という好成績をマークしたほか、走塁面でも更なる進歩を見せ、14盗塁を決めた。守備では左翼で失策を1つ犯しただけで、守備防御点こそ±0だったものの、堅実さを発揮した。

2011年は前年からは出場試合数は微減したものの、2年連続で10本塁打・10盗塁のラインをクリアした。守備では相変わらず外野の3ポジションを守ったが、左翼を守った試合(74試合)が右翼を守った試合(32試合)の倍以上であり、左翼をメインにプレーした。

2012年は自身初の規定打席到達を果たした上、打率.300・OPS0.850のラインをクリア、また本塁打も3年ぶりに15本以上となり、200本塁打・808得点を記録した強力レンジャーズ打線の中軸の1人として気を吐いた。この年は守備面でも大活躍し、左翼を守った120試合で僅かに1失策・守備率.995を記録したほか、DRSも + 7とプラスに転じた。

2013年6月4日のレッドソックス戦で、17対5とリードされた8回にブルペン投手を無駄に使いたく無かったのを理由に、監督のロン・ワシントンはマウンドに野手のマーフィーを送った。MLB史上13度目の毎回得点試合が掛っていたレッドソックス打線に対し、マーフィーは先頭打者に二塁打を浴びるもナックルボールなどを駆使し無失点に抑え、レッドソックスの毎回得点を阻止した[1]。レギュラーシーズンでは6年連続二桁本塁打こそ超えたものの、二桁盗塁の連続記録を3年でストップさせる1盗塁に終わり、打率.220と不振に陥った。オフの10月31日にFAとなった。

インディアンス時代[編集]

2013年11月25日にクリーブランド・インディアンスと2年総額1200万ドルで契約した[2]

2014年は右翼にコンバートされ、レギュラー格で129試合に出場した。打率は.262と上向いたが、本塁打は二桁を割り込み、盗塁も2つだけだった。守備成績も芳しくなく、DRS - 17だった。

2015年6月17日のシカゴ・カブス戦で、2013年のレンジャーズ時代以来で自身2度目の登板をしたが、クリス・ブライアントに満塁本塁打を記録されるなど5失点を喫した[3]。移籍まで、本職のバッティングでは好調をキープし、打率.296・5本塁打・27打点という成績を記録した。

エンゼルス時代[編集]

2015年7月28日にエリック・スタメッツ英語版とのトレードで、ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムへ移籍した[4]。翌日となる29日のヒューストン・アストロズ戦に4番・左翼手で先発出場した[5]。エンゼルス加入後は打率がやや低下し.265だったが、移籍前と比して出場試合数が約半減の48試合ながら、移籍前と同本数の5本塁打を放ち、通算100本塁打を達成。また、二塁打を6本放って通算200二塁打も達成した。2チームトータルでは132試合でプレーし、打率.283・10本塁打・50打点・OPS0.739というまずまずの成績を残した。

ツインズ傘下時代[編集]

2016年2月29日に古巣レッドソックスとマイナー契約を結び、同年のスプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[6]。3月28日に自由契約となった[7]。4月14日にミネソタ・ツインズとマイナー契約を結び[8]、傘下のAAA級ロチェスター・レッドウイングスでプレーしていた。4月25日に現役引退を表明した[9]

現役引退後[編集]

2017年よりバリー・スポーツ・サウスウエスト英語版で試合中継前後に放送される番組に出演し、2019年からはテキサス・レンジャーズと傘下AA級フリスコ・ラフライダーズの試合中継で解説を務めている[10]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2006 BOS 20 26 22 4 5 1 0 1 9 2 0 0 0 0 4 0 0 4 1 .227 .346 .409 .755
2007 3 2 2 1 1 0 1 0 3 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .500 .500 1.500 2.000
TEX 43 110 103 16 35 12 1 2 55 14 0 0 0 0 7 0 0 19 1 .340 .382 .534 .916
'07計 46 112 105 17 36 12 2 2 58 14 0 0 0 0 7 0 0 20 1 .343 .384 .552 .936
2008 108 454 415 64 114 28 3 15 193 74 7 2 2 6 31 3 0 70 7 .275 .321 .465 .786
2009 128 494 432 61 116 24 1 17 193 57 9 4 2 9 49 3 1 106 5 .269 .338 .447 .785
2010 138 471 419 54 122 26 2 12 188 65 14 2 0 3 45 2 0 71 6 .291 .358 .449 .806
2011 120 440 404 46 111 14 2 11 162 46 11 6 1 2 33 3 0 61 11 .275 .328 .401 .729
2012 147 521 457 65 139 29 3 15 219 61 10 5 0 4 54 7 4 74 7 .304 .380 .479 .859
2013 142 476 436 51 96 26 1 13 163 45 1 4 0 1 37 2 1 59 11 .220 .282 .374 .656
2014 CLE 129 462 416 40 109 25 1 8 160 58 2 3 1 7 36 2 2 61 6 .262 .319 .385 .703
2015 84 229 206 22 61 12 1 5 90 27 0 1 1 4 16 1 1 29 4 .296 .344 .437 .781
LAA 48 162 155 16 41 6 0 5 62 23 0 1 0 1 4 0 0 20 2 .265 .281 .400 .681
'15計 132 391 361 38 102 18 1 10 152 50 0 2 1 5 20 1 1 49 6 .283 .318 .421 .739
通算:10年 1110 3847 3467 440 950 203 16 104 1497 472 54 28 7 37 316 23 9 575 61 .274 .333 .432 .765
  • 2015年度シーズン終了時

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2013 TEX 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 4 1.0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0.00 1.00
通算:1年 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 4 1.0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0.00 1.00
  • 2013年度シーズン終了時

背番号[編集]

  • 60 (2006年)
  • 44 (2007年 - 同年途中)
  • 28 (2007年途中 - 同年終了)
  • 7 (2008年 - 2009年途中、2010年 - 2015年途中)
  • 14 (2009年途中 - 同年終了)
  • 19 (2015年途中 - 同年終了)

脚注[編集]

  1. ^ 大差で“二刀流”出現 マーフィー「高校時代以来のマウンド」”. スポニチ Sponichi Annex (2013年6月5日). 2013年6月8日閲覧。
  2. ^ "Indians sign OF David Murphy" (Press release) (英語). MLB.com (Cleveland Indians). 25 November 2013. 2016年3月1日閲覧
  3. ^ Jordan Bastian; August Fagerstrom (2015年6月18日). “Indians blanked in lopsided loss to Cubs” (英語). MLB.com. 2016年3月1日閲覧。
  4. ^ Mike Digiovanna (2015年7月28日). “Angels acquire veteran outfielders David DeJesus and David Murphy” (英語). Los Angels Times. http://www.latimes.com/sports/sportsnow/la-sp-sn-angels-acquire-veteran-outfielders-david-dejesus-and-david-murphy-20150728-story.html 2015年7月29日閲覧。 
  5. ^ MLB.com Gameday” (英語). MLB.com (2015年7月29日). 2015年7月30日閲覧。
  6. ^ Ian Browne (2016年2月29日). “Red Sox sign lefty-swinging outfielder Murphy” (英語). MLB.com. 2016年3月1日閲覧。
  7. ^ MLB公式プロフィール参照。2016年12月19日閲覧。
  8. ^ La Velle E. Neal III (2016年4月14日). “Twins to sign veteran outfielder David Murphy, plan to shake up roster” (英語). StarTribune.com. 2016年12月19日閲覧。
  9. ^ Gerry Fraley (2016年4月25日). “Former Rangers outfielder David Murphy retires at age 34” (英語). SportsDay.DallasNews.com. 2016年12月19日閲覧。
  10. ^ Rangers Broadcasters | Texas Rangers”. MLB.com. 2021年8月24日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]