テナガカミキリ

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テナガカミキリ

テナガカミキリ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目(鞘翅目) Coleoptera
亜目 : カブトムシ亜目(多食亜目) Polyphaga
上科 : ハムシ上科 Chrysomeloidea
: カミキリムシ科 Cerambycidae
亜科 : フトカミキリ亜科 Lamiinae
: Acrocinus
: テナガカミキリ
A. longimanus
学名
Acrocinus longimanus
(Linnaeus, 1758)
和名
テナガカミキリ

テナガカミキリ(Acrocinus longimanus)は、鞘翅目カミキリムシ科に属するカミキリムシの一種。

形態[編集]

体長は80mm。オスの前肢が異様に長い事で知られ、カミキリムシの中で最も長い前肢を持つ種類だとされている。体色はオレンジ色、黄色、黒色のからなる独特の模様で、英語では「Harlequin Beetle道化師のカミキリムシ)」と呼ばれる。この鮮やかな色彩は死後に光に当たると褪せてしまう[要出典]

生態[編集]

クワ科及びキョウチクトウ科の木がある熱帯林に生息し、成虫は主にゴムの原料となるパラゴムの木を傷つけ、その樹液を食べる。幼虫は主にクワ科やイチジク類樹木を食べる。 求愛する際は、メスの上に乗り、体長の倍以上の長さに達する前肢を拡げる。その後、メスの肢は完全にオスの手の内に収まり、徐々に前に出たオスはメスの背中を舐めるような仕草をする。他のオスとの喧嘩の際は、前肢を体に対し垂直に持ち上げ、ライバルのオスに頭突きして噛みつく。

本種の体にはカニムシがいる場合がある。カニムシの食べ物は、テナガカミキリに寄生してその体液を吸うダニである。テナガカミキリの体にいれば、カニムシは食べ物に困らない上に等の天敵から身を守る事ができ、一方のテナガカミキリ吸血するダニを食べてもらえることから、両者の間には共生関係が成り立っていると考えられる。また、カニムシがより遠くに移動する為テナガカミキリを「乗り物」として利用しているという説もある[要出典]

分布[編集]

中央アメリカから南アメリカにかけて新熱帯区の広範囲に分布する。

人間とのかかわり[編集]

新熱帯区では、移入種であるパンノキ類食害する為、果樹園農家からは害虫として警戒されている。

参考文献[編集]

講談社の動く図鑑MOVE 昆虫[新訂版]. 株式会社講談社. (2018年6月25日) 

甲虫カタチ観察図鑑. 株式会社草思社. (2013年6月28日) 

世界甲虫大図鑑. 東京書籍株式会社. (2016年5月20日)