チャールズ・ベルリッツ

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チャールズ・ベルリッツ(右)

チャールズ・ベルリッツ英語: Charles Berlitz、1914年11月20日 - 2003年12月18日[3])は、アメリカ合衆国言語学者作家超常現象研究家チャールズ・バーリッツとも表記。ニューヨーク出身[3]

人物・来歴[編集]

ベルリッツ語学学校の創業者である言語学者のマキシミリアン・ベルリッツ英語版の孫[4]。自身も言語学者として『Native tongues』(1982年、日本語題『ベルリッツの世界言葉百科』)、『Around the world with 80 words』(1991年、日本語題『ベルリッツの世界言葉案内』)を著したほか、ベルリッツ語学学校の語学カリキュラム作成などにも携わった[1]

超常現象研究家としては、バミューダトライアングルフィラデルフィア計画に関する著書で知られる[3]。特に前者については、著書『The Bermuda Triangle』(1974年、日本語題『謎のバミューダ海域』)が世界20か国語に翻訳され、総発行部数500万部以上の世界的ベストセラーとなり[1]、この伝説が人々の間に広く知られることとなった[2][5]。また日本列島南方の三角海域を、バミューダトライアングル同様に航空機や船舶が消失する魔の海域「ドラゴントライアングル」だと、著書『The Dragon’s Triangle』(1989年、日本語題『魔海のミステリー』)で指摘した[6][7]。ただしバミューダトライアングルの正体は、超常現象としての支持者たちによる事実の誤認、歪曲、誇張、創作によるものだと、ローレンス・D・クシュ英語版の著書『Bermuda triangle mystery solved』(1975年、日本語題『魔の三角海域』)などで指摘されており[8]、ベルリッツの著書にもそうした事実隠蔽や創作があるとの指摘もある[2]。またドラゴントライアングルでの航空機や船舶の消失もクシュの同書で、同様に事実誤認によるものと指摘されており[2][8]日本海上保安庁関係者もベルリッツの著書の内容を疑問視している[6]

そのほか、アメリカのロズウェルに墜落したUFOアメリカ軍が回収したといわれるロズウェル事件について、ウィリアム・L・ムーア英語版とともに『The Roswell Incident』(1980年、日本語題『ニューメキシコに墜ちた宇宙船』、後に『ロズウェルUFO回収事件』に改題)を著し、この件が有名となるきっかけとなった[9]。もっとも、この発行時点でベルリッツはすでにバミューダトライアングルなどで超常現象研究家として著名であったため、頼まれてロズウェル事件の普及に名前を貸しただけとの説もある[10]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 「チャールズ・ベルリッツさん死去」『朝日新聞朝日新聞社、2003年12月31日、東京朝刊、35面。
  2. ^ a b c d 本城達也オフィシャルブログ「バミューダ海域の謎」より(2015年5月10日閲覧)
  3. ^ a b c Charles Berlitz”. インターネット・ムービー・データベース. 2015年5月10日閲覧。
  4. ^ チャールズ・ベルリッツ『ベルリッツの世界言葉案内』谷口伊兵衛訳、而立書房、2002年6月(原著1991年)、236頁。ISBN 978-4-88059-289-3 
  5. ^ 羽仁礼『超常現象大事典 永久保存版』成甲書房、2001年4月、212頁。ISBN 978-4-88086-115-9 
  6. ^ a b 「通風筒」『中日新聞中日新聞社、1989年12月24日、朝刊、23面。
  7. ^ 日本にもあった魔の海域 ドラゴントライアングル」『Livedoor ニュースLINE、2008年2月26日。2015年5月10日閲覧。オリジナルの2015年5月10日時点におけるアーカイブ。
  8. ^ a b 山本弘他『トンデモ超常現象99の真相』洋泉社、1997年3月、323-332頁。ISBN 978-4-89691-251-7 
  9. ^ 山本弘オフィシャルブログ「超ミステリーの嘘99」より(2015年5月10日閲覧)
  10. ^ 蒲田典弘 (2007年). “ロズウェル事件に関係する人物”. Myth of Roswell Incident. 2015年6月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年5月10日閲覧。