タタ・スモー

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スモー
概要
製造国 インドの旗 インド
販売期間 1994–2019年
ボディ
乗車定員 5-10名
ボディタイプ 5ドアSUV
駆動方式 FR
AWD
パワートレイン
エンジン ディーゼル:2.0/3.0L I4
変速機 5MT
車両寸法
ホイールベース 2,400–2,425mm
全長 4,450mm
全幅 1,755mm
全高 1,905mm
その他
姉妹車 タタ・スモー グランデ
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スモー (SUMO)は、タタが1994年から2019年にかけて製造販売していたSUVである。

歴史[編集]

1994年、軍事用およびオフロード輸送用を主用途として設計された、10人乗りの後輪駆動SUVとして発売[1]。 1997年以前に100,000台以上が販売され、大きな成功を収めた[2]

背面

タタ・テルコライン英語版の タタ・X2ボディオンフレームプラットフォーム[3] をベースに強化、再設計したリアアクスルを持ち、オフロードに適応する。4輪駆動はパートタイム式。 サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーンにトーションバー。リアはソールズベリー型固定軸にテーパーリーフスプリングで、アンチロールバーを装備。 ブレーキはフロントがベンチレーテッドディスク、リアは自動調整式ドラム。

インド国内では、民間向けには後輪駆動仕様が販売され、四輪駆動は事業用とインド軍向けである。輸出市場では、4WD仕様・2WD仕様とも並行して販売されていた。

スモー登場以前は、インド市場は停滞しており、同じクラスの最新の車両は、主にオリジナルのウィリス・ジープから派生したマヒンドラ&マヒンドラ車で、スモーはリリース後すぐにインドのユーティリティ自動車市場の主要なセグメントを獲得した。

車名は、タタ・モーターズの元MDであるスマント・ムールガオカー(Sumant Moolgaokar)に由来[4]

エンジンはテルコラインと同じ。タタがライセンス生産する2.0L(1,948 cc)の4気筒自然吸気ディーゼル・プジョーXD88は、シリンダー毎2バルブ、間接噴射で63馬力を発揮する。ギアボックスはG76 5速マニュアル。

1996年、より洗練された新しい「デラックス」バージョンに改良された。1998年、輸出向けにプジョーXD88 2.0ディーゼルエンジンのターボ仕様を発表。新しいエンジンはユーロ2適合で、出力は92馬力。

2001年には、2.0 TDiエンジンを搭載したスモー・デラックス・ターボがインドに導入された[5]

タタ・スモー・スパシオ(2000-2011)[編集]

タタ・スモー・スパシオと呼ばれる改良版が2000年に発売[6]。 主な変更点はパワートレインで、小型商用車タタ・407に使われる新しい2,956cc直接噴射自然吸気ディーゼルエンジン(タタ「4SP」、65馬力)を導入。旧スモーより長いホイールベースを持つスパシオは、異なるトランスミッション、リアアクスル、タイヤで特に燃費の改善を図っている。外観上は「飾り気のない」ことに加えて、旧型との顕著な違いはヘッドランプが長方形ではなく丸型なことである。

スパシオSTと呼ばれるソフトトップバージョンも、農村市場向けに導入された[7]。STは4WD版も設定する。

スパシオの導入後も、旧型スモーの生産は引き続き行われた。価格はスパシオより高く、2.0Lの自然吸気およびターボエンジンを搭載(2001年以降)。実のところ、スパシオは旧スモーの廉価版を意味している。

2007年初頭、スパシオ・ゴールドプラスを発売 [8]。 4SP系の3,0ターボエンジンを搭載し、70馬力/3,000rpmの出力と223Nm/2,200rpmのトルクを発揮する。

タタ・スモー・ヴィクタ(2004-2011)[編集]

Sumo Victa Turbo DI

2004年発売[9]。 スモー・ヴィクタはスモー・スパシオの改良版である。全車タコメーター多機能インストルメントパネルパワーステアリング、4ドアパワーウィンドウ、キーレスエントリー、その他の快適機能を備える。

2007年後半、改良版のスモー・ヴィクタ・ターボDIが発売された[10]。 パワートレインはスモー・スパシオから、ボディスタイルとインテリアはスモー・ヴィクタから引き継がれ、そのためスペアタイヤはテールゲートから車両下に移された。7人乗りと9人乗りのバリエーションがある。

タタ・スモー・ゴールド(2011-2019)[編集]

2011年11月、スモー・ゴールドを発売[11]。 スモー・ヴィクタのフェイスリフト版で、「Dicor」と呼ばれる3.0 CR4 4気筒ディーゼルを搭載。コモンレール直噴・16バルブで、85馬力、トルク250Nm。旧型のコモンレールなし・3.0直噴ディーゼルターボ(70馬力、トルク225Nm)もラインナップに残る。インテリアはファブリック、エアコンのコントロール、インストルメントが新しくなった。機械的にはブレーキシステムが改善され、新しいショックアブソーバーにより乗り味の堅さが和らげられた。

2013年10月に最後のマイナーチェンジ。CDとMP3対応のラジオ、デュアルゾーンエアコンを搭載。新ボディカラーを設定、ステッカーが新しくなった[12]

2019年4月に生産終了[13]

タタ・スモー・グランデ(2008-2016)[編集]

2008 タタ・スモー グランデ

2008年1月10日、スモー・グランデを発売。新しい2.2「Dicor」コモンレールディーゼルエンジン(89 kW、122PS)を搭載。スモーの成功にちなんで名づけられた。タタ製品の中ではサファリの下に位置する。

車名[編集]

「SUMO (スモー)」は、タタ・モーターズのマネージング・ディレクターであった「スマント・ムールガオカー (Sumant Moolgaokar)」に由来する[14]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Telco Launches New Jeep”. Indian Express (1994年11月9日). 2011年2月22日閲覧。
  2. ^ 100,000th Tata Sumo Rolled Out”. Tata Motors Milestone (1997年12月1日). 2010年12月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年2月22日閲覧。
  3. ^ Rebuilding success stories”. Tatawestside.com (2003年4月). 2018年11月9日閲覧。
  4. ^ https://www.tatamotors.com/blog/corporate/10-things-you-didnot-know-about-tata-motors/
  5. ^ Tata Sumo Deluxe takes on the road”. Tata Motors (2001年10月19日). 2018年11月9日閲覧。
  6. ^ Tata's rural vehicle in offing”. Tata Motors (2000年5月4日). 2018年11月9日閲覧。
  7. ^ Tata Engineering”. Tata Motors (2002年4月28日). 2018年11月9日閲覧。
  8. ^ Tata Motors launches variants of Spacio”. The Financial Express (2007年4月25日). 2013年1月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年2月23日閲覧。
  9. ^ Tata Motors launches the Sumo Victa”. Tata Motors Archives (2004年7月7日). 2010年12月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年2月24日閲覧。
  10. ^ Tata Motors launches new Sumo, Safari range”. Business Line (2007年10月12日). 2011年2月23日閲覧。
  11. ^ The all new Tata Sumo Gold arrives”. Tata Motors (2011年11月10日). 2018年10月16日閲覧。
  12. ^ Updated 2014 Tata Sumo Gold Launched In India”. motorbeam.com (2013年10月29日). 2018年12月21日閲覧。
  13. ^ Tata Sumo, Bolt Discontinued; Safari Next?”. motorbeam.com (2019年4月12日). 2019年6月22日閲覧。
  14. ^ 10 Things You Didn’t Know About Tata Motors (タタ・モーターズ/2017年6月7日掲載/2019年10月31日閲覧)

関連項目[編集]