ジュリー・ガーウッド

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ジュリー・ガーウッド
Julie Garwood
ペンネーム エミリー・チェイス[注 1]
誕生 (1944-12-26) 1944年12月26日
アメリカ合衆国の旗 ミズーリ州カンザスシティ
死没 (2023-06-08) 2023年6月8日(78歳没)
アメリカ合衆国の旗 カンザス州リーウッド英語版
職業 作家
言語 英語
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
活動期間 1985年 - 2023年
ジャンル ヤングアダルト、ロマンス
デビュー作 『きらめく翼に守られて』
公式サイト www.juliegarwood.com
ウィキポータル 文学
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ジュリー・ガーウッドJulie Garwood1944年12月26日 - 2023年6月8日[1])は、アメリカ合衆国小説家ミズーリ州カンザスシティ出身。執筆ジャンルはロマンス、歴史ロマンス、サスペンスなど。発行部数は3500万部以上に上り、少なくとも24作が『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラー・リストにランクインしたことがある[2]。ヤングアダルト向けの"A Girl Named Summer" シリーズも執筆している。

『バラの絆は遥かなる荒野に』(原題:"For the Roses" )は"Rose Hill" として映画化された[3]

経歴[編集]

7人兄弟の6番目として、ミズーリ州カンザスシティアイルランド系の大家族で育つ[3]。5人の姉妹と1人の兄弟がいる。6歳の時に扁桃切除術を受けた影響で学校を休みがちになり、そのせいか他の同年代の子供たちのようにスムーズな音読ができなかった。11歳の時に母親がそのことに気付き、数学の教師シスター・エリザベスが夏休みを全て費やして、ガーウッドに音読を教えたり、物語を読むことの楽しさを教えた。彼女はガーウッドの人生に大変影響を与え、後にガーウッドは自分の娘に「エリザベス」と名付ける[2][4]

レジスタードナース(正看護師)を目指して勉強していた時、ロシア史の講義を受けたことで歴史に興味を持ち、看護と歴史の2つを専攻することを決める。ガーウッドのエッセイの質の高さに感銘を受けた教授に説得され、著述の道を選び、子供向けの小説"A Girl Named Summer"として実を結び、初の歴史小説『きらめく翼に守られて』(原題:"Gentle Warrior" )が完成する[4]

若くして結婚し、3人の子をもうけ、家族でカンザス州リーウッド英語版に暮らしている。書く作業を楽しんではいたが、作家としてのキャリアを突き詰めようとは考えておらず、自分は一家の母、そして妻であり、いくつか書く仕事をもらえるフリーランスの作家として退屈しのぎに長めの物語を書いているようなものと考えていた。末っ子が学校に通い始めた後に参加した地元の作家協議会で出会ったエージェントが前述の2作の版権を売り、出版社から歴史ロマンスをもっと書いて欲しいと要望されるようになった[3]。 歴史ロマンスのジャンルで成功したが、現代ロマンス・サスペンスのジャンルにも挑戦し[2]、初の現代ロマンス『心うち砕かれて』(原題:"Heartbreaker" )は映像化のオファーがあるほか、雑誌『コスモポリタン』でシリーズ化された。

作品リスト[編集]

邦題 原題 シリーズ 刊行年月
アメリカ合衆国の旗
刊行年月
日本の旗
訳者 出版社 備考
What's a Girl to Do? 1985年 [注 2]
きらめく翼に守られて Gentle Warrior 1985年10月 2016年02月 細田利江子 ヴィレッジブックス
A Girl Named Summer 1986年03月 ヤングアダルト向け
運命の瞳に焦がれて Rebellious Desire 1986年06月 2017年03月 細田利江子 ヴィレッジブックス
銀色の狼に魅入られて Honor's Splendour 1987年12月 2014年01月 細田利江子 ヴィレッジブックス
精霊が愛したプリンセス The Lion's Lady Crown's Spies 1 1988年12月 2006年12月 鈴木美朋 ソニー・マガジンズ
ヴィレッジブックス
Summer Rain 1989年06月
太陽に魅せられた花嫁 The Bride Lairds' Brides 1 1989年07月 2007年07月 鈴木美朋 ソニー・マガジンズ
ヴィレッジブックス
夜に招かれた守護天使 Guardian Angel Crown's Spies 2 1990年05月 2010年05月 鈴木美朋 ヴィレッジブックス
約束はエメラルドの航路に The Gift Crown's Spies 3 1991年01月 2011年12月 鈴木美朋 ヴィレッジブックス
麗しの女神をさらって The Prize 1991年08月 2015年08月 細田利江子 ヴィレッジブックス
ほほえみを戦士の指輪に The Secret Highlands' Lairds 1 1992年05月 2008年06月 鈴木美朋 ヴィレッジブックス
碧い夜明けの婚約者 Castles Crown's Spies 4 1993年07月 2014年05月 鈴木美朋 ヴィレッジブックス
婚礼はそよ風をまとって Saving Grace 1993年12月 2013年06月 細田利江子 ヴィレッジブックス
モンタナの風をつかまえて Prince Charming 1994年06月 2012年06月 細田利江子 ヴィレッジブックス
バラの絆は遥かなる荒野に For The Roses クレイボーン家 1 1995年02月 2009年08月 細田利江子 ヴィレッジブックス
メダリオンに永遠を誓って The Wedding Lairds' Brides 2 1996年04月 2008年01月 細田利江子 ソニー・マガジンズ
ヴィレッジブックス
バラに捧げる三つの誓い
  • ピンクのバラ
  • 白のバラ
  • 赤のバラ
The Clayborne Brides
  • One Pink Rose
  • One White Rose
  • One Red Rose
クレイボーン家 2 1998年08月
  • 1997年6月
  • 1997年7月
  • 1997年8月
2011年04月 細田利江子 ヴィレッジブックス 中編集
バラが導く月夜の祈り Come The Spring クレイボーン家 3 1997年12月 2011年08月 細田利江子 ヴィレッジブックス
黄金の勇者の待つ丘で Ransom Highlands' Lairds 2 1999年09月 2008年10月 細田利江子 ヴィレッジブックス
心うち砕かれて Heartbreaker 2000年08月 2002年01月 中村三千恵 二見書房
標的のミシェル Mercy 2001年09月 2003年06月 部谷真奈実 ソニー・マガジンズ
ヴィレッジブックス
魔性の女がほほえむとき Killjoy 2002年09月 2004年12月 鈴木美朋 ソニー・マガジンズ
雨に抱かれた天使 Murder List 2004年08月 2007年04月 鈴木美朋 ソニー・マガジンズ
ヴィレッジブックス
震える夜が終わるまで Slow Burn 2005年8月 2009年01月 鈴木美朋 ヴィレッジブックス
嘘はオアシスに眠る Shadow Dance 2006年12月 2009年12月 鈴木美朋 ヴィレッジブックス
広野に奏でる旋律 Shadow Music Highlands' Lairds 3 2007年12月 2010年12月 鈴木美朋 ヴィレッジブックス
氷雪の眼差しに灼かれて Fire and Ice 2008年12月 2012年12月 鈴木美朋 ヴィレッジブックス
最後の朝が来るまえに Sizzle 2009年12月 2015年02月 鈴木美朋 ヴィレッジブックス
傷痕に優しいキスを The Ideal Man 2011年08月 2015年11月 鈴木美朋 ヴィレッジブックス
暗闇に重なる吐息 Sweet Talk 2012年08月 2017年07月 鈴木美朋 ヴィレッジブックス
Hotshot 2013年08月
Fast Track 2014年02月

脚注・出典[編集]

脚注
  1. ^ ヤングアダルト向け小説シリーズ"Girls of Canby Hall" の作者の共同ペンネームで、ガーウッドはその1人。
  2. ^ 複数の著者から成るエミリー・チェイス名義で、1984年から1989年にかけて33作が発表された、ヤングアダルト向けの"Girls of Canby Hall" シリーズの第14作。
出典
  1. ^ “Julia Elizabeth Garwood” (英語). Dignity Memorial. (2023年6月13日). https://www.dignitymemorial.com/obituaries/kansas-city-mo/julia-garwood-11326777 2023年6月23日閲覧。 
  2. ^ a b c Karen Trotter (2000年). “Julie Garwood breaks rank, ventures into the realm of thrillers”. BookPage. 2007年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年3月22日閲覧。
  3. ^ a b c Donna. “Julie Garwood”. RBL Romantica. 2009年7月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年3月22日閲覧。
  4. ^ a b Laurie Gold (1998年1月1日). “Lunch with Julie Garwood”. All About Romance. 2007年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年3月22日閲覧。

外部リンク[編集]