シンシア・ルミス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
シンシア・ルミス
Cynthia Lummis
生年月日 (1954-09-10) 1954年9月10日（69歳）
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ワイオミング州、シャイアン
出身校 ワイオミング大学 (BS、BA、JD)
所属政党 共和党
配偶者
Alvin Wiederspahn
(m. 1983; d. 2014)
子女 1人
公式サイト 公式サイト
選挙区 ワイオミング州第2部
当選回数 1回
在任期間 2021年1月3日 -
選挙区 ワイオミング州全州選挙区
当選回数 4回
在任期間 2009年1月3日 - 2017年1月3日
選挙区 第5地区
当選回数 1回
在任期間 1993年1月14日 - 1995年1月10日
選挙区 ララミー郡
当選回数 6回
在任期間 1979年1月8日 - 1983年1月3日
在任期間 1985年1月7日 - 1993年1月14日
その他の職歴
第27代 ワイオミング州財務官
（1999年1月4日 - 2007年1月9日）
テンプレートを表示

シンシア・マリー・ルミス・ウィーダースパン(英語:Cynthia Marie Lummis Wiederspahn , 1954年9月10日 - )は、アメリカ合衆国・ワイオミング州出身の政治家、弁護士。共和党員。

2009年からアメリカ合衆国下院議員を通算4期務めた。2021年、アメリカ合衆国上院議員に就任した。ワイオミング州選出初の女性上院議員である。

経歴・人物[編集]

1954年9月10日、ワイオミング州シャイアンに生まれた。父は大手バス会社グレイハウンドの社員だった[1]。 高校卒業後、ララミーにあるワイオミング大学に入学し、1976年に動物科学、1978年に生物学と2つの学士号を取得した[2]。

1979年、ワイオミング州下院議員に着任した。就任当時ルミスの年齢は24歳120日で、同州史上最年少の女性州下院議員だった。2期連続で任期を務めた後、ワイオミング大学に入学し、1985年に法務博士号を取得。ワイオミング州最高裁判所で事務員として働いていた[2]。

1985年から州下院で4期、州上院で1期の任期を務めた後、1995年から1997年までワイオミング州知事のジム・ゲリンジャーの顧問弁護士として活動した[3]。

その後、1999年から2007年までワイオミング州の州財務官を務めた。2期8年間の任期中、ワイオミング州の財政健全化に務め、州の歳入を株式、不動産、債券投資をバランス良く分散したポートフォリオに変換した[2]。

アメリカ下院議員[編集]

選挙[編集]

2008年選挙で現職のバーバラ・キュービンが不出馬を宣言。ルミスは同年8月に行われた共和党予備選で実業家のマーク・ゴードンらを破り、11月4日の総選挙に臨んだ。有力な対立候補は民主党のゲイリー・トラウナーで、ティトン郡教育委員会の評議員を務めた人物だった。トラウナーは2006年選挙でバーバラ・キュービンと議席を争い、わずか1,012票(得票数全体の0.53%)差で敗北していた。トラウナーは、社会保障の民営化を支持するルミスを批判し、10万ドルを超える所得に対してもFICA税を課税するべきだと主張していた[4]。ルミスは中絶反対派や経済的に保守的な有権者の支持を得て当選を果たした。

その後、2010年選挙、2012年選挙、2014年選挙で70%近い票を得るなど、安定した地盤を誇り、2016年選挙への不出馬を表明するまで計4選を果たした[5][6][7]。

政策[編集]

  • ルミスはあらゆる増税に反対することを約束する納税者保護誓約に署名した[8]。同誓約を後援している全米税制改革協議会（英語版）は保守系の特別利益団体で共和党に近いとされている。
  • ランチA統合・経営改善法(H.R. 1684) ： ランチAは1930年代に新聞屋モーゼス・アネンバーグの別荘として建てられたロッジを含む建造物群で、1997年にアメリカ合衆国国家歴史登録財に認定された。現在はワイオミング州が所有し、教育センターとして管理・運営を行っている。同法はランチAの一部が含まれている10エーカーの国有地をワイオミング州に譲渡する法案である[9]。また、ランチAの使用に関する制限の撤廃も条項に含まれており、この法案を提出したルミスはランチAの財政を自立させるための手段だとしている [10][11]。
  • 司法への平等なアクセスのための公開法(H.R. 2919)：同法は、非連邦団体がアメリカ政府を相手に訴訟を行った時、勝訴した際に連邦裁判所が支払う手数料やその他の費用の額について、アメリカ行政会議（英語版）（ACUS）が毎年報告書を作成することを義務付ける法案である[12] 。ルミスは、2013年8月1日にこの法案を提出した。彼女は、「各機関が弁護士に支払う金額を記録することを義務付けることで、司法への平等なアクセス（英語版）法がうまく機能しているかどうかを議会が判断するのに役立つ」と述べている[13]。ルミスによれば、司法への平等なアクセス法は退役軍人や非営利団体などが連邦政府と訴訟を行う際に弁護士費用を償還するために立法されたものの、大規模な環境保護団体が環境訴訟を行う際に利用されていると主張した[14]。

所属委員会[編集]

所属議員連盟[編集]

アメリカ上院議員[編集]

選挙[編集]

2016年に下院議員を引退した後、ルミスが2018年のワイオミング州知事選への出馬を検討しているとの報道が流れたが[17]、2017年9月、ルミスは知事選への出馬を否定した[18]。

ドナルド・トランプ政権のライアン・ジンキ内務長官が辞任すると、後継者の有力候補としてルミスの名前が上がったが[19]、最終的にはデイヴィッド・バーンハートが同職に任命された[20] 。

2019年5月4日、アメリカ上院議員のマイク・エンジが引退を表明した。2019年7月11日、ルミスは上院議員選挙への立候補を表明し[21]、当選を果たした[22]。

政策[編集]

2021年1月、ルミスはテッド・クルーズとジョシュ・ホーリーが率いる共和党上院議員のグループに加わり、2020年の大統領選挙の結果を覆そうとする試みを行ったが、失敗に終わった。ルミスはペンシルバニア州やアリゾナ州の選挙人票に対する異議申し立てに賛成票を投じた[23][24]が、反対多数で否決された。

2013年にビットコインを購入するなど、暗号資産の支持者として知られ、一人娘のアナリースは、暗号資産企業アンチェインド・キャピタルの最高製品責任者であるウィル・コールと結婚している[25]。さらに、2021年2月には上院で仮想通貨とデジタル資産に関する新しい議員連盟を立ち上げる予定であると公表した[26]。

所属委員会[編集]

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ “Rep. Lummis' Statement on the Passing of Her Mother, October 10, 2013”. lummis.house.gov. 2013年10月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月18日閲覧。
  2. ^ a b c “Biography – Congressman Cynthia Lummis”. 2014年5月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年5月1日閲覧。
  3. ^ 2009–2010 Official Congressional Directory: 111th Congress. United States Government Printing Office. (2009年1月6日). pp. 294. https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=msu.31293029659962&view=1up&seq=318&q1=Lummis 
  4. ^ Joyce, Matt (2008年10月10日). “Trauner, Lummis camps debate Social Security”. Casper Star-Tribune. http://casperstartribune.net/articles/2008/10/12/news/wyoming/c369526fa8922f64872574df000230ab.txt 
  5. ^ Karen L. Haas (2011年6月3日). STATISTICS OF THE CONGRESSIONAL ELECTION OF NOVEMBER 2, 2010. Office of the clerk U.S. house of representatives. pp. 56 
  6. ^ Karen L. Haas (2013年2月28日). STATISTICS OF THE CONGRESSIONAL ELECTION OF NOVEMBER 6, 2012. Office of the clerk U.S. house of representatives. pp. 67 
  7. ^ Karen L. Haas (2015年3月9日). STATISTICS OF THE CONGRESSIONAL ELECTION OF NOVEMBER 4, 2014. Office of the clerk U.S. house of representatives. pp. 67 
  8. ^ “The Taxpayer Protection Pledge Signers 112th Congressional List”. Americans for Tax Reform. 2011年11月30日閲覧。
  9. ^ Hancock, Laura (2013年8月5日). “Lummis-supported bills move forward”. Casper Star-Tribune. http://trib.com/news/state-and-regional/lummis-supported-bills-move-forward/article_e3439f35-7dc9-5f11-9a8c-528dc3f55e33.html 2014年1月27日閲覧。 
  10. ^ “H.R. 1684 – Summary”. United States Congress. 2014年1月27日閲覧。
  11. ^ “Historic Ranch A Granted More Flexibility through Lummis Bill”. Real Estate Rama (2013年4月24日). 2021年3月22日閲覧。
  12. ^ “CBO – H.R. 2919”. Congressional Budget Office. 2021年3月22日閲覧。
  13. ^ D'Amico, Christine (2013年8月1日). “Lummis, Cohen Draft Bill to Track Equal Access to Justice Act Payments Bipartisan legislation restarts agency tracking obligations; modernizes record-keeping with online database.”. House Office of Cynthia Lummis. 2014年5月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月22日閲覧。
  14. ^ Hancock, Laura (2014年2月9日). “House committee endorses bill targeting environmental group lawsuits”. Casper Star-Tribune. http://trib.com/news/state-and-regional/govt-and-politics/house-committee-endorses-bill-targeting-environmental-group-lawsuits/article_e7aa8080-5f2e-5b61-a320-074b40ab0304.html 2014年5月5日閲覧。 
  15. ^ Bialik, Carl; Bycoffe, Aaron (2015年9月25日). “The Hard-Line Republicans Who Pushed John Boehner Out”. FiveThirtyEight. http://fivethirtyeight.com/datalab/the-hard-line-republicans-who-pushed-john-boehner-out/ 
  16. ^ “Members”. Congressional Constitution Caucus. 2018年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月22日閲覧。
  17. ^ Hancock, Laura (2016年6月27日). “Lummis not ruling out run for governor”. https://trib.com/news/state-and-regional/govt-and-politics/lummis-not-ruling-out-run-for-governor/article_3d4fb999-c675-5670-bffa-40d1c9a91f74.html 
  18. ^ “Lummis says she won't run for governor, upending the field and opening 'the floodgates'”. (2017年9月20日). http://trib.com/news/state-and-regional/govt-and-politics/lummis-says-she-won-t-run-for-governor-upending-the/article_c56a17c7-1f6b-575c-b590-d88c4305a0b1.html 
  19. ^ “White House Considering Lummis for Interior Secretary, Sources Say” (2019年1月31日). 2021年3月22日閲覧。
  20. ^ Cohn, Alicia (2019年4月11日). “David Bernhardt confirmed as new Interior chief”. The Hill. 2021年3月22日閲覧。
  21. ^ Alex Rogers (2019年7月11日). “Former Rep. Cynthia Lummis running for US Senate seat in Wyoming”. CNN. 2019年9月23日閲覧。
  22. ^ Bendix, Madison Hall, Aria. “Republican Cynthia Lummis nabs Wyoming's open Senate seat from Democratic challenger Merav Ben-David”. Business Insider. 2020年11月6日閲覧。
  23. ^ “On the Objection (Shall the Objection Submitted by the Gentleman from Pennsylvania, Mr. Perry, and the Senator from Missouri, Mr. Hawley, Be Sustained?)”. United States Senate (2021年1月7日). 2021年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月7日閲覧。
  24. ^ “On the Objection (Shall the Objection Submitted by the Gentleman from Arizona, Mr. Gosar, and the Senator from Texas, Mr. Cruz, and Others Be Sustained?)”. United States Senate (2021年1月6日). 2021年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月7日閲覧。
  25. ^ “ビットコイン好調、シンシア・ルミス氏米上院議席獲得”. モーニングスター. (2020年11月5日). https://coin.z.com/jp/corp/information/market-news/detail.html?ada24a4e37fc9a559e195779a30ba036cf5b3743 
  26. ^ Samuel Haig (2021年2月2日). “米国の政治家に仮想通貨を教育、ビットコイン支持者の上院議員が議員連盟立ち上げ計画”. コインテレグラフジャパン. https://jp.cointelegraph.com/news/senator-to-launch-financial-innovation-caucus-to-educate-lawmakers-on-crypto 

外部リンク[編集]


アメリカ合衆国下院
先代
バーバラ・キュービン 		アメリカ合衆国の旗 ワイオミング州全州選挙区
選出議員
第22代: 2009年1月3日- 2017年1月3日 		次代
リズ・チェイニー
先代
ジャン・シャコウスキー 		女性問題議員連盟（英語版）議長
2011年 – 2013年 		次代
ジェイミー・ヘレーラ・ビュートラー
アメリカ合衆国上院
先代
マイク・エンジ 		アメリカ合衆国の旗 ワイオミング州第2部
選出議員
第15代: 2021年1月3日 - 現在
同職：ジョン・バラッソ 		現職
アメリカ合衆国の儀礼席次（英語版）
先代
ベン・レイ・ルーハン 		上院議員の先任順
第93位 		次代
ロジャー・マーシャル


「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=シンシア・ルミス&oldid=93370857」から取得