ザクム油田

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Upper Zakum Oil Field
アラブ首長国連邦
地域 Persian Gulf
陸上/海上 offshore
運営者 アブダビ国営石油
開発史
発見 1963
生産開始 1977
生産
原油生産量 500,000 バレル / 日 (~2.5×107 t/a)
推定原油埋蔵量 50,000 百万バレル (~6.8×109 t)
推定原油埋蔵量
(百万トン)
6711
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Lower Zakum Oil Field
UAE
地域 Persian Gulf
陸上/海上 offshore
運営者 ADNOC
開発史
発見 1963
生産開始 1963
生産
原油生産量 425,000 バレル / 日 (~2.12×107 t/a)
推定原油埋蔵量 17,200 百万バレル (~2.35×109 t)
推定原油埋蔵量
(百万トン)
2420
推定ガス埋蔵量 12,400 billion立方フィート (350×10^9 m3)
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中東の油田・天然ガス田分布。緑が油田、赤がガス田
ペルシア湾地図

ザクム油田(ザクムゆでん、Zakum Field)は、アラブ首長国連邦(略称UAE)にある油田

概要[編集]

アブダビ沖のペルシア湾内に位置する[1]水深は12から18mと浅く、石油プラットフォームによる採掘が行われている。発見は1963年であり、下部油層(下部ザクム油田)の採掘開始は1967年、上部油層(上部ザクム油田)は1982年からである[2]。2004年時点の生産量は、下部ザクム油田が226千バーレル/日、上部ザクム油田が500バーレル/日[3]

日本もこの油田には開発時より関わっており、一部権益を有しているが、2010年代以降契約切れとなるため[4]、油田権益の延長が議題にあがっていた[5]国際石油開発帝石が2018年(平成30年)3月9日付で下部ザクム油田(Lower Zakum oil field)の権益を2058年まで40年間延長する契約を結ぶことになった。アブダビ側に6億ドルを支払い、産出する原油の10パーセントを優先的に調達できる[6][7][8]

このほか、気候変動対応及び資源採掘の観点から、油田への二酸化炭素注入[9]による原油回収率向上技術の研究・開発が行われている[10][11]

脚注[編集]

  1. ^ 国際石油開発帝石株式会社 事業案内 > 中東・アフリカ
  2. ^ 石油天然ガス用語辞典
  3. ^ 石田聖 (2006年). “中東/北アフリカの石油・天然ガス・トレンド” (PDF). 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構. 2018年2月27日閲覧。
  4. ^ UAE油田開発利権めぐり争奪戦 欧米と日本 共同通信 2009年2月11日
  5. ^ 枝野経済産業大臣のUAE及びサウジアラビア出張結果概要について 経済産業省 平成23年10月11日
  6. ^ 我が国企業がアブダビ海上油田の権益を獲得しました”. 経済産業省 (2018年2月26日). 2018年2月28日閲覧。
  7. ^ “UAEの油田 日本企業の権益40年間延長へ”. NHK NEWS WEB. (2018年2月26日). https://web.archive.org/web/20180227034153/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180226/k10011343891000.html?utm_int=news-business_contents_news-main_005 2018年2月28日閲覧。 
  8. ^ “国際石油開発帝石、アラブ・アブダビ下部ザクム油田の権益取得及びサター油田・ウムアダルク油田の権益期限を延長”. 日本経済新聞. (2018年2月26日). https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP472640_W8A220C1000000/ 2018年2月28日閲覧。 
  9. ^ 原油回収率向上のため、水が注入されることが多い
  10. ^ 国際石油開発帝石株式会社 環境への取り組み > 気候変動への対応
  11. ^ 原油増産、CO2技術がカギ 油田権益獲得の条件に 日本経済新聞 2012年9月17日

関連項目[編集]