サヴォサヴォ語

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サヴォサヴォ語
話される国 ソロモン諸島の旗 ソロモン諸島
地域 サヴォ島
話者数 1千人弱[1]、2千4百20人(1999年)[2]
言語系統
諸説あり
  • サヴォサヴォ語
言語コード
ISO 639-3 svs
消滅危険度評価
Definitely endangered (Moseley 2010)
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サヴォサヴォ語(サヴォサヴォご、: Savosavo)は、ソロモン諸島サヴォ島で話されている言語である。若者の話者人口は急速に減少している[1][2]

分類[編集]

かつてサヴォサヴォ語はメラネシア諸語に分類されていたが、やがてベララベラ島ムビルア語レンドヴァ島南部のムバニアタ語英語版ラッセル諸島ラヴカレヴェ語英語版といったパプア系言語の小辞や人称代名詞接辞、動詞接尾辞が対応するという理由からこれらの言語と同系統であるとされた[3]

一方Ethnologue第18版においてはここまで挙げられた四つの個別言語にはCentral Solomonsという括りが設定され、そもそもパプア系言語であるか否かについてはぼかされている。更にGlottolog2.7においてはこれらの四言語の間には何の系統的関連性も示されていない。

音韻論[編集]

形態論[編集]

代名詞[編集]

ムビルア語と同様、人称代名詞には三人称単数形における男性と女性の区別というパプア系言語の特徴と、一人称複数形における包括と排除の区別というオーストロネシア諸語の特徴とが混在している。双数形の存在はパプア系言語と大洋州諸語の両方に関連性を探る事ができる。

サヴォサヴォ語の人称代名詞[4]
単数 双数 複数
包括 排除 包括 排除
一人称 ani mai aRe mai ave
二人称 no pe me
三人称 男性 lo to zepo, ze
女性 ko

統語論[編集]

語順[編集]

見かけ上の語順はSOV型であるが、これはパプア諸語に共通して見られる特徴の一つである[5]

脚注[編集]

  1. ^ a b 崎山(1996:37)。
  2. ^ a b Lewis et al. (2015).
  3. ^ 崎山(1996:38)。
  4. ^ 崎山(1996:43)。
  5. ^ 崎山(1996:44)。

参考文献[編集]

  • Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “Savosavo”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History. http://glottolog.org/resource/languoid/id/savo1255 
  • Savosavo. In Lewis, M. Paul; Simons, Gary F.; Fennig, Charles D., eds. (2015). Ethnologue: Languages of the World (18th ed.). Dallas, Texas: SIL International.
  • 崎山理「複合的な言語状況」 秋道智彌関根久雄田井竜一 編『ソロモン諸島の生活誌―文化・歴史・社会』明石書店、1996年、36–48頁。ISBN 4-7503-0795-5

関連文献[編集]

  • Todd, E. M. (1975). "The Solomon Language Family". In S. A. Wurm (ed.) Papuan Languages and the New Guinea Linguistic Scene. Pacific Linguistics C-38. Canberra: The Australian National University.
  • Wegener, Claudia Ursula (2008). A Grammar of Savosavo: a Papuan language of the Solomon Islands. Wageningen: Ponsen & Looijen.

外部リンク[編集]