ギンビス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社ギンビス
GINBIS CO., LTD.
ギンビス本社
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
103-0007
東京都中央区日本橋浜町3丁目23番3号
設立 1948年7月(1930年5月5日創業)
業種 食料品
法人番号 9010001041711 ウィキデータを編集
事業内容 ビスケット、クッキー、クラッカー、チョコレート類、スナック等の製造・販売
代表者 代表取締役社長 宮本周治
資本金 5,000万円
外部リンク https://www.ginbis.co.jp/
テンプレートを表示
アスパラガスビスケット
しみチョココーン

株式会社ギンビス: GINBIS CO., LTD.)は、日本東京都中央区日本橋浜町本社を置く製菓会社[1]

ビスケット類を主力とし、看板商品にはアスパラガスビスケットたべっ子どうぶつがある。現在の社名は、同社が1945年昭和20年)に東京都中央区銀座に出店した際に社名を「銀座ベーカリー」に改めたが、「銀座でおいしいビスケットを作る」ということで発売されていたビスケットの商品名「ギンビスコ」から来ているという[2]

主な商品[編集]

アスパラガスアスパラガスビスケット

創業者・宮本芳郎(みやもと よしろう)が[1]1968年(昭和43年)に開発・発売した[1]ロングセラー商品で、当初は菓子店店頭で量り売りされていた[3]
黒胡麻を混ぜた生地を焼き上げたスティック状のビスケット[1]、形状は野菜アスパラガスを模している[1]
開発当時、ビスケットの形といえば丸や四角が当たり前で、細長いものは無かった[1]。そこで、持ちやすいスティック状を考案した[1]。さらに、食べやすいように7つの節を付けた[1]。この節の数は現在まで変更されたことがない[1]。商品名については「スティックビスケット」「セサミスティック」などの案があったが、ビスケットとは程遠い「アスパラガスビスケット」に決まった。理由は単に野菜のアスパラガスに形が似ていたからであるが[1]、他に類を見ないものを開発するという創業理念を反映するものであった[1]。なお、野菜のアスパラガスの成分は一切入っていない[1]。商品名が決まって半年後、販売に漕ぎ着けたが、名前も形状も奇抜すぎたからか、すぐにヒットすることは無かった[1]。しかし、消費者に味が評価されて徐々に売上は伸びていった[1]。普通のビスケットは、小麦粉砂糖・油を主成分にしている甘めの菓子であるが、当商品は素材の味を最大限に活かすためにを利かせたほか、小麦粉の香ばしさを引き立てる狙いで黒胡麻を配合している[1]。しょっぱくてほのかに甘いビスケットは、小腹が空いた時の軽食や仕事を終えた父親が酒のつまみにするなど、子供だけではなく大人という新たな客層を開拓したことが大きかった[1]。現在(2010年代後半)のパッケージには、発売年(1968年)と共に、キャッチコピー「愛されて3世代」が謳われ、子供・親・祖父母の3世代のイラストを配することで、幅広い年齢層に支持されているという当商品の特徴を強調している[1]1975年(昭和50年)には、第14回モンドセレクション金賞を受賞。ミニサイズのアスパラガスミニという商品もある。巾着形の袋詰めで、年間1000万袋近くを販売する(2017年時)[1]。なお、「セサミスティック」という名で、当社が製造したものがセブンプレミアムブランドで売られる(ただしアスパラガスの形はしていない)。
たべっ子どうぶつ
動物を象ったビスケット。表面に、動物の英文名称がプリントされている。バター味の商品が1979年の第18回モンドセレクション金賞受賞。以降もシリーズ商品がモンドセレクションの金賞や最高金賞を受賞している。卵不使用であることがパッケージに表示されている。
「厚焼きたべっ子どうぶつ」は、長期保存のきく缶に入っており、賞味期限は製造日から5年(開封前)である。これは、2011年に発生した東日本大震災を受けて翌年に発売された商品であり、保存食として販売している[4]
しみチョココーン
チョコレートを染み込ませた、星形のコーンスナック。2004年の第43回モンドセレクション金賞受賞。のちに星の形を一回り拡大した派生商品のSuperしみチョココーンもラインアップに加わる。このほか、co-opのプライベートブランド商品向けに星形ではないしみチョココーンもあり、こちらは食感が全く違う。

沿革[編集]

  • 1930年昭和5年)5月5日 - 宮本芳郎が、東京府東京市本所区本所錦糸町(現在の東京都墨田区錦糸町および江東橋相当地域内[* 1][gm 1])にて、「宮本製菓」を開店する。
  • 1945年(昭和20年)5月 - 東京銀座に営業所とレストランを開所・開店し、屋号を「銀座ベーカリー」へ改称する。
  • 1948年(昭和23年)7月 - 法人化し、社名を「株式会社銀座ベーカリー」とする。これをもって当社の設立とする。
  • 1952年(昭和27年)5月 - ビスケットの「ギンビスコ」が、全国菓子博覧会で名誉大賞を受賞。
  • 1968年(昭和43年)
  • 1974年(昭和49年)
    • 3月 - 東京都中央区日本橋浜町にて、本社・新社屋(現社屋)の開業。
    • 4月 - 「株式会社ギンビス」へ社名を変更。
  • 1975年(昭和50年)9月 - アスパラガスビスケットが、モンドセレクション金賞を受賞。
  • 1997年(平成9年) - 唯一の海外向け生産拠点として、中国広東省汕頭市にて、中国汕頭工場の操業開始。
  • 2002年平成14年)6月 - たべっ子どうぶつチョコビスケットが、モンドセレクション金賞を受賞。
  • 2005年(平成17年)9月12日 - 総和工場が古河工場へ改称/工場のある総和町古河市三和町と合体(新設合併)し、新生・古河市を発足したのに伴う。
  • 2008年(平成20年)3月 - 古河工場ISO9001認証取得。
  • 2008年(平成20年)6月 - 第47回モンドセレクションで「アスパラガスビスケット」「たべっ子どうぶつ」が金賞受賞。
  • 2010年(平成22年)5月 - 上海万博日本産業館に出展。第49回モンドセレクションで「ミニアスパラガスサブレ」が金賞受賞。
  • 2014年(平成26年)3月6日 - 宮本周治(みやもと しゅうじ常務が、代表取締役社長に就任。
  • 2014年(平成26年)6月 - 第53回モンドセレクションで「たべっ子どうぶつバター味」が金賞受賞。
  • 2015年(平成27年)11月 - 東京駅一番街「東京おかしランド」に「ギンビス たべっ子どうぶつランド」を2度目の期間限定出店。日本食糧新聞社 食品ヒット大賞で「たべっ子どうぶつ」がロングセラー賞受賞。
  • 2017年(平成29年)7月 - 古河工場FSSC22000認証取得。(これに伴いISO9001認証を解除)
  • 2018年(平成30年) - 毎年1月11日を「アスパラガスビスケットの日」と制定。
  • 2019年令和元年) - 毎年5月5日を「たべっ子どうぶつの日」と制定。

拠点[編集]

本社
東京都中央区日本橋浜町3-23-3 に所在。
支店
東京支店(※所在地は本社内)、大阪支店(大阪府東大阪市水走に所在)
地方営業所
湘南営業所(神奈川県中郡大磯町に所在)、古河営業所(※所在地は古河工場内)、東北営業所(宮城県仙台市若林区に所在)、名古屋営業所(愛知県名古屋市西区に所在)、広島営業所(※資料不足)、福岡営業所(福岡県大野城市仲畑に所在)、鹿児島営業所(※資料不足)。
工場
古河工場[gm 2]茨城県古河市丘里2 に所在)
海外拠点
金必氏四洲食品(汕頭)有限公司
中国汕頭工場(中国広東省汕頭市に所在)、上海代表処(中国上海市長寧区に所在)

関連会社[編集]

ギンビス商事株式会社
  • 本社(※所在地はギンビス湘南営業所と同じ)
  • 東京分室(※所在地はギンビス本社と同じ)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 当時の本所錦糸町は、現在、江東橋と錦糸町に分割されているため、この情報だけでは創業地があった区域を特定できない。
Googleマップ
  1. ^ 錦糸町(地図 - Google マップ)、江東橋(地図 - Google マップ)※該当地域は赤い線で囲い表示される。
  2. ^ a b ギンビス古河工場(地図 - Google マップ)※該当地点は赤色でスポット表示される。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r [WBS]【ロングセラー研究所】アスパラガスビスケット”. lovely-lovely.net (2017年3月29日). 2019年8月16日閲覧。テレビ東京系列ワールドビジネスサテライト』「ロングセラー研究所 ~ギンビス アスパラガス~」2017年3月28日放送回。
  2. ^ なんで「ギンビス」という社名なの?(ギンビス)
  3. ^ 綱島理友『お菓子帖』マガジンハウス、1991年。ISBN 978-4-83-870256-5 
  4. ^ 5年もつ「たべっ子どうぶつ」があるって知ってた? “保存食版”ができた経緯をギンビスに聞いた

外部リンク[編集]