ガイアフォース

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ガイアフォース
2022年菊花賞
欧字表記 Gaia Force[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 芦毛[1]
生誕 2019年2月21日(5歳)[1]
キタサンブラック[1]
ナターレ[1]
母の父 クロフネ[1]
生国 日本の旗 日本北海道安平町[1]
生産者 追分ファーム[1]
馬主 KRジャパン[1]
調教師 杉山晴紀栗東[1]
競走成績
生涯成績 13戦3勝[1]
獲得賞金 2億1325万8000円[1]
(2024年2月18日現在)
WBRR M117 / 2023年[2]
勝ち鞍
GII セントライト記念 2022年
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ガイアフォース(欧字名:Gaia Force2019年2月21日 - )は、日本競走馬[1]2022年セントライト記念の勝ち馬である。

馬名の意味は、ガイアギリシャ神話に出てくる地母神)の力。

戦績[編集]

デビュー前[編集]

2019年2月21日、追分ファームで誕生。2019年のセレクトセール当歳市場でKRジャパンに税込3,240万円で落札され、育成の後、栗東杉山晴紀厩舎に入厩した。

2歳(2021年)[編集]

9月5日の2歳新馬小倉芝1800m)を松山弘平鞍上でデビュー。初戦はのちの朝日杯フューチュリティステークス東京優駿勝ち馬のドウデュースにクビ差の2着に敗れた。なお、3着にはラジオNIKKEI賞を制するフェーングロッテンが入っている。その後は骨折により休養を余儀なくされた。

3歳(2022年)[編集]

半年ぶりの実戦となった2戦目の3歳未勝利(阪神芝2000m)を好位から前を捕らえると、後続に4馬身差をつけて快勝。続くあずさ賞は1.6倍に1番人気となったが、2番手追走から逃げるセントカメリアを捕まえられず2着に敗れた。4戦目、国東特別は4コーナーで先頭に立つと後続を突き放し、7馬身差の圧勝。また、勝ち時計は、1分56秒8とレコードタイムでの勝利となった[3]。次走、重賞初挑戦となったセントライト記念は、中団前から進出すると、アスクビクターモアとのゴールまで続いた競り合いを制し、アタマ差で1着。重賞初制覇となった[4]。迎えた菊花賞本番は1番人気に支持されたが、直線半ばで力尽きて8着に沈んだ。管理する杉山晴紀調教師は「1番枠がすべて。勝負どころで包まれてしまった。こういう形の競馬をしたことがないので、途中から集中力をなくしてしまった。距離もあったのかも」と語った[5][6]

4歳(2023年)[編集]

1月22日のアメリカジョッキークラブカップより始動。単勝1番人気に支持されたが、直線での伸びを欠き5着に敗れる[7]。3か月の休養を挟み、2戦目は初のマイル戦となる4月23日のマイラーズカップに出走。鞍上は西村淳也に乗り替わった。道中は後方に控えて直線で脚を伸ばし、勝ち馬シュネルマイスターからクビ差の2着に好走した。手綱を取った松山は、「初めてのマイルでもいい競馬をして、いい伸びを見せてくれました。状態も良かったですね。操縦性にあふれているので、距離が延びても大丈夫と思います。」と語った[8]。6月4日の安田記念も後方から良く伸びてソングラインの4着[9]。その後も西村とのコンビでレースを重ね、勝ちきれないながらも年内最終戦のチャレンジカップ(6着)を除いて堅実に掲示板に入り続けた。

5歳(2024年)[編集]

初のダート挑戦となる2月18日のフェブラリーステークスより始動。鞍上は長岡禎仁に乗り替わった。道中は8番手を追走し、直線で力強く脚を伸ばしてセキフウ、タガノビューティーとの激しい2着争いを制した。なお、フェブラリーステークスが初のダート挑戦だった競走馬の従来の最高成績は2001年のトゥザヴィクトリーが記録した3着であり、ガイアフォースはこれを上回った[10]。鞍上の長岡は、「道中は少しキックバックを気にしていましたが、よく辛抱してくれました。前が流れてくれてリズムよく運べましたし、脚はしっかり使えてダートの走りも悪くなかった。」と語った[11]。その後、4月13日にオーストラリアロイヤルランドウィック競馬場で行われるクイーンエリザベスステークスに予備登録された[12]が、3月15日に左第二中手骨骨折が判明し、3か月以上の休養を要する見込みとなった[13][14]

3月16日に、杉山調教師は、順調に回復したと想定して、6月2日に東京競馬場で行われる安田記念での復帰を目標にすることを明らかにした[15]。杉山調教師は「馬の状態を確認しながらですが、当初の予定通り、安田記念を目標にする予定です。しっかりと休養を挟み、立ち上げていければと思います」と述べている[15]。なお、鞍上にはフェブラリーステークスに続いて長岡禎仁が騎乗する[16]

競走成績[編集]

以下の内容はJBISサーチ[17]、netkeiba.com[18]の情報に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2021.09.05 小倉 2歳新馬 芝1800m(良) 13 7 10 009.30(3人) 02着 R1:50.3(34.3) -0.1 0松山弘平 54 ドウデュース 486
2022.03.12 阪神 3歳未勝利 芝2000m(良) 16 8 15 002.50(1人) 01着 R2:00.4(34.8) -0.7 0松山弘平 56 (ブラックシールド) 486
0000.05.14 中京 あずさ賞 1勝 芝2000m(重) 9 6 6 001.60(1人) 02着 R1:59.8(34.4) -0.2 0松山弘平 56 セントカメリア 488
0000.07.03 小倉 国東特別 1勝 芝2000m(良) 10 2 2 001.40(1人) 01着 R1:56.8(35.4) -1.1 0松山弘平 54 (サクセスドレーク) 490
0000.09.19 中山 セントライト記念 GII 芝2200m(稍) 13 6 9 005.10(3人) 01着 R2:11.8(34.7) -0.0 0松山弘平 56 アスクビクターモア 498
0000.10.23 阪神 菊花賞 GI 芝3000m(良) 18 1 1 003.50(1人) 08着 03:04.0(38.0) -1.6 0松山弘平 57 アスクビクターモア 494
2023.01.22 中山 AJCC GII 芝2200m(良) 14 6 10 001.80(1人) 05着 R2:14.0(35.2) -0.5 0C.ルメール 57 ノースブリッジ 496
0000.04.23 京都 マイラーズC GII 芝1600m(良) 15 4 7 008.20(4人) 02着 R1:31.5(33.2) -0.0 0西村淳也 58 シュネルマイスター 486
0000.06.04 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 18 4 7 019.00(8人) 04着 R1:31.6(33.3) -0.2 0西村淳也 58 ソングライン 492
0000.09.24 中山 オールカマー GII 芝2200m(良) 15 4 7 004.90(2人) 05着 R2:12.4(35.7) -0.4 0西村淳也 57 ローシャムパーク 490
0000.10.29 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 11 5 5 045.40(7人) 05着 R1:56.2(35.5) -1.0 0西村淳也 58 イクイノックス 496
0000.12.02 阪神 チャレンジC GIII 芝2000m(良) 13 5 6 002.40(1人) 06着 R1:59.2(35.3) -0.4 0西村淳也 57 ベラジオオペラ 500
2024.02.018 東京 フェブラリーS GI ダ1600m(良) 16 4 7 013.50(5人) 02着 R1:35.9(37.2) -0.2 0長岡禎仁 58 ペプチドナイル 494
  • タイム欄のRはレコード勝ちを示す
  • 競走成績は2024年2月18日現在

血統表[編集]

ガイアフォース血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系ヘイロー系
[§ 2]

キタサンブラック
2012 鹿毛
父の父
ブラックタイド
2001 黒鹿毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
*ウインドインハーヘア Alzao
Burghclere
父の母
シュガーハート
2005 鹿毛
サクラバクシンオー サクラユタカオー
サクラハゴロモ
オトメゴコロ *ジャッジアンジェルーチ
*テイズリー

ナターレ
2008 芦毛
*クロフネ
1998 芦毛
*フレンチデピュティ Deputy Minister
Mitterand
*ブルーアヴェニュー Classic Go Go
Eliza Blue
母の母
ロージーチャーム
2001 鹿毛
ダンスインザダーク *サンデーサイレンス
*ダンシングキイ
クリスマスローズ *ノーザンテースト
*ノーベンバーローズ
母系(F-No.) ノーベンバーローズ(USA) 系(FN:16-a) [§ 3]
5代内の近親交配 サンデーサイレンス 3×4 = 18.75%、ノーザンテースト 5×4 = 9.38%、Lyphard 5×5 = 6.25% [§ 4]
出典
  1. ^ [19][20]
  2. ^ [20]
  3. ^ [19][20]
  4. ^ [19][20]

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o ガイアフォース”. www.jbis.or.jp. 2023年10月29日閲覧。
  2. ^ The LONGINES World's Best Racehorse Rankings For 3yos and upwards which raced in 2023”. 国際競馬統括機関連盟. 2024年1月26日閲覧。
  3. ^ 【国東特別】隠れ出世レースをレコードV!ガイアフォースが秋の〝惑星〟に 松山弘平「非常に能力が高い」(東スポ競馬)”. Yahoo!ニュース. 2022年10月10日閲覧。
  4. ^ 【セントライト記念結果】ガイアフォースがアスクビクターモアとの競り合いを制す 父キタサンブラックと父子制覇 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2022年10月10日閲覧。
  5. ^ 【菊花賞】「1番枠がすべて」8着ガイアフォース 杉山晴調教師が語った敗因”. 東スポ競馬 (2022年10月24日). 2023年11月7日閲覧。
  6. ^ 【菊花賞】8着ガイアフォースに何が? 直線半ばで力尽きる…松山が語った〝無念〟”. 東スポ競馬 (2022年10月23日). 2023年11月7日閲覧。
  7. ^ 【アメリカJCC】1番人気ガイアフォースは伸びを欠き5着 ルメールが挙げた敗因”. 東スポ競馬. 2024年2月20日閲覧。
  8. ^ 【マイラーズC】初のマイル戦で2着 復活したガイアフォースに杉山晴師「マイル適性を見せてくれた」”. 東スポ競馬 (2023年4月23日). 2024年2月20日閲覧。
  9. ^ 【安田記念】ガイアフォース4着 西村淳也騎手「いつかどこかで大きい舞台を一緒に勝ちたいです」”. betkeiba.com (2023年6月4日). 2024年2月20日閲覧。
  10. ^ 「初ダート」でも適性抜群 ガイアフォースの好走理由は血統にあり(netkeiba.com)”. Yahoo!ニュース (2024年2月19日). 2024年2月20日閲覧。
  11. ^ 【フェブラリーS】ダート初挑戦のガイアフォースが力強い末脚で2着 長岡「よく辛抱してくれました」”. 東スポ競馬 (2024年2月18日). 2024年2月20日閲覧。
  12. ^ 【クイーンエリザベスS】ガイアフォース、マスクトディーヴァなど日本馬8頭が予備登録/一覧”. 日刊スポーツ (2024年2月20日). 2024年3月5日閲覧。
  13. ^ ガイアフォースが故障 - JRAニュース(日本中央競馬会)2024年3月15日
  14. ^ ガイアフォースが骨折、3か月以上の休養を要する見込み - 競馬実況web(ラジオNIKKEI)2024年3月15日
  15. ^ a b 左第2中手骨骨折のガイアフォース 6・2安田記念での復帰を目標に」『日刊スポーツ』、2024年3月16日。2024年3月31日閲覧。
  16. ^ ガイアフォースは長岡で安田記念へ エルトンバローズも参戦を視野【次走報】」『東スポ競馬』、2024年5月1日。2024年5月5日閲覧。
  17. ^ ガイアフォース 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年10月29日閲覧。
  18. ^ ガイアフォースの競走成績”. netkeiba.com. 2023年10月29日閲覧。
  19. ^ a b c 血統情報:5代血統表|ガイアフォース”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2022年9月21日閲覧。
  20. ^ a b c d ガイアフォースの血統表”. netkeiba.com. 2022年9月21日閲覧。

外部リンク[編集]