カジノフォンテン

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カジノフォンテン
2021年チャンピオンズカップ
欧字表記 Casino Fountain[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 栗毛[1]
生誕 2016年3月29日(8歳)[1]
カジノドライヴ[1]
ジーナフォンテン[1]
母の父 ベストタイアップ[1]
生国 日本の旗 日本北海道登別市[2]
生産者 登別上水牧場[1]
馬主 吉橋興生[1]
調教師 山下貴之船橋[1]
競走成績
タイトル NARダートグレード競走特別賞(2021年)
生涯成績 34戦12勝[1]
地方:33戦12勝
中央:1戦0勝
獲得賞金 2億8080万円[1]
(2024年1月3日現在)
WBRR M115 / 2021年[3]
勝ち鞍
JpnI 川崎記念 2021年
JpnI かしわ記念 2021年
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カジノフォンテン(欧字名:Casino Fountain2016年3月29日 - )は、日本競走馬[1]。主な勝ち鞍は2021年川崎記念かしわ記念

戦績[編集]

デビュー前[編集]

2002年スパーキングレディーカップ、2003年エンプレス杯を制し、川崎記念でも3着するなど上山競馬南関東競馬で活躍したジーナフォンテンの5番仔として、2016年に登別上水牧場で生まれた。

2歳(2018年)[編集]

船橋競馬場の新馬戦でデビューすると2着馬に7馬身差をつけて勝利し、母の産駒としては初の新馬勝ちをマークした。次戦の平和賞では新馬戦の勝ちっぷりと血統から2番人気に推されたが、7着に敗れた。その後は条件戦を2戦し、4戦2勝で2歳シーズンを終えた。

3歳(2019年)[編集]

3歳重賞戦線を走り、羽田盃東京ダービーにも出走したが、4着・6着に終わった。夏を休養に当てて10月に復帰するといずれも2秒以上の大差をつけて3連勝を挙げた。12月のレースの後は翌年に向け休養に入った。

4歳(2020年)[編集]

4月に川崎の準重賞で復帰すると、ここも快勝し連勝を4に伸ばした。古馬重賞初挑戦となった川崎マイラーズこそ敗れたものの、6月の京成盃グランドマイラーズでは逃げ粘るサルサディオーネをクビ差競り落とし、重賞初制覇を飾った。この勝利は騎手の張田昂と調教師の山下貴之にとっても初の重賞制覇であった。続いてマイルグランプリにも出走したが7着に敗れ、休養に入った。

秋シーズンは距離を伸ばし、11月川崎の柿生オープン(2000m)から始動しこれを勝利。続けて東京大賞典を目標に勝島王冠へ出走すると、同レース3連覇がかかるモジアナフレイバーノンコノユメを抑えて逃げ切り勝ちを決め、重賞2勝目を挙げる。その後は予定通り東京大賞典へ出走。道中2番手から進めて直線早め先頭に立つ積極的な競馬を見せ、同レースを連覇していたオメガパフュームにゴール前でクビ差捉えられたものの、交流GI初挑戦ながら2着に入った。レース後、鞍上の張田は『外枠の分、出して行かなければならなかったが、調教の成果は出たし折り合いもピッタリついた。俺の根性が足りなかった』とコメントを残した[4]

5歳(2021年)[編集]

1月の川崎記念に出走。1番枠から積極的に主張して先頭に立つと、そのまま最終コーナーを先頭で回り、追い込んでくるオメガパフュームらを寄せ付けず3馬身差で勝利[5]。東京大賞典の借りを返すとともに、鞍上の張田ともどもJpnI初勝利を果たした。同レースを地方競馬所属馬が制したのは、2011年のフリオーソ以来10年ぶりのことであった。

レース後は2か月の休養を経て、かしわ記念トライアル競走となった京成盃グランドマイラーズに出走。単勝1.4倍の圧倒的な1番人気に推されると、レースでは終始ハナを進み、直線では2番手を追走するタービランスとの叩き合いをクビ差制して同競走を連覇。優先出走権を獲得して出走したかしわ記念では、2021年フェブラリーステークス勝ち馬のカフェファラオに次ぐ単勝3.6倍の2番人気に支持される。レースでは積極的に先行して4番手から3番手を追走、最終コーナーで逃げるサルサディオーネに並びかけ、直線では早々と先頭に立つ。ゴール前、追い込んでくるソリストサンダーに並ばれたが、ハナ差抑えて勝利。重賞3連勝を飾るとともに、川崎記念に続いてJpnI2連勝となった[6]

かしわ記念の勝利によって優先出走権を獲得した帝王賞では、交流GI連勝の実績からフリオーソ以来11年ぶりの地方所属馬による同レース制覇の期待をかけられ、事前のオッズはオメガパフューム、チュウワウィザードに次ぐ地方勢最上位となる3番人気に支持される。積極的に先頭でレースを進めるが、道中で終始ダノンファラオの徹底的なマークを受け続けたことでハイペースを強いられて消耗。最後の直線で失速し、テーオーケインズの10着に敗れた[7]。帝王賞後は4か月の休養を挟んで、初の長距離遠征となる金沢で開催のJBCクラシックに出走。帝王賞とは逆にダノンファラオを見る形で道中2番手をキープし、4コーナー立ち上がりで一旦は先頭に立つも後続に交わされてミューチャリーの6着に終わる。続いて初のJRA重賞挑戦となる中京チャンピオンズカップに出走、鞍上は張田からミルコ・デムーロに乗り替わりとなったが、レースでは中段に控えるも見せ場なく、最後の直線でも伸びを欠いてテーオーケインズの10着に敗れた。かしわ記念以降の成績は振るわなかったが、年末の表彰では川崎記念とかしわ記念の勝利が評価され、NARグランプリダートグレード競走特別賞を受賞した。

6歳(2022年)[編集]

6歳初戦として、連覇のかかる川崎記念に出走。単勝1.2倍の圧倒的1番人気チュウワウィザードに次ぐ2番人気に推された。レースでは、逃げたサルサディオーネを2番手でマーク。2周目3コーナーで先頭に立ったが、直線で粘りを欠き5着に敗れた。鞍上の張田昂は「掛かりすぎた。千六の手応えになっていた。二千の番手は難しい。なかなか折り合えなかった」と悔しさを滲ませた[8]

その後は3連覇を目指して京成盃グランドマイラーズに出走、好位から最後の直線で逃げるスマイルウィを追走するが捉え切れずに2着に終わる。5月5日、前年優勝したかしわ記念に出走。道中は好位で追走するも、最後の直線では伸びきれずにショウナンナデシコの4着に敗れた。鞍上の本田正重は「折り合いも問題なかったし、思ったレースはできているる。勝った馬が強かった」とコメントした[9]。レース後は長期の休養を挟み、勝島王冠で鞍上に御神本訓史を迎えて復帰しライトウォーリアの3着、2年ぶりに出走した東京大賞典はウシュバテソーロの10着となり、この年は未勝利に終わった。

競走成績[編集]

以下の内容は、netkeiba.com[10]およびJBISサーチ[11]、keiba.go.jp[12]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離
(馬場)



オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2018.10.05 船橋 紅葉葵デビュー 新馬 ダ1500m(重) 7 5 5 001.70(1人) 01着 R1:36.7(39.4) -1.4 0川島正太郎 55 (ポップアップレーヌ) 513
0000.11.07 船橋 平和賞 SIII ダ1600m(重) 14 6 10 004.20(2人) 07着 R1:45.4(42.6) -2.1 0川島正太郎 55 ヒカリオーソ 517
0000.12.11 船橋 ナイキアディライトM 一組 ダ1600m(良) 9 7 7 002.50(1人) 01着 R1:44.4(38.3) -0.6 0川島正太郎 55 (トーセンアイアン) 511
0000.12.27 大井 白鳥特別 選抜 ダ1800m(良) 9 3 3 002.90(2人) 04着 R1:58.6(39.6) -0.4 0川島正太郎 56 メイレー 519
2019.02.07 大井 雲取賞 SIII ダ1800m(重) 16 8 15 064.9(13人) 03着 R1:56.4(39.0) -0.6 0本田正重 55 ヒカリオーソ 527
0000.03.20 大井 京浜盃 SII ダ1700m(良) 14 8 14 009.20(5人) 05着 R1:50.0(40.5) -1.0 0本田正重 56 ステッペンウルフ 530
0000.04.24 大井 羽田盃 SI ダ1800m(良) 16 1 2 023.90(6人) 04着 R1:55.2(40.0) -1.7 0本田正重 56 ミューチャリー 528
0000.06.05 大井 東京ダービー SI ダ2000m(良) 16 1 1 021.80(5人) 06着 R2:11.7(40.1) -2.3 0本田正重 56 ヒカリオーソ 526
0000.10.30 船橋 立冬特別 B2三 ダ1600m(不) 8 2 2 001.90(1人) 01着 R1:39.8(38.6) -2.9 0張田昂 57 (サージュ) 528
0000.11.18 川崎 行っちゃう?愛川!記念 B1B2一 ダ1600m(良) 8 6 6 001.10(1人) 01着 R1:41.3(37.8) -2.6 0張田昂 57 (モンサンアルナイル) 528
0000.12.12 船橋 柊特別 B1B2一 ダ1700m(稍) 13 8 13 001.20(1人) 01着 R1:46.3(38.6) -2.5 0張田昂 57 (ホワイトヘッド) 542
2020.04.14 川崎 スパーキングNCh A2B1 ダ1600m(重) 11 4 4 001.20(1人) 01着 R1:41.2(39.4) -1.6 0張田昂 57 (ブレーヴマン) 548
0000.05.13 川崎 川崎マイラーズ SIII ダ1600m(良) 13 8 13 001.70(1人) 05着 R1:41.1(40.2) -1.2 0張田昂 55 グレンツェント 544
0000.06.17 船橋 京成盃GM SIII ダ1600m(良) 12 4 4 003.40(1人) 01着 R1:39.2(38.1) -0.1 0張田昂 54 サルサディオーネ 549
0000.07.29 大井 マイルGP SII ダ1600m(稍) 13 3 3 005.00(3人) 07着 R1:40.5(39.6) -0.6 0張田昂 57 ミューチャリー 537
0000.11.12 川崎 柿生OP OP ダ2000m(良) 14 4 5 002.90(1人) 01着 R2:09.1(38.7) -0.2 0張田昂 57 リンゾウチャネル 534
0000.12.09 大井 勝島王冠 SII ダ1800m(良) 16 4 7 009.90(4人) 01着 R1:52.1(37.7) -0.4 0張田昂 57 ノンコノユメ 544
0000.12.29 大井 東京大賞典 GI ダ2000m(良) 16 7 14 038.30(9人) 02着 R2:06.9(36.5) -0.0 0張田昂 57 オメガパフューム 541
2021.01.27 川崎 川崎記念 JpnI ダ2100m(重) 10 1 1 006.40(4人) 01着 R2:14.9(37.5) -0.6 0張田昂 57 (オメガパフューム) 541
0000.04.08 船橋 京成盃GM SII ダ1600m(良) 8 4 4 001.40(1人) 01着 R1:38.1(37.4) -0.1 0張田昂 58 (タービランス) 542
0000.05.05 船橋 かしわ記念 JpnI ダ1600m(稍) 12 5 6 003.60(2人) 01着 R1:39.3(38.9) -0.0 0張田昂 57 ソリストサンダー 544
0000.06.30 大井 帝王賞 JpnI ダ2000m(重) 13 4 5 004.70(3人) 10着 R2:05.2(39.8) -2.5 0張田昂 57 テーオーケインズ 540
0000.11.03 金沢 JBCクラシック JpnI ダ2100m(良) 12 7 9 006.70(5人) 06着 R2:14.5(37.4) -1.4 0張田昂 57 ミューチャリー 536
0000.12.05 中京 チャンピオンズC GI ダ1800m(良) 16 1 2 016.40(7人) 10着 R1:51.7(37.8) -2.0 0M.デムーロ 57 テーオーケインズ 532
2022.02.02 川崎 川崎記念 JpnI ダ2100m(良) 13 6 9 007.70(2人) 05着 R2:16.2(40.1) -1.3 0張田昂 57 チュウワウィザード 545
0000.03.24 船橋 京成盃GM SII ダ1600m(不) 14 5 7 002.70(1人) 02着 R1:40.6(38.4) -0.1 0張田昂 58 スマイルウィ 531
0000.05.05 船橋 かしわ記念 JpnI ダ1600m(稍) 14 4 6 006.30(4人) 04着 R1:40.8(40.1) -1.9 0本田正重 57 ショウナンナデシコ 534
0000.12.08 大井 勝島王冠 SII ダ1800m(不) 16 2 3 003.70(1人) 03着 R1:52.3(38.4) -0.7 0御神本訓史 57 ライトウォーリア 529
0000.12.29 大井 東京大賞典 GI ダ2000m(良) 14 6 9 022.90(7人) 10着 R2:07.1(39.9) -2.1 0御神本訓史 57 ウシュバテソーロ 534
2023.05.04 船橋 かしわ記念 JpnI ダ1600m(良) 13 4 6 064.00(9人) 09着 R1:42.0(40.2) -2.7 0澤田龍哉 57 メイショウハリオ 537
0000.05.24 大井 大井記念 SI ダ2000m(重) 14 4 5 021.90(9人) 02着 R2:05.6(39.7) -0.4 0澤田龍哉 57 セイカメテオポリス 544
0000.08.09 船橋 フリオーソLC SIII ダ1800m(良) 12 7 10 005.00(3人) 08着 R1:54.9(41.1) -1.5 0澤田龍哉 56 ギガキング 546
0000.12.07 大井 勝島王冠 SII ダ1800m(良) 15 6 11 022.30(8人) 15着 R2:00.0(45.1) -5.8 0澤田龍哉 57 サヨノネイチヤ 543
2024.01.03 川崎 川崎マイラーズ SIII ダ1600m(良) 14 8 14 027.70(6人) 12着 R1:45.0(43.2) -2.8 0澤田龍哉 57 デュードヴァン 542
  • 競走成績は2024年1月3日現在

血統表[編集]

カジノフォンテン血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 シアトルスルー系
[§ 2]

*カジノドライヴ
2005 栗毛
父の父
Mineshaft
1999 黒鹿毛
A.P. Indy Seattle Slew
Weekend Surprise
Prospectors Delite Mr. Prospector
Up the Flagpole
父の母
Better Than Honour
1996 鹿毛
Deputy Minister Vice Regent
Mint Copy
Blush with Pride Blushing Groom
Best in Show

ジーナフォンテン
1998 栗毛
ベストタイアップ
1992 鹿毛
アンバーシャダイ *ノーザンテースト
*クリアアンバー
*ミスタイモア Sham
Bend an Oar
母の母
ジュピターガール
1989 栗毛
*パークリージェント Vice Regent
Miss Attractive
ダイナショール *ディクタス
*ギルバーツガール
母系(F-No.) (FN:23-b) [§ 3]
5代内の近親交配 Vice Regent 4×4、Northern Dancer 5×5・5 [§ 4]
出典
  1. ^ カジノフォンテン 5代血統表 2021年1月27日閲覧
  2. ^ カジノフォンテンの血統表 netkeiba.com、2021年1月27日閲覧
  3. ^ カジノフォンテン 5代血統表 2021年1月27日閲覧
  4. ^ カジノフォンテン 5代血統表 2021年1月27日閲覧

・母の半弟に2005年東京オータムジャンプの勝ち馬バローネフォンテンがいる。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n カジノフォンテン”. www.jbis.or.jp. 2022年12月8日閲覧。
  2. ^ カジノフォンテン”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年12月8日閲覧。
  3. ^ 国際競馬統括機関連盟 (IFHA) The LONGINES World's Best Racehorse Rankings”. 2022年1月26日閲覧。
  4. ^ 【東京大賞典】2着カジノフォンテン 抜け出し完璧も張田「あ~悔しい」”. スポニチannex. 2020年12月31日閲覧。
  5. ^ 【川崎記念】4番人気カジノフォンテンが中央勢撃破でG1初制覇 張田騎手は親子制覇”. スポーツ報知. 2021年1月27日閲覧。
  6. ^ 【かしわ記念】地元・船橋のカジノフォンテンがJRA勢撃破 交流G1・2勝目”. スポーツ報知 (2021年5月5日). 2021年5月7日閲覧。
  7. ^ 【帝王賞】アンカツこと安藤勝己さん大荒れを分析「あれだけ包囲網敷かれると辛い」”. 中日スポーツ (2021年6月30日). 2021年7月2日閲覧。
  8. ^ “【川崎記念】5着カジノフォンテン連覇ならず、直線で粘り欠く 張田騎手「二千の番手は難しい」”. 日刊スポーツ. https://p.nikkansports.com/goku-uma/m/news/article.zpl?topic_id=1&id=202202020000783&year=2022&month=02&day=02 2022年5月6日閲覧。 
  9. ^ “【かしわ記念】昨年覇者カジノフォンテンは4着に沈む 本田正重騎手「思ったレースはできている」”. スポーツ報知. https://hochi.news/articles/20220505-OHT1T51209.html?page=1 2022年5月6日閲覧。 
  10. ^ カジノフォンテンの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2023年5月4日閲覧。
  11. ^ カジノフォンテン 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年5月4日閲覧。
  12. ^ カジノフォンテン”. keiba.go.jp. 2022年12月8日閲覧。

外部リンク[編集]