オレカ・03

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オレカ・03
オレカ・03R
カテゴリー LMP2
コンストラクター オレカ
デザイナー ダヴィッド・フルーリー
主要諸元
シャシー カーボン・ファイバー モノコック
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーンダンパー制御機構付きプッシュロッド
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーンダンパー制御機構付きプッシュロッド
全長 4,600 mm (181.1 in)
全幅 1,990 mm (78.3 in)
トレッド (前)1,670 mm (65.7 in)
(後)1,650 mm (65.0 in)
ホイールベース 2,870 mm (113.0 in)
エンジン ジャッド-BMW HK 3.6 L
ニッサン VK45DE 4.5 L V8 NA ミッドシップl縦置き
トランスミッション X-Trac 6速 シーケンシャル方式MT
重量 900kg
燃料 MOTUL
Total
タイヤ ミシュラン
ダンロップ
主要成績
チーム フランスの旗 チーム・オレカ-マットムート
フランスの旗 シグナテック ニッサン
フランスの旗 シグナテック アルピーヌ
スイスの旗 レース・パフォーマンス
ベルギーの旗 ブーツェン・エナジー・レーシング
フランスの旗 TDSレーシング
ドライバー フランスの旗 アレクサンドル・プレマ
フランスの旗 ダヴィド・アリディ
フランスの旗 ソエイル・アヤリ
フランスの旗 フランク・マイルー
スペインの旗 ルーカス・オルドネス
ノルウェーの旗 トル=クリスティアン・エベスヴィク
コンストラクターズタイトル 0
ドライバーズタイトル 0
初戦 セブリング12時間レース(2011年)
出走優勝ポールFラップ
5145
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オレカ・03 (Oreca 03) は、フランスのレーシングチームであるオレカ2011年に製作したプロトタイプレーシングカーACOが策定しているル・マン24時間レース用レギュレーションの2011年改訂版に沿って製作された。デビューレースはセブリング12時間レース(2011年)で、2011年のル・マン24時間レースの参戦にスケジュールの照準を合わせて、シグナテック-日産チームから出走している。オレカ・01オレカ・FLM09に続くオレカが製作した3台目のレースカーに当たる。LMP1(P1)カーとして製作されたオレカ・01と異なり、オレカ・03はその下のカテゴリーであるLMP2(P2)カーとして製作されている。

開発[編集]

ACOが定めた耐久レース用の新レギュレーションである2011年のLMP2カー全車に適用される345,000ユーロの車両価格を上限としたコスト・キャップ制度に適合する様にオレカ・03は製作された。2011年のLMP2カーで使用されるエンジンとして、市販車ベースでかつ広範な種類なものを選択してオレカ・03に搭載できる。2011年は5チームがオレカ・03を選択している。(2011年のオレカ・03の搭載エンジンは最終的に2種類に絞られている。オレカ・03を使用したチームのほとんどが、SUPER GTニスモが使用したエンジンによく似た日産製の4.5LのV8パワープラントを搭載している。レース・パフォーマンスというスイスのチームのみが、BMW・M3に使われているBMW製のエンジンをベースとした3.6LのV8のユニットをジャッドがチューンしたものを採用した。両エンジンは460bhp、343.0kWの最大出力を出す。オレカ・03は、カーボン・ファイバー製のモノコックシャシーでオープン・ボディのレースカーである。サスペンションダブルウィッシュボーンで4軸にプッシュロッドを搭載している。車体を停止するパワーは、カーボンセラミックディスクブレーキから得ている。

オレカ・03は、2009年-2010年シーズンに戦ったオレカ・01のLMP1カーと同じ車体とエアロ・パッケージを用いて、チーフ・エンジニアのダヴィッド・フルーリーとその開発チームによって開発された。そのカミソリ状のロールオーバー構造は、未だにクラージュ・LC70のデザインの流れを引きずっていることを示している。

レースの歴史[編集]

2011年[編集]

5台のオレカ・03が製造され、その内4台がレースに参戦した。チーム・オレカ自体はまだ参戦しなかったが、他チームにオレカ・03を供給してのスパ1000kmレースとル・マン24時間レースに参戦する計画は立てていた。アメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)インターコンチネンタル・ル・マン・カップ (ILMC)の開幕戦となるセブリング12時間レースがデビューレースであった。ILMCのLMP2クラスでに参戦するフランスのレーシングチームであるシグナテック-日産は、フランク・マイルーと、オレカの長期契約ドライバーのソエイル・アヤリと、2009年のGTアカデミー(ゲームソフトのグランツーリスモ5を用いて争われた国際的なコンテスト)の優勝者のルーカス・オルドネスの3人のドライバーから構成された。彼ら3人は、セブリング・インターナショナル・レースウェイでの練習走行を通じて速くなり、LMP2クラスで予選2番手に入った車にほぼ4秒差をつけてLMP2クラスのポールを獲得した。ところが、オレカ・03は新車につきもののギヤボックスの故障という初期トラブルが発生した。結局、カーナンバー26のオレカ・03は、総合30位でLMP2の同一クラス内では最下位から2番目という成績で終わった[1]

2011年のル・マン・シリーズの開催の一つに含まれているカステレ6時間レースが、オレカ・03の次戦となった。3台のオレカ・03は、TDSレーシングブーツェン・エナジー・レーシングとレース・パフォーマンスの3チームにそれぞれ1台ずつ供給された。TDSレーシングのマティアス・ベシェピエール・ティリエジョディ・ファースの3人組はクラス内ポールを獲得し、ブーツェン・エナジー・レーシングは予選2位、レース・パフォーマンスは予選4位に入った。決勝レースの91周目で再びオレカ・03はメカニカル・トラブルを発生させ、TDSはリタイアに追い込まれた。他の2台は完走した。ブーツェン・エナジー・レーシングのドミニク・クライハマーニコラ・ド・クレムはクラス内4位に入った。レース・パフォーマンスのミシェル・フライラルフ・マイクトリトル=クリスティアン・エベスヴィクの3人組はクラス内6位に入った。

ル・マン24時間レースでは、シグナテック-日産が出走し、予選でクラス内ポールを獲得し、決勝でも総合9位、クラス内2位の成績を収めた。

2012年[編集]

2012年のFIA 世界耐久選手権では、ADR-デルタが8戦中4勝を挙げ、ランキング2位となっている。

2013年[編集]

2013年のFIA 世界耐久選手権では、ペコム・レーシングデルタ-ADRがそれぞれ1勝を挙げている。

2014年[編集]

2014年のFIA 世界耐久選手権では、SMP・レーシングがLMP2チームズトロフィー(チームランキング)を獲得した。

脚注[編集]

  1. ^ Lucas Ordonez & Team Finish 2nd in Class at Sebring 12h”. GTPlanet. 2010年5月5日閲覧。

外部リンク[編集]