アドマイヤビルゴ

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アドマイヤビルゴ
2021年エプソムカップ
欧字表記 Admire Virgo[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2017年1月27日(7歳)[1]
登録日 2019年9月5日
ディープインパクト[1]
イルーシヴウェーヴ[1]
母の父 Elusive City[1]
生国 日本の旗 日本北海道安平町[1]
生産者 ノーザンファーム[1]
馬主 近藤旬子[1]
調教師 友道康夫栗東[1]
競走成績
生涯成績 19戦5勝[1]
獲得賞金 1億3057万9000円
(2024年2月18日現在)[1]
勝ち鞍
Listed 若葉S 2020年
Listed アンドロメダS 2020年
Listed カシオペアS 2022年
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アドマイヤビルゴAdmire Virgo[1]は、日本競走馬である。

馬名の由来は冠名+「おとめ座」[2]

戦績[編集]

デビュー前[編集]

ディープインパクト、母は現役時代にイギリスで活躍し、仏1000ギニーなどを制したイルーシヴウェーヴという血統。2017年の当歳馬セレクトセール近藤利一に史上2番目に高値となる5億8000万円という超高額で落札された[3]。現在この馬を管理する友道康夫調教師は 「初めて見た時から、動きも馬体の雰囲気も飛び抜けて素晴らしかった」 と素質を評価。近藤も落札した理由としてバランスの良さ等を挙げ、落札した際も「相手が誰であろうと(譲るつもりはなかった)。5、6億はすると思っていたが、興奮してもうて金額が分からんようになった」と語った[4]

栗東の友道厩舎に入厩、デビューに向けて調整が行われた。近藤は本馬のデビューを見ることなく2019年にがんのため逝去したが、生前友道に「武豊を騎乗させてほしい」と伝えており、新馬戦の鞍上には武を迎えることになった(没後の名義は近藤旬子)[5]

3歳(2020年)[編集]

1月19日、京都競馬場の新馬戦に出走。超高額馬、武の10年ぶりの「アドマイヤ」冠名馬騎乗という事もあり戦前から注目を集め、当日の単勝オッズも1番人気の支持を受けた。レースでは前半1000m62秒6の緩いペースを2番手で折り合い、直線で真ん中に持ち出すとラスト1ハロンで抜け出し、そのまま押し切ってデビュー戦を勝利で飾った[6]。デビューした競走馬としては史上最高額馬の出走での勝利となった[6]。 武は「これだけの馬ですから、緊張しましたね」「先が楽しみ。乗り味やバネはさすがで、ディープ産駒らしい、いい馬です」と素質を高く評価。友道も「まだまだ良くなる馬。ダービーには出したい、と思います」と今後を見据えるコメントをした[6]

次走の若葉ステークスL[7]でも再び1番人気の支持を受けた。スタート後3番手に位置取り、1000m通過59秒9の淀みないペースとなった中、直線で武豊騎手がゴーサインを出すと鋭く反応。残り100mで逃げるキメラヴェリテを交わすと2馬身差をつけそのままゴール、デビューから2連勝となった[8]。武は「強かったです。競馬でも全身を使えるようになっていましたね。道中も非常にいい感じで、(追い出してからの)反応も良かったです」と語り、友道調教師も「ストライドも大きくなって、どんな競馬をするか、楽しみの方が大きかったです」とコメントした[8]

若葉ステークスを制して皐月賞の優先出走権を獲得したものの、武が皐月賞でマイラプソディに騎乗することもあり、陣営は皐月賞を回避した[9]

3走目として京都新聞杯に出走することになったが、新型コロナウイルスの影響により騎手が土曜から日曜に競馬場間を移動することができないため、NHKマイルカップサトノインプレッサに騎乗する武豊に代わり藤岡康太が騎乗した。レースでは三度1番人気に推されたものの、直線で伸びを欠き4着に終わった[10]。この結果を受けて目標としていた東京優駿は回避することとなった[11]

休養を経て9月13日に中京競馬場で行われた条件戦(3勝クラス)のムーンライトハンデキャップで復帰。鞍上は武に戻り、休養明けながら1番人気に推されると、好位から差し切って快勝。4ヶ月ぶりのレースを勝利で飾った[12]。レース後、友道は今後のレースについて菊花賞には出走せずに「2000メートル前後」の競走に使う見通しを語った[12]

続いてオープン昇級初戦としてアンドロメダステークス (L)に引き続き武豊鞍上で出走。単勝1.8倍の1番人気の支持を受けると、レースでは中団追走からメンバー最速の上がりで差し切り優勝した[13]

競走成績[編集]

以下の内容は、netkeiba.comの情報[14]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)

オッズ

(人気)

着順 タイム

(上り3F)

着差 騎手 斤量

[kg]

1着馬(2着馬) 馬体重

[kg]

2020.01.19 京都 3歳新馬 芝1800m(良) 12 5 6 002.40(1人) 01着 R1:51.1(35.3) -0.1 0武豊 56 (フアナ) 434
0000.03.21 阪神 若葉S L 芝2000m(良) 12 1 1 002.60(1人) 01着 R1:58.6(33.6) -0.3 0武豊 56 キメラヴェリテ 430
0000.05.09 京都 京都新聞杯 GII 芝2200m(良) 13 6 8 001.40(1人) 04着 R2:12.1(36.1) -0.4 0藤岡康太 56 ディープボンド 430
0000.09.13 中京 ムーンライトHC 3勝 芝2200m(良) 17 8 17 002.40(1人) 01着 R2:15.7(34.1) -0.2 0武豊 54 ショウリュウイクゾ 434
0000.11.21 阪神 アンドロメダS L 芝2000m(良) 15 6 11 001.80(1人) 01着 R1:58.8(34.7) -0.1 0武豊 54 クラージュゲリエ 432
2021.01.17 中京 日経新春杯 GII 芝2200m(良) 16 5 10 002.80(1人) 10着 R2:13.2(36.8) -1.4 0武豊 56 ショウリュウイクゾ 428
0000.04.04 阪神 大阪杯 GI 芝2000m(重) 13 8 13 077.60(7人) 09着 R2:04.1(38.6) -2.5 0岩田望来 57 レイパパレ 428
0000.06.13 東京 エプソムC GIII 芝1800m(良) 18 8 17 013.20(7人) 07着 R1:45.6(34.7) -0.5 0岩田望来 56 ザダル 440
0000.09.18 中京 ケフェウスS OP 芝2000m(重) 13 4 4 007.30(2人) 02着 R2:01.2(34.2) -0.0 0武豊 56 アラタ 436
0000.10.31 阪神 カシオペアS L 芝1800m(良) 15 6 11 003.80(1人) 03着 R1:47.3(33.6) -0.1 0武豊 57 ファルコニア 434
0000.12.11 中京 中日新聞杯 GIII 芝2000m(良) 18 2 3 004.10(1人) 10着 R2.00.4(35.1) -0.6 0武豊 56 ショウナンバルディ 434
2022.02.12 阪神 洛陽S L 芝1600m(良) 17 8 15 008.60(5人) 15着 R1:33.9(35.6) -2.0 0武豊 56 エアファンディタ 438
0000.10.02 中京 ポートアイランドS L 芝1600m(良) 12 4 4 008.00(5人) 03着 R1:33.3(33.8) -0.2 0吉田隼人 57 アルサトワ 438
0000.10.30 阪神 カシオペアS L 芝1800m(良) 15 8 14 009.00(2人) 01着 R1:46.1(33.6) -0.1 0武豊 57 プログノーシス 436
2023.04.30 新潟 谷川岳S L 芝1600m(重) 14 4 5 013.60(8人) 14着 R1:37.9(37.7) -2.5 0今村聖奈 60 ピースオブエイト 450
0000.07.23 中京 中京記念 GIII 芝1600m(良) 16 2 3 035.6(12人) 13着 R1:34.2(35.9) -1.2 0岩田望来 57.5 セルバーグ 438
0000.09.16 阪神 ケフェウスS OP 芝2000m(良) 10 7 8 012.50(6人) 05着 R1:57.7(35.6) -0.5 0武豊 57.5 エピファニー 436
0000.12.02 阪神 チャレンジC GIII 芝2000m(良) 13 5 7 166.6(13人) 10着 R1:59.6(35.0) -0.8 0H.ドイル 57 ベラジオオペラ 444
2024.02.18 小倉 小倉大賞典 GIII 芝1800m(良) 15 3 6 044.6(12人) 10着 R1:46.0(36.1) -0.9 0荻野極 57.5 エピファニー 444
  • 競走成績は2024年2月18日現在

血統表[編集]

アドマイヤビルゴ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系
[§ 2]

ディープインパクト
2002 鹿毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
*ウインドインハーヘア
Wind in Her Hair
1991 鹿毛
Alzao Lyphard
Lady Rebecca
Burghclere Busted
Highclere

*イルーシヴウェーヴ
Elusive Wave
2006 鹿毛
Elusive City
1999 鹿毛
Elusive Quolity Gone West
Touch of Greatness
Star of Paris Dayjur
Liturgism
母の母
Multicolor Wave
1998 鹿毛
Rainbow Quest Blushing Groom
I will Follow
Echoes Niniski
Equal honor
母系(F-No.) 1号族(FN:1-o) [§ 3]
5代内の近親交配 5代内アウトブリード [§ 4]
出典
  1. ^ アドマイヤビルゴ 5代血統表 2020年3月21日閲覧
  2. ^ アドマイヤビルゴ 血統 2020年3月22日閲覧
  3. ^ アドマイヤビルゴ 5代血統表 2020年3月21日閲覧
  4. ^ アドマイヤビルゴ 5代血統表 2020年3月21日閲覧


脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o アドマイヤビルゴ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年1月12日閲覧。
  2. ^ アドマイヤビルゴ | 競走馬データ - netkeiba”. netkeiba.com. 2020年1月12日閲覧。
  3. ^ 【新馬戦出走馬】史上2位5億8000万円で落札のアドマイヤビルゴ、19日京都6Rでデビュー!冠名アドマイヤと武豊騎手のコンビは10年1か月ぶり : スポーツ報知”. hochi.news. 2020年3月21日閲覧。
  4. ^ 【アドマイヤビルゴ】6億で落札?!今後の活躍について徹底解説!”. www.dulbea.org. 2020年3月21日閲覧。
  5. ^ JRA武豊「6億円」アドマイヤビルゴ「次走」はあのレース? 近藤利一オーナーと10年間確執も「遺志」によりコンビ復活”. biz-journal.jp. 2020年3月21日閲覧。
  6. ^ a b c 【京都6R・3歳新馬】5億8000万円馬アドマイヤビルゴがデビューV 武豊「これだけの馬ですから、緊張しましたね」 : スポーツ報知”. hochi.news. 2020年3月21日閲覧。
  7. ^ アドマイヤビルゴ 2戦目は若葉Sへ - 競馬ニュース | netkeiba.com”. news.sp.netkeiba.com. 2020年3月21日閲覧。
  8. ^ a b 【若葉S】5億8000万円のアドマイヤビルゴが完勝 武豊「クラシックを狙える馬」 : スポーツ報知”. hochi.news. 2020年3月21日閲覧。
  9. ^ JRA「武豊無双」皐月賞(G1)前に、日本ダービー制覇を引き寄せる!? アドマイヤビルゴとコンビで京都新聞杯(G2)へ!”. Business Journal (2020年3月26日). 2020年5月10日閲覧。
  10. ^ 【京都新聞杯】アドマイヤビルゴは直線伸び切れず4着”. サンケイスポーツ (2020年5月10日). 2020年5月10日閲覧。
  11. ^ アドマイヤビルゴ ダービーを回避…友道師「(賞金的に)出走は厳しいので」”. www.sponichi.co.jp. 2020年9月14日閲覧。
  12. ^ a b 【ムーンライトHC】アドマイヤビルゴが鮮やか好位差し 武豊絶賛「完勝」 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年9月14日閲覧。
  13. ^ 【アンドロメダS】アドマイヤビルゴ華麗にOP初制覇 武豊期待「先々が楽しみ」 | 競馬ニュース - netkeiba.com”. news.netkeiba.com. 2021年1月7日閲覧。
  14. ^ アドマイヤビルゴ | 競走成績 - netkeiba”. netkeiba.com. 2020年3月21日閲覧。

外部リンク[編集]