アストニシメント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アストニシメント
欧字表記 Astonishment
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 黒鹿毛[1]
生誕 1902年[1]
死没 不明
Quickly Wise[1]
Twirl[1]
母の父 Bendigo[1]
生国 イギリスの旗 イギリス[1]
競走成績
テンプレートを表示

アストニシメント (Astonishment、 1902年 - 不明) は、イギリス繁殖牝馬

1907年(明治40年)に小岩井農場が日本に輸入した、所謂小岩井農場の基礎輸入牝馬の1頭で、繁殖牝馬として20世紀以降の日本の競走馬の血統に多大な影響を与えた。

代表的な子孫に、共にJRA顕彰馬であるクリフジメジロマックイーンがいる。

子孫の活躍[編集]

直仔から重賞を勝つ馬は出なかったが、インタグリオーとの配合で産んだ第弐アストニシメントが繁殖牝馬として帝室御賞典優勝内国産馬連合競走を勝ったアスベルを出産。引退後、アスベルはオーグメントの名で繁殖入りした。またアスベルの半姉・種光のラインからは帝室御賞典勝ち馬のハツピーマイトが出ている。第弐アストニシメントの全妹である第五アストニシメントからも牝系が広がっており、第五アストニシメントの孫のミナミモアが戦前の主要競走で活躍した。

戦中~戦後間もなくの時期では種光の孫のクリフジ東京優駿優駿牝馬菊花賞(当時の呼称は京都農林省賞典四歳呼馬)の変則三冠を達成。またオーグメントからヤマトナデシコが、第五アストニシメントのラインからはエベレストが出ている。この二頭は大レースを勝つことはできなかったが、繁殖牝馬としてアストニシメント牝系の拡大に貢献した。

50年代~60年代にかけての時期では、オーグメントの孫のオーエンスハタカゼ、ヤマトナデシコの孫のヤマトキヨウダイと曾孫のモンタサン、エベレスト産駒のチトセホープなどが主要レースで活躍。またオーグメントの産駒・第六オーグメントのラインからメジロ牧場の基礎繁殖牝馬であるアサマユリが出ている。

70年代~80年代では種光系のブロケード、ヤマトナデシコ系のテンモン、エベレスト系のスズパレード、アサマユリ系のメジロデュレン八大競走/GI戦線で活躍。さらに90年代に入ると、メジロデュレンの弟のメジロマックイーンが菊花賞優勝・天皇賞(春)を連覇するなど長距離路線を席巻し、日本史上初の総獲得賞金10億越えを達成した。またチトセホープの曾孫のオフサイドトラップ天皇賞(秋)を勝利している。

2000年代以降では、アサマユリ系のショウナンカンプが2002年の高松宮記念で優勝。またエベレスト系からはダート路線で活躍したブルーコンコルドが出ている。2018年には種光の子孫のニホンピロバロンがJ・GIの中山大障害を、2023年にはエベレスト系のキングズソードJBCクラシックを制するなど、21世紀に入ってからも一族の活躍は続いている。

主な牝系図[編集]

---↓アストニシメント牝系

牝系図の主要な部分(太字はGI級競走優勝馬)は以下の通り。

  • *アストニシメント 1902
    • 第弐アストニシメント 1909
      • 種光 1919
      • オーグメント 1923(帝室御賞典、優勝内国産馬連合競走)---→オーグメント牝系
      • ガリアス 1928
        • 第弐ガリアス 1932
          • プリーアス 1938
            • プリーアスノ一 1944
              • 日高誉 1949
                • タカクラオー 1953(京都記念)
                • マツカオリ 1968(小倉記念)
          • プリムアスト 1939
            • 保友 1948
              • カネチカラ 1956(ダイヤモンドS、金杯)
              • ヴアイオレツト 1957(東京牝馬特別)
        • 第五ガリアス 1940
          • ミサワホープ 1947(中山記念)
          • フクニシキ 1948
            • オーカン 1956(優駿牝馬)
            • タイカン 1957(日本経済新春杯)
    • 第三アストニシメント 1911
      • アスパーミツサイル 1925
        • 新雪 1940
          • クモタヘ 1946
          • タジマ 1955
            • タジマラツキー 1965
              • シンラツキー 1976
                • グロウデイク 1982
                  • カルメンシータ 1989
    • 第五アストニシメント 1913
      • アストラガル 1925
        • 第参アストラガル 1934
          • アストライト 1943
            • ブラツクジユエル 1960
              • サンパギータ 1965
                • アローバンガード 1974(カブトヤマ記念)
        • ミナミモア 1938(帝室御賞典(春)
      • デヤレスト 1928
      • アキユーメン 1931
        • 第弐アキユーメン 1939
          • キリタチ 1949
            • ピンクパール 1962
              • モリミノル 1969
          • キヨヒビキ 1955
            • キヨズキ 1963(牝馬東京タイムズ杯)

賢藤牝系[編集]

牝系図の出典:Galopp-Sieger

血統表[編集]

アストニシメント(Astonishment)血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 エクリプス系

Quickly Wise
1890 黒鹿毛
父の父
Wisdom
1873 鹿毛
Blinkhoolie Rataplan
Queen Mary
Aline Stockwell
Jeu d'Esprit
父の母
Quick Stream
1873 栗毛
Trumpeter Orlando
Cavatina
Quick March Rataplan
Qui Vive

Twirl
1894 鹿毛
Bendigo
1880 黒鹿毛
Ben Battle Rataplan
Young Alice
Hasty Girl Lord Gough
Irritation
母の母
Habanera
1890 鹿毛
Isonomy Sterling
Isola Bella
Polonaise Adventurer
Klarinska
母系(F-No.) (FN:7-c) [§ 2]
5代内の近親交配 Rataplan(Stockwell) 4・4・4×4・5 = 28.13% [§ 3]
出典
  1. ^ [2]
  2. ^ [2]
  3. ^ [2]


脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h アストニシメント(GB)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2022年7月2日閲覧。
  2. ^ a b c 血統情報:5代血統表|アストニシメント(GB)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2022年7月2日閲覧。

外部リンク[編集]