まぼちゃん旅行記

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まぼちゃん旅行記』(まぼちゃんりょこうき)は、勝川克志作の漫画作品。

少年キング』(少年画報社)に1982年14 - 17号まで連載。勝川にとって初の週刊連載であるが、週刊誌のペースのきつさを理由に、全4話で完結した。単行本は1986年ヒット出版より全1巻で発行。

まぼろしまぼちゃん』のタイトルでテレビアニメ化もされた。

収録作品[編集]

  • まぼちゃん旅行記
  • 兄の行方
  • 地底少年
  • ぼくの時間旅行
  • みっちゃんの不思議な放課後
  • 一度死んだ男
  • ドラゴン党のアジト

ストーリー[編集]

幻まぼ太は、石化菌の発生した蛇リンゴを食べて、石化病になってしまった両親の治療手段を探すため、異世界のジタンファ国に旅立つ。

登場人物[編集]

幻まぼ太(まぼろしまぼた)(声優:江森浩子
主人公。通称まぼちゃん。日本の東久留米在住。石化病になってしまった両親を治療するため、異世界のジタンファ国へ旅立つ。クラブで鍛えた弓矢の腕前と、機転の利く頭脳で困難を打開する。
幻むむ子(まぼろしむむこ)(声優:坂本千夏
まぼ太の妹。両親を見るために家に残るが、後に兄からの要請を受けてジタンファ国に遅れてやってくる。
幻博也・幻久子(まぼろしひろや・まぼろしひさこ)(声優:田中和実松井摩味
まぼ太とむむ子の両親。数百年に一度、野生の蛇リンゴに発生する石化菌のために、石化病となってしまう。本人達の提案で、物置で漬物石の代わりになり、横向きになってテレビを見ている。
幻仁佐衛門(まぼろしにざえもん)(声優:塩屋浩三
江戸時代の町医者で、まぼ太とむむ子の先祖に当たる。未来の世界へ行くために「分解冬眠印籠」を発明し、その中で300年間眠っていたところを、石化病の治療法を探していたまぼ太に発見された。まぼ太に石化病の治療法があるかもしれないと、ジタンファ国への旅立ちを促す。後にむむ子と共にジタンファ国に助っ人に現れ、さまざまな発明品でまぼ太を助ける。
装置の不具合からか上半身のみが巨大に修復されてしまい、霊魂と誤解されるような姿になっている。また、5分以上起きていられない。
みみ子(声優:小山裕香
通称みみちゃん。ジタンファ国のヴァイオリン村に住む少女。ヴァイオリン村の住人の特徴として、猫の頭部のような頭髪と尻尾を持つ姿をしている。ヴァイオリンの腕が立つために、音楽好きの怪物「月の光」にさらわれ、体を溶かされレコードにされてしまう。まぼ太によって助け出され、旅に同行することになる。一度魔法にかかったためか、ヴァイオリンを弾くと体から月の光を発することができるようになる。

アニメオリジナルの登場人物[編集]

椿ちゃん(声優:本多知恵子
モコちゃん(声優:江川央生
パルル(声優:久川綾
(声優:三石琴乃
渡りブタ(声優:田中一成

まぼろしまぼちゃん[編集]

1992年4月17日から9月25日までフジテレビ系一部放送局などで放送された。全24話。

物語のきっかけ、最終目的などは原作と同様だが、原作の話数が少ないためか、勝川の他の作品からのエピソードを流用・改変した回が多く、またアニメオリジナルのキャラクター・設定の導入などにより、原作とは大幅に異なる内容となっている。

DVDの発売はされていない。

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

オープニングテーマ「タイムマシンにおねがい
作詞 - 松山猛 / 作曲 - 加藤和彦 / 歌 - サディスティック・ミカ・バンド
エンディングテーマ「サイクリング・ブギ」
作詞 - つのだ☆ひろ / 作曲 - 加藤和彦 / 歌 - サディスティック・ミカ・バンド

放映リスト[編集]

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 放映日
1 ジタンファへの旅だち 山田隆司 石踊宏 金沢比呂司 1992年
4月17日
2 月の光とヴァイオリン 石踊宏 山崎友正 4月24日
3 暗闇ライト 丸尾みほ 葛谷直行 金沢比呂司 5月1日
4 マシンガン娘椿ちゃん 富田祐弘 藤川茂 大宅幸男 5月8日
5 鉛筆村の顔どろぼう 岸間信明 三沢伸 金沢比呂司 5月15日
6 ミミちゃんがふたり?! 山田隆司 湖山禎崇 野田康行 5月22日
7 荒野のちびっ子保安官 丸尾みほ 上田しげる アベ正己 5月29日
8 人魚姫と巨大海ヘビ 富田祐弘 石踊宏 金沢比呂司 6月5日
9 氷魔はギャルが好き!? 岸間信明 新田義方 6月12日
10 ギャンブル村の大勝負 山田隆司 藤川茂 大宅幸男 6月19日
11 丸・四角・三角 丸尾みほ 湖山禎崇 金沢比呂司 6月26日
12 タイムマシンにお願い 富田祐弘 横山裕一郎 うえだしげる アベ正己 7月3日
13 世にも奇妙な二人旅 岸間信明 葛谷直行 野田康行 7月10日
14 じいちゃんの初恋物語 山田隆司 生頼昭憲 大宅幸男 7月17日
15 モコちゃんの子守唄 丸尾みほ 湖山禎崇 金沢比呂司 7月24日
16 失われた色の村 富田祐弘 藤川茂 7月31日
17 翔べ!!鳥人トリ丸くん 岸間信明 横山裕一郎 葛谷直行 アベ正己 8月7日
18 瞳の中のフランシーヌ 山田隆司 三沢伸 野田康行 8月14日
19 伝説の士魚 丸尾みほ 生頼昭憲 大宅幸男 8月21日
20 めぐり逢いの子守唄 富田祐弘 湖山禎崇 金沢比呂司 8月28日
21 魔法VS忍法大合戦!! 岸間信明 藤川茂 9月4日
22 大竜王目ざめる!! 丸尾みほ 横山裕一郎 金子伸吾 アベ正己 9月11日
23 12の動物人形の奇跡 富田祐弘 藤川茂 野田康行 9月18日
24 さよならジタンファ国 山田隆司 石踊宏 大宅幸男 9月25日

補足[編集]

放送地域 放送局 放送日時 放送系列 備考
関東広域圏 フジテレビ 金曜 16:00 - 16:30 フジテレビ系列 制作局
山形県 山形テレビ 月曜 19:00 - 19:30 当時フジテレビ系列 本放送終了後、1993年1月から3月29日までに放映[注 1][注 2][注 3][1]
長野県 長野放送 月曜 16:00 - 16:30 フジテレビ系列 本放送終了後、1993年3月頃に放映[1]
福井県 福井テレビ 月曜 16:25 - 16:55 →
木曜・金曜・月曜・火曜 6:05 - 6:35
本放送終了後、1992年10月19日から1993年3月30日までに放映[注 4][2]
兵庫県 サンテレビ 不明 独立局 関西テレビでは未放映。
山口県 テレビ山口 木曜 17:00 - 17:30[3] TBS系列 近県のフジテレビ系フルネット局のテレビ新広島山陰中央テレビテレビ西日本では未放映。
愛媛県 テレビ愛媛 月曜 - 金曜 7:30 - 7:55 フジテレビ系列 本放送終了後、1993年6月15日から7月19日までに放映[4]
熊本県 テレビ熊本 金曜 16:00 - 16:30 本放送終了後、1993年9月3日までに放映[5][6]
フジテレビ 金曜16:00枠
前番組 番組名 次番組
まぼろしまぼちゃん
ハイスクール!奇面組(再放送)
※月曜〜金曜
フジテレビ スタジオコメット制作アニメ
ハイスクールミステリー学園七不思議
まぼろしまぼちゃん
ツヨシしっかりしなさい
※日曜18:00枠に移動

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 1993年4月にフジテレビ系列からテレビ朝日系列へのネットチェンジを控えていたため同年1月以降の『世界名作劇場』のネット(月曜19:00からの時差スポンサードネット。同局による実質上最後のスポンサードネット作品は『大草原の小さな天使 ブッシュベイビー』である)が不可能となってしまったため、同年1月から3月までの間、『世界名作劇場』の放送枠の穴埋め番組として、同番組と同じハウス食品の単独提供スポンサーつきで『まぼろしまぼちゃん』が放送された。
  2. ^ また、1993年3月29日に多くのフジテレビ系列局トリプルクロスネットだったテレビ大分テレビ宮崎および当時日本テレビ系とのクロスネット局だった鹿児島テレビを除く)において放送された『なるほど!ザ・春の祭典スペシャル1993年春)』もネットできなかったため、その代替編成として『なるほど!ザ・春の祭典スペシャル1993年春)』の19時台前半(19:00〜19:30)に該当する部分は本番組に差し替えられていた。なお、1993年3月29日に放送された『まぼろしまぼちゃん』は、山形県においては最終回となった。
  3. ^ なお、『世界名作劇場』のうち山形テレビで放送されなかった作品(『若草物語 ナンとジョー先生』以降、『家なき子レミ』まで)は、1997年4月に山形県内にフジテレビ系列として開局したさくらんぼテレビジョン(SAY)が再放送に準じる扱いで放送した。
  4. ^ 第20話までが1993年3月15日まで月曜 16:25 - 16:55に、その後残り4本は3月25日から30日までの木曜・金曜・月曜・火曜 6:05 - 6:35に変更し放送された。

出典[編集]

  1. ^ a b 「TV STATION NETWORK」『アニメディア』1993年3月号、学研、111頁。 
  2. ^ 北國新聞』1992年10月12日付 - 1993年3月30日付各朝刊、テレビ欄。
  3. ^ 「TV STATION NETWORK」『アニメディア』1992年10月号、学研、109頁。 
  4. ^ 愛媛新聞 1993年6月15日付・7月19日付朝刊テレビ欄より
  5. ^ 熊本日日新聞 1993年8月20日付・9月3日付朝刊テレビ欄より
  6. ^ 「TV STATION NETWORK」『アニメディア』1993年8月号、学研、111頁。