ちゃっきり茶太郎

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ちゃっきり茶太郎
橋幸夫シングル
初出アルバム『橋幸夫ベストヒット全曲集
(VICL-65645~6)』
B面 2020音頭(来たれ!希望の新時代)
リリース
ジャンル 歌謡曲
時間
レーベル ビクター(VICL-37185)
作詞・作曲 鈴木紀代(作詞)
影山時則(作曲)
橋幸夫 シングル 年表
長州にて候
(2015年2月25日)
ちゃっきり茶太郎
(2016年)
君の手を
(2018年7月25日)
ミュージックビデオ
「ちゃっきり茶太郎」 - YouTube
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ちゃっきり茶太郎」(ちゃっきりちゃたろう)は、2016年7月20日にビクターより発売された橋幸夫の180枚目のシングルである[1]。CD(VICL-37185)とカセットテープ(VISL-37185)の2形式で発売された。

概要[編集]

  • 2016年は、1960年7月に「潮来笠」でデビューした橋にとっで57年目にあたる。デビュー初期には多くの股旅ものをリリースしてきた橋だが、恩師にあたる作詞家の佐伯孝夫没後は、股旅ものは阿久悠作詞でシングルやアルバムを発表しているもの、急減した。
  • リバスター時代には、オリジナルアルバム「日本列島三度笠」はあるが、シングルでの股旅ものは発表されないままに終わった。
  • ビクター復帰後は、初共演となる荒木とよひさの詞に恩師吉田正が曲をつけ、「面影渡り鳥」を1996年5月にリリースしたが、吉田はその翌年病没している。「面影渡り鳥」はビクターヒットを受賞し、国民栄誉賞を受賞した吉田の最後のヒット賞受賞作品となった[2]が、これが橋への遺作となった。
  • その後は股旅ものが発表されることはなく、本作は20年振りの股旅ものとなった。
  • 従来は、地名+人名(潮来の伊太郎、沓掛時次郎成田の花太郎佐久の鯉太郎)の組合せが主であったが、本楽曲では地名の代わりに、広く知られている「ちゃっきり節」の「ちゃっきり」で、駿河と遠江を表現している。「ちゃっきり節」は静岡電鉄経営の遊園地用コマーシャルソングとして、北原白秋が作詞したもので、1931年にビクターの市丸がレコードに吹き込み、大ヒットして広く知られるようになり[3]新民謡として定着した。本楽曲はこれと静岡特産のお茶をモチーフにしている。歌詞には「小夜の中山」「牧ノ原」「遠州」「駿河湾」などの地名も盛り込まれている。
  • 橋は、20年ぶりの股旅ものとなる本曲について、「認知症を長く患った母が、病床でも『潮来笠』だけは歌詞を忘れずに最後まで歌えた」、その「母に、この歌が届けばいいなと思います」と述べている[4]
  • 発売から半年後の2016年12月19日には、茶太郎のゆかりの牧之原台地周辺5市(牧之原市、御前崎市、掛川市、菊川市、島田市)から、牧之原台地のお茶をPRする「お茶親善大使」に任命されている[5]
  • 作詞は鈴木紀代で、これまでも「男ざかり」(VIDL-3050)などで共演している。作曲の影山時則、編曲の新田高史とは初共演となる。
  • c/wの「2020音頭(来たれ!希望の新時代)」は、作詞椎名透明、作曲橋幸夫、編曲矢田部正で、2020年の東京オリンピックに向けた楽曲の一つとして、橋がパーソナリティを務める「橋幸夫の地球楽団」で、2015年末に発表された楽曲である。

収録曲[編集]

  1. ちゃっきり茶太郎
    作詞:鈴木紀代、作曲:影山時則、編曲:新田高史
  2. 2020音頭(来たれ!希望の新時代)
    作詞:椎名透明、作曲:橋幸夫、編曲:矢田部正

収録アルバム[編集]

「ちゃっきり節」関連[編集]

出典[編集]

  1. ^ 橋の「シングルレコード・ディスコグラフィティ」橋幸夫・小野善太郎共著『橋幸夫歌謡魂』ISBN 4-948735-16-7 ワイズ出版(東京)1993/6 168-172頁が詳しいが、最近のものは、『橋幸夫ベスト100+カラオケ15』2015年10月の解説資料巻末を参考にした
  2. ^ 金子勇『吉田正 誰よりも君を愛す』ISBN 978-4-623-05623-1 ミネルヴァ書房(京都) 2010/1 342頁
  3. ^ 長田暁二・千藤幸蔵編著『日本民謡事典』ISBN 978-4118802312 全音楽譜出版社(東京)2012年5月 506-509頁
  4. ^ 「我が母の記」『週刊ポスト』2016年7月22・29日号 133-134頁
  5. ^ 歌手の橋幸夫さんを、静岡牧之原茶親善大使に任命しました”. 牧之原市. 2017年1月7日閲覧。