経済革命倶楽部事件

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経済革命倶楽部事件(けいざいかくめいくらぶじけん)とは、日本詐欺事件。経済革命倶楽部はKeizai Kakumei Clubとも表記され、略称としてKKCとされていたことから、KKC事件とも呼ばれる。「未常識経済理論」なるものを主張し、約1万2000人から約350億円を集めた。

略史[編集]

KKCの商法[編集]

KKCの商法は多くのコースがあるが、概ね以下のようなものである。

  1. KKCは、健康食品浄水器、「平成小判」(KKCが作ったもの)などの商品を購入するという形式で、会員から出資金を募る。商品はいずれも価格に見合った価値はなく、形式的なもの。
  2. 会員になると、上述の商品を購入するとともに、新たな会員を1人増やすことが義務づけられる。
  3. 数ヶ月後、会員は高額な配当を受け取ることができるとされる。

しかし、KKCには高額な配当を生み出せるような事業の実態はなく、単に新規会員からの金を配当に廻す自転車操業をしていたにすぎない。

無限連鎖講との関係[編集]

KKCの商法は、無限連鎖講(ねずみ講)に類似している。しかし、無限連鎖講の場合「…段階的に二以上の倍率をもつて増加する後続の加入者…」(無限連鎖講の防止に関する法律(ねずみ講防止法)第2条)が要件とされているのに対して、KKCの場合「新たな会員を1人増やす」だけなので無限連鎖講には該当しない。このため立件には詐欺罪が適用された。

参考文献[編集]

  • 『新版 日本の経済犯罪ーその実状と法的対応』(神山敏雄 著,ISBN 4535512817
  • 『金融犯罪― 個人の資産を狙う闇経済ネットワーク』(鈴木雅光 著,ISBN 4408321400

関連項目[編集]