手首ラーメン事件

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手首ラーメン事件(てくびラーメンじけん)とは、暴力団抗争により起こったバラバラ殺人事件である。

経緯[編集]

1978年昭和53年)兵庫県岡山県の山中からバラバラに切断された遺体が発見、背中の「天女」の刺青から住吉連合(現・住吉会)傘下の幹部の男性A(当時29歳)のものと確認されるも手首だけは発見されなかった。

捜査の結果、別件の殺人容疑で逮捕された幹部B(当時30歳)が子分4人と共謀しAを殺害、子分の郷里に近い山中に死体をバラバラにして遺棄したことがわかった。Bは「指紋で身元が判明するのを恐れて手首を持ち帰り始末に困った為、商売をしているラーメン屋台で出汁をとるための鍋の中に入れて煮、残った骨は槌で粉々にし捨てた」と供述。存在する暴力団の組長代行の地位とラーメン屋台の縄張りで抗争が絶えなかったことが事件発生の契機となった。

1979年(昭和54年)9月26日東京地裁はBに懲役17年(求刑は無期懲役)他の4人には懲役8年から12年の判決を言い渡した。

事件の影響[編集]

この事件では当時屋台ラーメンを利用した複数の客から警察に問い合わせが殺到した。

赤坂警察署の調べでは、犯人は「その時のラーメン屋台は尾久荒川の土手〜西日暮里のコースだったが、チャルメラは吹かず客にもネタが無いという理由で断った」と自供したと発表し、また犯人は「手首ラーメンは、その他の状況から売られなかった」とも弁明していたことが同警察署の発表で明らかとなっている。

参考文献[編集]

  • 事件・犯罪研究会 村野薫『明治・大正・昭和・平成 事件・犯罪大事典』東京法経学院出版、2002年。ISBN 4-8089-4003-5  737-734頁