ラガマフィン (ネコ)

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ラガマフィン
原産国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
各団体による猫種のスタンダード
CFA スタンダード

ラガマフィン英語: Ragamuffin)は、1994年に初めて作られたネコの品種。ラグドールと同時に発生した種で、ミラクルラグドールと呼ばれ、登録時にラガマフィンとしてACFAに登録された。ネコのテディベアとも呼ばれる[1]

歴史[編集]

ラグドールの生みの親、アン・ベイカーがIRCA (International Ragdoll CatAssociation) という独自組織を立ち上げてラグドールの繁殖・売買・名前の使用を独占しようとしたため、1975年に一部のグループがIRCAから離脱した。現在知られているラグドールはこのグループが開発したものである。1994年にIRCAの厳しい規約を嫌った第2のグループが独立し、ラガマフィンを開発した。 グループは5代に渡る近親交配を危惧していたため、ペルシャ猫ヒマラヤン、その他長毛種との掛け合わせが実行された。これによってラガマフィンはラグドールから区別されることとなった。ラガマフィンとは「いたずら小僧」、「ボロ布を着た子供」という意味であり、この名は当初冗談で付けられたものだったが、取り消し不能なためそのまま定着した。

グループはRAG (Ragamuffin Associated Group) というブリードクラブを作り厳しいルールを設け種の保存と伝達を行っている。アメリカの猫血統登録団体のACFA (American Cat Fannciers Association, Inc.) のスタンダードにあった条件でブリーディングされてきた。現在はより近い種類のサイベリアンとの交配が5代に1回の割合で許可されているが、これももうすぐ終了し違う種との交配 (アウトブリード) はなくなる。

ラガマフィンを「CFA」に登録するには「ACFA」のレジストリーと5代のペディグリーが必要である。サイベリアンとのアウトブリードは「ACFA」では五代に一度のみ認められている。「CFA」ではサイベリアンとのアウトブリードは2021年より認めておらず、セルカークレックスとのアウトブリードに切り替わった。これにより「ACFA」と「CFA」のブリードコンセプトに相違が認められる。ポイントカラーは認められない。「TICA」ではラガマフィンは未だ公認されていないので登録はできない。RAGのブリーダーになるには2年以上の見習い期間の後、英語での試験に合格する必要があり、2015年時点までではラガマフィンを輸入したのは2人しかいないため希少である。ペット用に輸入した個体を勝手に繁殖させていることが考えられ本物のラガマフィンとは毛質や毛ぶきなどが違っている。

「ACFA」公認のラガマフィンの毛質はシルキィである。

特徴[編集]

ラガマフィンは色は規定されておらず、どのような色でも可能である。瞳の色も自由で、ヘテロクロミアの個体もいる。

ラグドールの目色はブルー限定だが、ラガマフィンの目色は様々認められており、その中でもアクアの目色は希少である。

体重はオス4 -7 kg、メス3 - 6 kg。

メスはオスに比べ骨格が小さく特に顔が小さい。

ヒゲは15 cm以上あるものも少なくない。

性格[編集]

非常に素直でおとなしく、人懐っこい性格。運動能力が優れていて高いところも好き。遊び好きである。物音に弱く神経質な所もあるが人と共に過ごす時間が長くなればなるほど人に懐く。時折鳴く。環境への適応は早い。シルキィな毛質なので毛玉がほとんどできない。

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • 今泉忠明、田草川史彦、石原さくら『猫にまつわるコトバがぜんぶわかる! ねこまみれ事典』ONDORI、2024年2月22日。ISBN 978-4-502-48701-9 

外部リンク[編集]