マルメタピオカガエル

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マルメタピオカガエル
マルメタピオカガエルの亜成体
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 両生綱 Amphibia
: 無尾目 Anura
: ツノガエル科 Ceratophryidae
: タピオカガエル属 Lepidobatrachus
: マルメタピオカガエル L. laevis
学名
Lepidobatrachus laevis
Budgett, 1899
和名
マルメタピオカガエル
英名
Budgett's frog
Wide-mouth frog
Hippo frog

マルメタピオカガエル (Lepidobatrachus laevis) は、タピオカガエル属に分類されるカエル。同属の中では最大種である。

名前は目がタピオカに似ていることにちなむ[2]

分布[編集]

標高200m以下の、アルゼンチンパラグアイボリビアチャコ地帯に分布する[1]

形態[編集]

体長は11-12cmとタピオカガエル属では最大種。体色は緑色がかった灰色で、オレンジ色の斑点がある。腹部は白っぽい。雄の成体は喉が青黒くなる。

雄は雌の半分くらいの大きさにしかならない[3]

頭部は大きく、体長の1/3程度を占める。口は幅広く、上顎には歯が、下顎の中央付近にも2本の牙がある[3]虹彩は常に丸い。

生態[編集]

川沿いのに生息する。乾季になって水がなくなると泥で繭を作り、休眠する。外敵に襲われると体を膨らませて威嚇し、噛み付く[3]

水中・泥中から眼だけを出して獲物を待ち伏せる[3]。食性は動物食で、昆虫類甲殻類魚類両生類などを食べる。口が大きいため、大きな獲物でも食べることができる。

繁殖形態は卵生で、雨季に1回に2000個ほどの卵を産む。成長がめざましく早く、幼生は1か月ほどで4-5cmの亜成体になる。

人間との関係[編集]

ペットとして飼育されることがあり、日本にも輸入されている。主に繁殖個体が流通する。

以前は同じユビナガガエル科のツノガエルのような浅い水で飼われていることもあったが、本種は完全水生種なので鼻孔が水面から出る程度の水深のあるアクアリウムベアタンクで飼育する。

出典[編集]

  1. ^ a b Lucy Aquino, Ignacio De la Riva, Jorge Céspedez (2004). "Lepidobatrachus laevis". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2014.1. International Union for Conservation of Nature. 2014年6月16日閲覧
  2. ^ “丸い目まるでタピオカ あわしまマリンパーク、カエルの展示人気”. 静岡新聞アットエス (静岡新聞社). (2020年1月28日). https://www.at-s.com/news/article/topics/shizuoka/730896.html 2020年1月28日閲覧。 
  3. ^ a b c d Lepidobatrachus laevis in amphibiaweb”. 2014年6月16日閲覧。

参考文献[編集]

  • 『爬虫類・両生類800図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、249頁。
  • 海老沼剛 『爬虫・両生類ビジュアルガイド カエル2 南北アメリカ大陸と周辺の島々のカエル』、誠文堂新光社、2006年、103頁。

関連項目[編集]