マダラヤドクガエル

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マダラヤドクガエル
マダラヤドクガエル
マダラヤドクガエル Dendrobates auratus
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
 ワシントン条約附属書II類
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 両生綱 Amphibia
: 無尾目 Anura
亜目 : Neobatrachia
: ヤドクガエル科 Dendrobatidae
: ヤドクガエル属 Dendrobates
: マダラヤドクガエル D. auratus
学名
Dendrobates auratus
(Girard, 1855)
和名
マダラヤドクガエル
英名
Green and black poison frog

マダラヤドクガエル(斑矢毒蛙、Dendrobates auratus)は、ヤドクガエル科ヤドクガエル属に分類されるカエル

分布[編集]

コスタリカコロンビアニカラグア南部、パナマホンジュラスに自然分布。アメリカ合衆国オアフ島)に移入。

形態[編集]

体長2.5-4cm。種小名auratusは「金色の」の意。体色には地域変異がある。

色彩型(モルフ)[編集]

  • コスタリカ - 黒に金属光沢のある緑の斑紋が入る。図鑑等で単に本種と紹介されるのはこのモルフが多い。
  • パナマ - 黒に緑色の斑点が入る。
  • ブラック&ゴールド - 黒に金属光沢のある黄色(金色)の斑紋が入る。
  • ブルー - 黒に金属光沢のある青の斑紋が入る。
  • ブロンズ&グリーン - 赤褐色に金属光沢のある緑の斑紋が入る。
  • ブロンズ&ブルー - 赤褐色に金属光沢のある青の斑紋が入る。

生態[編集]

熱帯雨林等に生息する。地表棲だが、樹上で見られることもある。

食性は動物食で、昆虫類アリ)や節足動物ダニ)等を食べる。

繁殖形態は卵生。繁殖期になるとオスは繁殖音(メイティングコール)を出してメスに求愛する。落ち葉の下等に4-6個の卵を生む。卵は10-14日で孵化し、オスは卵が孵化するまで水分を与える。さらに孵化した幼生は1頭ずつ背中に乗せて水場へ運ぶ。幼生は10-15週間で変態し、幼体になる。

人間との関係[編集]

オアフ島にはを駆除するために人為的に移入された。

ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。モルフにもよるが属内でも流通量は多く、主に飼育下繁殖個体が流通する。テラリウムで飼育される。生体に対して大型のケージで飼育するのが望ましい。性質が臆病なため、隠れ家に隠れがちになってしまう面もある。ケージにはヤシガラ土や腐葉土等の保湿力があり潜りやすい床材を敷く。極度の蒸れに弱いため、蓋やケージの側面を金網等にして通気性を確保する。枝や流木、観葉植物等を組んで活動場所や隠れ家にする。極度の高温や低温には弱いため、夏季にはケージを風通しの良い場所に置いたり冷房器具を使用する。逆に冬季には暖房器具を使用したり、ケージを温室に収納する。昼夜の差をつけたりケージ内の観葉植物のため、鑑賞魚用や爬虫類用の紫外線の少ない蛍光灯を点灯する。餌は初令のコオロギやショウジョウバエ等を餌容器に入れるかケージ内に直接入れて与える。餌に対しては事前にサプリメントを振りかけて栄養価を上げる。長期飼育された個体や飼育下繁殖個体は毒性はないとされるが、念のため素手で生体を直接触れることは避ける。もし素手で触れてしまった場合は、すぐに手を洗うようにする。

画像[編集]

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 千石正一監修 長坂拓也編 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、265頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 両生・はちゅう類』、小学館2004年、36頁。
  • 海老沼剛 『爬虫・両生類ビジュアルガイド カエル2 南北アメリカ大陸と周辺の島々のカエル』、誠文堂新光社2006年、72頁。
  • 海老沼剛 『かえる大百科』、マリン企画、2008年、49頁。

外部リンク[編集]