セスジキノボリカンガルー

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セスジキノボリカンガルー
セスジキノボリカンガルー
セスジキノボリカンガルー Dendrolagus goodfellowi
保全状況評価[a 1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 二門歯目 Diprotodontia
: カンガルー科 Macropodidae
: キノボリカンガルー属 Dendrolagus
: セスジキノボリカンガルー
D. goodfellowi
学名
Dendrolagus goodfellowi
Thomas, 1908
和名
セスジキノボリカンガルー
英名
Goodfellow's tree-kangaroo

セスジキノボリカンガルー(背筋木登長尾驢、Dendrolagus goodfellowi)は、哺乳綱二門歯目カンガルー科キノボリカンガルー属に分類される有袋類。

分布[編集]

インドネシアパプアニューギニア[a 1]ニューギニア島東部[1][2]

形態[編集]

体長57.4-62.5センチメートル[1]。尾長64.5-76センチメートル[1]体重6.7-9.1キログラム[1]。背の中央部に体毛の渦があり、体毛は渦から分かれて前方へ向かう[1]。胴体背面の毛衣は暗い黄白色や褐色、赤褐色で、正中線に沿って2本の黄褐色や淡褐色の縦縞が入り和名の由来になっている[1][2]。縦縞は頭部や腰で明瞭[1]。顎や喉の毛衣は白く、腹面や四肢内側の毛衣は黄褐色や明赤褐色[1]。尾の毛衣は黄褐色で、暗色斑が入る[1]

分類[編集]

アカキノボリカンガルーの亜種とする説もある[1]

生態[編集]

多雨林に生息する[2]。採集例は標高1,200-1,500メートルに限られるが、標高680-2,865メートルに生息すると考えられている[1]薄明薄暮性傾向が強いが、人間が多い地域では夜行性傾向が強くなる[1]

食性は植物食で、木の葉、果実などを食べる[1][2]

繁殖形態は胎生。妊娠期間は3-5週間[2]。1回に1頭の幼獣を産む[2]。幼獣は生後10-12か月は育児嚢の中で生活する[2]

人間との関係[編集]

生息地では食用とされることもある[2]

開発や採掘による生息地の破壊、食用の狩猟などにより生息数は減少している[2]

参考文献[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 小原秀雄、浦本昌紀、太田英利、松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ7 オーストラリア、ニューギニア』、講談社2000年、17、142頁。
  2. ^ a b c d e f g h i 『絶滅危惧動物百科4 カザリキヌバネドリ―クジラ(シロナガスクジラ)』 財団法人自然環境研究センター監訳、朝倉書店2008年、56-57頁。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  1. ^ a b The IUCN Red List of Threatened Species
    • Leary, T., Seri, L., Wright, D., Hamilton, S., Helgen, K., Singadan, R., Menzies, J., Allison, A., James, R., Dickman, C., Aplin, K., Flannery, T., Martin, R. & Salas, L. 2008. Dendrolagus goodfellowi. In: IUCN 2012. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2012.1.