モミタケ

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モミタケ
Catathelasma ventricosum (Peck) Sing.
カリフォルニア州北部で採取されたモミタケ。
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
: 真正担子菌綱 Homobasidiomycetes
: ハラタケ目 Agaricales
: キシメジ科 Tricholomataceae
: モミタケ属 Catathelasma
学名
Catathelasma ventricosum (Peck) Sing.
和名
モミタケ

モミタケ樅茸[1][2]Catathelasma ventricosum (Peck) Sing.)は、ハラタケ目キシメジ科モミタケ属キノコの一種[3]。分類については、オオモミタケ科[4]、あるいは、マツタケ目キシメジ科に位置付ける見方もある[1][5]日本語における別名では、センダイサマツ仙台早松[6][7]、あるいは単にサマツともいう[8]。食用であり[1][5]、また、シロマツタケともいうが[2]、焼くとわずかなマツタケ臭がするものの[4]、さほど美味しいわけではないとされ、人によっては、食べた後に嘔吐や腹痛を起こすともいう[2]

日本のほか、サハリン北アメリカに分布する[1][5]

日本国内[編集]

日本では、北海道から九州まで[9]、また四国にも分布しており[1]、一般的には、夏から秋にかけて、モミトドマツエゾマツアカマツなどの針葉樹林に現れるとされ[4]、例えば北海道上富良野町では、8月から10月にかけてトドマツやアカエゾマツの林に現れる[2]。また、菌輪を成すこともある。なお、地域によって「子実体の色や発生環境」に多様性があるため、「複数の分類群を包含している可能性」が指摘されている[9]

「モミタケ」の名称を持つ別種[編集]

同属のオオモミタケ英語版Catathelasma imperiale)はモミタケより大きくなり、同様に食用になるが希産である。

アカモミタケ (Lactarius laeticolorus) は、ベニタケ科チチタケ属のキノコの一種である[10]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典『モミタケ(樅茸)』 - コトバンク
  2. ^ a b c d 6 上富良野で採集できる代表的な食用キノコ類”. 上富良野町: 郷土をさぐる会. 2020年7月4日閲覧。 - 初出:『上富良野百年史』/ 第1章 上富良野町の自然と環境 / 第4節 上富良野の植物 / 6 上富良野で採集できる代表的な食用キノコ類
  3. ^ 山田明義「日本産菌根性きのこ類の食資源としての利用性」『信州大学農学部紀要』第38巻1・2、2頁、NAID 110000237431“表1. 本研究で対象とした菌根菌分類群” 
  4. ^ a b c モミタケ”. 札幌キノコの会. 2020年7月4日閲覧。
  5. ^ a b c 日本大百科全書(ニッポニカ)『モミタケ』 - コトバンク - 執筆者:今関六也
  6. ^ 動植物名よみかた辞典 普及版『仙台早松』 - コトバンク
  7. ^ 根本敬子「青葉山のきのこ センダイサマツ(モミタケ)」『菌蕈』第45巻第6号、日本きのこセンター、1999年、41-43頁、NAID 40000768435 
  8. ^ モミタケ”. 千葉県立中央博物館 (2015年9月27日). 2020年7月3日閲覧。
  9. ^ a b 糟谷大河、高井雅季、保坂健太郎「日本産モミタケの分類学的再検討」『日本菌学会大会講演要旨集』日本菌学会第62回大会、日本菌学会、2018年、77頁、doi:10.11556/msj7abst.62.0_77NAID 130007633782 
  10. ^ 奈良一秀, 宝月岱造, 鈴木和夫「モミ造林地における外生菌根の空間分布と形態的特徴」『東京大学農学部演習林報告』第87号、東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林、1992年6月、195-204頁、hdl:2261/23205ISSN 03716007NAID 120001093486“表-1 モミ造林地内の方形区(15m×10m)に発生した子実体の種類” 

関連項目[編集]