オオコノハムシ

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オオコノハムシ[1]
学名:Pulchriphyllium giganteum(和名:オオコノハムシ)
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
亜門 : 六脚亜門 Hexapoda
: 昆虫綱 Insecta
亜綱 : 有翅亜綱ゆうしあこう Pterygota
: ナナフシ目 Phasmatodea
亜目 : ナナフシ亜目 Verophasmatodea
下目 : Areolatae
上科 : Phyllioidea
: コノハムシ科 Phylliidae
亜科 : Phylliinae
: Phylliini
: Pulchriphyllium
: オオコノハムシ P. giganteum
学名
Pulchriphyllium giganteum (Hausleithner, 1984)
シノニム
和名
オオコノハムシ
英名
Giant Malaysian Leaf Insect

オオコノハムシ学名Pulchriphyllium giganteum〈プルクリフィリウム・ギガンテウム〉[1])は、東南アジアタイ南部西マレーシアカリマンタン)に分布する昆虫。世界で最も大きいコノハムシ

学名[編集]

種小名giganteumラテン語で「巨人」を意味し[2]、その名の通り Pulchriphyllium(プルクリフィリウム)の中で最も大きいコノハムシである[2]

分布[編集]

タイ南部西マレーシアタマンヌガラ国立公園(世界最古の熱帯雨林)、カリマンタンに分布する[3][2]

形態[編集]

長さ8.5ミリメートル、幅4ミリメートル、光沢のある黒色であり、例えるなら種子に似ている[2]
幼虫
体長2センチメートル。見た目は成虫に似ているが褐色である[2]
成虫
全体的に平たく緑色で、背中は葉脈のように見え、付属肢も千切れた葉のように変形しており、褐色の斑点が葉っぱの枯れ具合を模倣する[2]。メスの体長は最大12センチメートルに達することもあり、触角は短く、は未発達、あるいは退化したものである[2]。逆にオスはメスよりも小さくて細いが、触角と羽は長く、体色も半透明の緑であるが、前提としてオスの個体は発見することが極めて困難なほどに少ない[2]

変態[編集]

幼虫は最初の脱皮が終わると徐々に緑がかった色になり、生後7月で性成熟した大きな成虫になる[2]

生態[編集]

食物[編集]

幼虫の段階から植物食性である[2]

繁殖[編集]

成虫になったメス4間後に産卵が可能になる[2]。繁殖は単為生殖によって行われるため、メスが生んだ無精卵は受精することなく6月後に孵化し、遺伝的にみれば母親と変わらないメスの幼虫が生まれる[2]。この単為生殖は突然起こった大きな環境の変化には適応できない欠点があるが、オスが不在であってもメスが多くの子孫を残せるという利点がある[2]

被食[編集]

森のあらゆる虫食動物爬虫類鳥類哺乳類)にとって貴重な食物である[2]

寿命[編集]

メスの寿命1だが、オスの寿命はわずか数週間である[2]

飼育[編集]

少なくともオオコノハムシの体長3、体幅2の大きさのガラスケースを用意し、温度22〜25℃湿度60〜70%して換気を保てば十分である[2]。餌はキイチゴのようなバラ科の葉がよいが、オークの葉やグァバインドナシの葉でもよい[2]。なお、飼育下においては常にメスが生まれる[2]。ただし、日本国内においては植物防疫法により輸入は禁止されており、飼育することができない[4]

参考文献[編集]

関連記事[編集]