アスマラ

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アスマラ市
ኣስመራ
アスマラ市街(2015年)
アスマラ市街(2015年)
アスマラ市の市章
市章
位置
アスマラの位置(エリトリア)の位置図
アスマラの位置(エリトリア)
位置
アスマラの位置(エリトリア内)
アスマラ
アスマラ
アスマラ (エリトリア)
アスマラの位置(アフリカ内)
アスマラ
アスマラ
アスマラ (アフリカ)
アスマラの位置(エリトリア)の位置図
アスマラの位置(エリトリア)
地図
座標 : 北緯15度20分 東経38度55分 / 北緯15.333度 東経38.917度 / 15.333; 38.917
行政
エリトリアの旗 エリトリア
 地方 マアカル地方
 市 アスマラ市
人口
人口 2003年現在)
  市域 約400,000人
その他
等時帯 東アフリカ時間 (UTC+3)

アスマラティグリニャ語: ኣስመራ Asmera英語: Asmara)は、エリトリア首都である。標高約2300mの高地に位置する。主な生産品は織物衣類ビールである。アスマラにはアスマラ国際空港があり、またエリトリア第二の都市マッサワエリトリア鉄道で結ばれている。モダニズム建築のならぶ街並みが2017年に世界遺産リストに登録された[1]

歴史[編集]

アスマラは1870年代までは小さな村であった。1880年代エチオピアに併合されてからは、重要都市となり行政機関が置かれた。1900年イタリア領エリトリアの首都となり、イタリア首相であったベニート・ムッソリーニが第2のローマ(ピッコラ・ローマ)を目指し、1920年〜1930年代にイタリアの新進気鋭の建築家達により奇抜なアール・デコ建築や未来派建築が多く建設された。1935年第二次エチオピア戦争が始まると、イタリアによって軍備が強化されたが、第二次世界大戦開戦後の1941年に連合軍がエリトリアに侵攻・占領し、1952年までイギリス軍政下に置かれることとなった。現在もイタリア時代に作られたヨーロッパ風の美しい街並みや、イタリア語の店名などが多く残っている。1952年から1962年までエチオピアと連邦制を布いたエリトリア国の首都だったが、1962年にエリトリア議会をエチオピア帝国の軍隊が取り囲み、エリトリアはエチオピアの一州であるエリトリア州となった。その後アスマラはエリトリア州の州都となった。

エチオピアからの独立戦争の際、アスマラ空港は重要拠点となり武器や物資がここから流入した。その後エリトリア人民解放戦線(現在の民主正義人民戦線)によりアスマラは解放され、国民投票により1993年にアスマラは正式にエリトリアの首都となった。

気候[編集]

ケッペンの気候区分ではステップ気候(BSk)に属する。

アスマラ(1961–1990年、極値1903–2012年)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 29.0
(84.2)
29.2
(84.6)
30.5
(86.9)
31.0
(87.8)
30.0
(86)
29.4
(84.9)
29.4
(84.9)
27.4
(81.3)
27.2
(81)
31.0
(87.8)
26.7
(80.1)
26.2
(79.2)
31.0
(87.8)
平均最高気温 °C°F 22.3
(72.1)
23.8
(74.8)
25.1
(77.2)
25.1
(77.2)
25.0
(77)
24.9
(76.8)
21.6
(70.9)
21.5
(70.7)
22.9
(73.2)
21.7
(71.1)
21.5
(70.7)
21.5
(70.7)
23.1
(73.6)
日平均気温 °C°F 13.8
(56.8)
14.9
(58.8)
16.3
(61.3)
17.0
(62.6)
17.6
(63.7)
17.6
(63.7)
16.3
(61.3)
16.1
(61)
15.7
(60.3)
14.9
(58.8)
14.0
(57.2)
13.2
(55.8)
15.6
(60.1)
平均最低気温 °C°F 4.3
(39.7)
5.1
(41.2)
7.5
(45.5)
8.7
(47.7)
10.2
(50.4)
10.5
(50.9)
10.8
(51.4)
10.7
(51.3)
8.6
(47.5)
8.1
(46.6)
6.6
(43.9)
4.8
(40.6)
8.0
(46.4)
最低気温記録 °C°F −4.5
(23.9)
−1.6
(29.1)
−0.8
(30.6)
−0.2
(31.6)
2.0
(35.6)
3.4
(38.1)
3.9
(39)
3.7
(38.7)
0.2
(32.4)
1.0
(33.8)
−0.5
(31.1)
−1.4
(29.5)
−4.5
(23.9)
雨量 mm (inch) 3.7
(0.146)
2.0
(0.079)
14.6
(0.575)
33.4
(1.315)
41.1
(1.618)
38.5
(1.516)
174.9
(6.886)
155.6
(6.126)
15.6
(0.614)
15.4
(0.606)
20.4
(0.803)
3.4
(0.134)
518.6
(20.418)
平均降雨日数 (≥1.0 mm) 0 0 2 4 5 4 13 12 2 2 2 1 47
湿度 54 48 46 49 48 48 76 80 59 63 66 61 58.2
平均月間日照時間 291.4 260.4 275.9 264.0 257.3 219.0 151.9 158.1 213.0 272.8 276.0 282.1 2,921.9
平均日照時間 9.4 9.3 8.9 8.8 8.3 7.3 4.9 5.1 7.1 8.8 9.2 9.1 8.02
出典1:NOAA[2]
出典2:Meteo Climat (極値)[3]

ギャラリー[編集]

姉妹都市[編集]

世界遺産[編集]

世界遺産 アスマラ :
近代主義的アフリカ都市
エリトリア
大通り
大通り
英名 Asmara: A Modernist African City
仏名 Asmara : une ville africaine moderniste
面積 481 ha (緩衝地帯 1,203 ha)
登録区分 文化遺産
文化区分 建造物群
登録基準 (2), (4)
備考 2018年に名称変更。
公式サイト 世界遺産センター(英語)
使用方法表示

イタリア進出以降に発達したモダニズム建築群が評価され、2017年の第41回世界遺産委員会で登録が認められた。エリトリアでは初の世界遺産である。

登録基準[編集]

この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。

  • (2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
  • (4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。

脚注[編集]

  1. ^ 第2版,世界大百科事典内言及, ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,日本大百科全書(ニッポニカ),百科事典マイペディア,デジタル大辞泉,精選版 日本国語大辞典,世界大百科事典. “アスマラとは”. コトバンク. 2022年3月18日閲覧。
  2. ^ Asmara Climate Normals 1961–1990”. National Oceanic and Atmospheric Administration. 2015年1月13日閲覧。
  3. ^ Station Asmara” (French). Meteo Climat. 2016年10月22日閲覧。

関連項目[編集]

北緯15度20分 東経38度55分 / 北緯15.333度 東経38.917度 / 15.333; 38.917