西ケープ州

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西ケープ州
Provinsie Wes-Kaap
Western Cape Province
西ケープ州庁舎
西ケープ州庁舎
西ケープ州の位置
西ケープ州の位置
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国
西ケープ州
最大都市 ケープ市都市圏
面積
 • 合計 129,370 km2
人口
(2015年)
 • 合計 6,200,100人
 • 密度 35人/km2
等時帯 UTC+2 (SAST)
ISO 3166-2 ZA-WC
ウェブサイト www.westerncape.gov.za ウィキデータを編集

西ケープ州(にしケープしゅう、アフリカーンス語: Provinsie Wes-Kaap英語: Western Cape Province)は、南アフリカ共和国南西部にあるである。州都ケープタウン市都市圏である。

概要[編集]

南アフリカ9州のうち唯一、白人カラードが多数を占め、分離独立運動も存在する[1]

人口の2/3以上が、州都ケープタウンに居住する。

歴史[編集]

最初にケープタウンを植民地にしたのはオランダで、現在のインドネシアにあたるオランダ領東インド及び、江戸時代日本長崎への中継地であった。その後勢力をのばしたイギリス戦争となった結果イギリス領ケープ植民地となり、イギリスは内陸へと植民地化をすすめていった。

1994年、旧ケープ州(ケープ・オブ・グッド・ホープ州)から州の再編によって新設された。

地理[編集]

人種構成(西ケープ州) 2011
カラード
  
48.8%
バントゥー系民族黒人
  
32.8%
白人
アフリカーナー及びアングロアフリカン
  
15.7%
アジア系
  
1.0%
母語話者(西ケープ州) 2011
アフリカーンス語
  
49.7%
コサ語
  
24.7%
英語
  
20.2%

西ケープ州南部のケープタウン周辺には、喜望峰アフリカ最南端アガラス岬がある。テーブルマウンテンも有名であり、観光地化している。面積は129,370 km2、人口は4,524,335人(2001年)、人種は53.9%がカラード、26.7%が黒人、18.4%が白人である。

また、離島のプリンス・エドワード諸島も西ケープ州に属する。

言語・人種[編集]

主要言語は55.3%の住民の第一言語であるアフリカーンス語である。

次いで、コサ語の23.7%、英語の19.3%、となっている。人種別の言語をみるとカラード(アフリカーンス語81.0%、英語18.6%)、白人(アフリカーンス語55.4%、英語43.2%)、黒人(コサ語88.6%、アフリカーンス語4.5%、ソト語2.6%、英語2.1%)となっており、カラードの大多数がアフリカーンス語を母語とする一方、白人はアフリカーンス語と英語で半数に分かれる。英語は主にケープタウン都市圏を中心に使用される傾向が強く、それ以外のほとんど地域ではアフリカーンス語が主流である。

西ケープ州の言語分布図
  英語
  特に優勢言語はなし
  • 群別言語割合
    • ケープタウン都市圏(アフリカーンス語35.7%、コサ語29.8%、英語28.4%、その他6.1%)
    • ウェストコースト郡(アフリカーンス語83.7%、コサ語8.6%、英語4.0%、その他3.7%)
    • ケープワインランド郡(アフリカーンス語74.8%、コサ語16.6%、英語4.3%、その他4.3%)
    • オーバーバーグ郡(アフリカーンス語70.3%、コサ語17.9%、英語6.8%、その他5.0%)
    • エデン郡(アフリカーンス語70.8%、コサ語18.3%、英語7.5%、その他3.4%)
    • セントラルカルー郡(アフリカーンス語87.2%、コサ語7.8%、英語2.6%、その他2.4%)
  • 群別人種割合
    • ケープタウン都市圏(カラード42.4%、黒人38.6%%、白人15.7%、インド・アジア系1.4%)
    • ウェストコースト郡(カラード66.6%、黒人16.4%、白人15.7%、インド・アジア系0.6%)
    • ケープワインランド郡(カラード62.1%、黒人23.7%、白人12.9%、インド・アジア系0.4%)
    • オーバーバーグ郡(カラード54.2%、黒人25.6%、白人18.9%、インド・アジア系0.3%)
    • エデン郡(カラード54.2%、黒人24.7%、白人19.2%、インド・アジア系0.4%)
    • セントラルカルー郡(カラード76.2%、黒人12.7%、白人10.1%、インド・アジア系0.4%)

隣接州[編集]

自治体[編集]

コード 都市圏 地図 面積 コード 地方自治体 地図 面積
CPT ケープタウン市都市圏英語版 ケープタウン都市圏 2,499 km2   ケープタウン
DC1 ウェストコースト郡英語版 ウェストコースト郡 31,101 km2 WC011 Matzikama 5,539 km2
WC012 Cederberg 7,347 km2
WC013 Bergrivier 4,263 km2
WC014 Saldanha Bay 1,766 km2
WC015 Swartland 3,692 km2
WCDMA01 West Coast DMA
DC2 ケープワインランド郡英語版 ケープワインランド郡 22,288 km2 WC022 Witzenberg
WC023 Drakensteinパールウェリントンを含む)
WC024 Stellenboschステレンボッシュを含む)
WC025 Breede Valleyウースターを含む)
WC026 Breede River/Winelands
WCDMA02 Cape Winelands DMA
DC3 オーバーバーグ郡英語版 オーバーバーグ郡 11,391 km2 WC031 Theewaterskloof
WC032 Overstrandハマナスを含む)
WC033 Cape Agulhas
WC034 Swellendamスウェレンダムを含む)
WCDMA03 Overberg DMA
DC4 ガーデンルート郡英語版 23,323 km2 WC041 Kannaland
WC042 Hessequa
WC043 Mossel Bayモッセル・ベイを含む)
WC044 Georgeジョージを含む)
WC045 Oudtshoornオウツフルンを含む)
WC047 Bitou
WC048 Knysnaナイズナを含む)
WCDMA04 Eden DMA
DC5 セントラルカルー郡英語版 セントラルカルー郡 38,853 km2 WC051 Laingsburg
WC052 Prince Albert
WC053 Beaufort Westボーフォート・ウェストを含む)
WCDMA05 Central Karoo DMA

主な都市と人口[編集]

気候[編集]

ケープ植物区英語版(緑)の範囲。大部分は西ケープ州にある。紫色は世界遺産の指定箇所。

大部分の地域は典型的な地中海性気候である。12月前後は山地で比較的に冷涼であるが、大部分の地域は暑くて乾いた。夏に発達する南大西洋高気圧の東縁に位置するため、11月から2月ごろまでに南東方向から強風が吹く(ケープ・ドクター英語版)。逆に冬は基本的に温暖で雨が多いが、時々に南米から来た寒冷前線大西洋上のゴフ島マリオン島方面からケープタウン一帯を襲う[2]

フィンボスと呼ばれるマッキア英語版に類似する低木が密集する植生が発達している。フィンボスにある植物が異なるまたはに属するにもかかわらず、外見は非常に類似する(収斂進化[2]

政治[編集]

人種的には白人とカラードの比例が70%を超え、国内の他の州より高いため、黒人優遇政策を進めるアフリカ民族会議への不満が強い一方、従来から民主同盟への支持が厚い[3][4]

産業[編集]

2016年の時点でケープタウンは州内の総生産の72%を占める[5]。南アフリカの大企業の多くはケープタウンに本社を置くため、主な産業は金融保険業であり、2020年の時点で地域総生産の28%を占めている。総生産に占める農業の割合は小さいが、州の輸出の40%は果物野菜ワイン果汁などの農産品からなる。製造業は農産品、織物履物家具コークスの加工や石油精製などがある[6]

交通[編集]

観光[編集]

教育[編集]

文化[編集]

南アフリカ国内の大部分のぶどう園は西ケープ州の沿海部にあり、州内でワインの醸造が盛んである[8]

友好自治体[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ “「黒人優遇」に不満、南アフリカで分離独立デモ…白人や混血住民が多数の州”. 読売新聞. (2022年4月29日). https://www.yomiuri.co.jp/world/20220429-OYT1T50062/ 2022年4月29日閲覧。 
  2. ^ a b Western Cape Climate, South Africa”. southafrica.co.za. 2023年1月23日閲覧。
  3. ^ 「黒人優遇」に不満、南アフリカで分離独立デモ…白人や混血住民が多数の州”. 読売新聞オンライン (2022年4月29日). 2023年1月23日閲覧。
  4. ^ 時事解説: 2014年南アフリカ選挙——民主同盟の支持率拡大——”. アジア経済研究所. 2023年1月23日閲覧。
  5. ^ Western Cape Government (2017年9月). “Provincial Economic Review and Outlook 2017”. www.westerncape.gov.za. pp. 5–6. 2023年1月23日閲覧。
  6. ^ 2020 regional economic overview of the Western Cape” (英語). Global Africa Network (2019年12月18日). 2023年1月23日閲覧。
  7. ^ Cape West Coast Biosphere Reserve, South Africa” (英語). UNESCO (2019年3月6日). 2023年1月23日閲覧。
  8. ^ Wines of South Africa - Winelands of South Africa”. www.wosa.co.za. 2023年1月23日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]