ジャマイカ・ドル

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ジャマイカ・ドル
ISO 4217
コード
JMD
中央銀行ジャマイカ銀行
 ウェブサイトwww.boj.org.jm
使用
国・地域
ジャマイカ
インフレ率9.3%
 情報源The World Factbook, 2007 est.
補助単位
 1/100セント
通貨記号$
硬貨
 広く流通$1, $5, $10, $20
 流通は稀1, 10, 25 cents
紙幣$50, $100, $500, $1000

ジャマイカ・ドル$; コード: JMD)は、1969年から使われているジャマイカ通貨。$(ドル)、もしくは他国の通貨の$(ドル)と区別するためにJ$かJA$のどちらかに省略される。1$(ドル)は100セント

歴史[編集]

1968年 1月30日、ジャマイカの下院は、旧宗主国同様20進法12進法が複雑に混在した「ジャマイカポンド」(1ポンド=20シリング=240ペンス)に代わる新通貨として、10進法に基づいた「ジャマイカ・ドル」 (J$) とその補助単位「セント」(1ドル=100セント)の導入を採決した。新旧両通貨の交換は1ドル=10シリング(120ペンス)の比率で実施され、1969年9月8日より新貨幣の流通が開始された。当初こそ対米ドル(US$)で2割増しの価値があったジャマイカ・ドル(最高値は1970年代前半につけたUS$1=J$0.77)も、その後は相次ぐ切り下げで著しく減価、2008年[1]上半期にはUS$1=J$75とドル導入時の100分の1まで下落した。

硬貨[編集]

導入にあたって、1セント(1.2ペンス)、5セント(6ペンス)、10セント(1シリング)、20セント(2シリング)、25セント(2シリング6ペンス)の硬貨が造幣された。でできた小さな1セント硬貨を除いて、硬貨の材料、大きさ、形は元の硬貨と全く同じであった。

1975年、1セント硬貨は12角形のアルミニウム製になった。1976年に50セント硬貨は紙幣に代わって導入されたが、1989年、20セント硬貨とともに造幣中止となった。1990年、1ドル硬貨は洋白製になった。1991年、5、10、25セント硬貨は、ニッケルめっきスチール製から白銅製のより小さな硬貨に代わった。このとき25セント硬貨は7角形になった。1994年、円形でニッケルめっきのスチール製の5ドル硬貨の代わりに、より小さな7角形の同素材の1ドル硬貨が造幣された。また、5セント硬貨は廃止された。1995年10セント、25セント硬貨はより小さな円形になった。1997年1月、現行でない硬貨は全て廃止された。1999年ニッケルめっきのスチール製でスカラップカットの10ドル硬貨が造幣された。2000年[2]、20ドルの貨幣として中心が 白銅製でその周りが洋白製の2種類の合金を使った円形の20ドル硬貨が造幣された。

現行の硬貨:[3]

紙幣[編集]

1969年のドル導入から2022年までの間、何度か小額紙幣の廃止や高額紙幣の導入があったものの、一貫して同一シリーズの紙幣が発行されてきた。2022年時点では50、100、500、1000、5000ドル紙幣が発行されていた。

額面 表面 裏面 発行開始 発行停止
50セント マーカス・ガーベイ ナショナル・シュライン 1969年 1976年
1ドル アレクサンダー・バスタマンテ 海岸 1990年
2ドル ポール・ボーグル 子供たち 1989年
5ドル ノーマン・マンリー 旧国会議事堂 1970年 1994年
10ドル ジョージ・ウィリアム・ゴードン英語版 ボーキサイト 1969年 1999年
20ドル ノエル・ニュートン・ネザーソール英語版 ジャマイカ銀行庁舎 1976年 2000年
50ドル サミュエル・シャープ英語版 ドクターズ・ケイブ・ビーチ(モンテゴ・ベイ) 1988年 2022年
100ドル ドナルド・サングスター ダンズ・リバーの滝 1986年
500ドル グラニー・ナニー ポートロイヤル 1994年
1000ドル マイケル・マンリー ジャマイカ・ハウス(首相官邸) 2000年
5000ドル ヒュー・シアラー ハイウェイ2000英語版 2009年

2022年から新たなシリーズの紙幣の発行が開始した。50、100、500、1000、5000ドル紙幣が刷新され、新たに2000ドル紙幣が登場した[4]。すべての紙幣がポリマー製となっている。

旧20ドル紙幣に描かれていたノエル・ニュートン・ネザーソールを除いた全員の肖像画が用いられている。またこれに加えて、2000ドル紙幣には新たにエドワード・シアガの肖像画が描かれている。

額面 表面 裏面
50ドル ジョージ・ウィリアム・ゴードンとポール・ボーグル ドクターズ・ケイブ・ビーチ
100ドル マーカス・ガーベイ ダンズ・リバーの滝
500ドル グラニー・ナニーとサミュエル・シャープ ポートロイヤル
1000ドル アレクサンダー・バスタマンテとノーマン・マンリー ジャマイカ・ハウス
2000ドル マイケル・マンレーとエドワード・シアガ 子供たち
5000ドル ドナルド・サングスターとヒュー・シアラ ハイウェイ2020 

ジャマイカ以外での利用[編集]

かつてジャマイカがイギリスの植民地だった時代にジャマイカと共に一括して統治されていたケイマン諸島は、ジャマイカがイギリスから独立した1962年以降もジャマイカ・ドルを使用していた。だが1972年に独自通貨ケイマン諸島・ドルが発行され、ジャマイカ・ドルはケイマン諸島の法定通貨としての立場を失った。現在ではジャマイカ・ドルを使用するのはジャマイカ一国のみである。

為替レート[編集]

現在のJMDの為替レート
Google Finance: AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY/円USD
Yahoo! Finance: AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY/円USD
Yahoo! ファイナンス: AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY/円USD
XE: AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY/円USD
OANDA: AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY/円USD

脚注[編集]

  1. ^ http://www.boj.org.jm/uploads/excel/Historic_rates.xls
  2. ^ アーカイブされたコピー”. 2011年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年2月26日閲覧。 Bank of Jamaica | Currency Structure Policy]
  3. ^ Bank of Jamaica | Coins
  4. ^ New Series of Jamaican Banknotes » Bank of Jamaica

関連項目[編集]

外部リンク[編集]