「岡崎市立中央図書館」の版間の差分

リンクを追加
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
履歴の双方向閲覧
← 古い編集新しい編集 →
削除された内容 追加された内容
ビジュアルウィキテキスト
改名提案取り下げ
修正
(同じ利用者による、間の2版が非表示)
1行目: 1行目:
{{図書館
|名称 = 岡崎市立図書館
|英名 =
|画像 = no
|画像説明 = 岡崎市立中央図書館
|正式名称 =
|愛称 =
|前身 = 岡崎町立通俗図書館
|専門分野 =
|事業主体 = 岡崎市
|管理運営 = 岡崎市
|建物設計 =
|延床面積 =
|開館 = 1912年（大正元年）8月5日
|閉館 =
|所在地郵便番号 =
|所在地 = {{Location map+|Japan Aichi|width=220|float=right|caption=|places=
{{Location map~|Japan Aichi|lat_deg=34|lat_min=57|lat_sec=34.0|lat_dir=N|lon_deg=137|lon_min=09|lon_sec=33.6|lon_dir=E|position=top|label=中央}}
{{Location map~|Japan Aichi|lat_deg=34|lat_min=55|lat_sec=08.4|lat_dir=N|lon_deg=137|lon_min=17|lon_sec=32.1|lon_dir=E|label=額田}}
}}
|蔵書数 = 928,696冊 |蔵書数年 = 2014年度{{sfn|図書館概要|2015|p=23}}
|貸出数 = 2,427,668冊 |貸出数年 = 2014年度{{sfn|図書館概要|2015|p=24}}
|来館者数 = 1,265,666人<ref>来館者数は中央図書館のみの統計。</ref> |来館者数年 = 2014年度{{sfn|図書館概要|2015|p=40}}
|貸出者数 = 542,234人 |貸出者数年 = 2014年度{{sfn|図書館概要|2015|p=36}}
|年運営費 = |年運営費年 =
|条例 = [http://webhp.city.okazaki.lg.jp/reiki/reiki_honbun/i504RG00000297.html 岡崎市立図書館条例]
|館長 =
|職員数 =
|公式サイト = http://www.library.okazaki.aichi.jp
|備考 =
}}

'''岡崎市立図書館'''（おかざきしりつとしょかん）は、[[愛知県]][[岡崎市]]の[[公共図書館]]である。旧岡崎市は2005年に[[額田郡]][[額田町]]と合併して新岡崎市となった。岡崎市立図書館は旧岡崎市域の[[康生通西]]にある'''岡崎市立中央図書館'''、旧額田町域の[[樫山町]]にある'''岡崎市立額田図書館'''の2館からなる。

== 利用案内 ==
{|class="wikitable" style="text-align:right; float:right; font-size:smaller"
|-
! colspan=5| 岡崎市立図書館の概要
|-
! 名称 !! 延床面積<br>(m<sup>2</sup>) !! 蔵書数<br>(冊) !! 貸出数<br>(冊) !! 開館日
|-
| 中央図書館{{sfn|図書館概要|2015|p=23}} || 7,895 || 712,596 || 1,855,786 || 2008年11月1日
|-
| 額田図書館{{sfn|図書館概要|2015|p=23}} || 562 || 47,096 || 38,980 || 1977年3月1日
|-
| その他<ref>市民センターなど8つの地域図書室の蔵書数や貸出数。</ref> || || 169,004 || 532,902 ||
|-
! 合計 !! !! 928,696 !! 2,427,668 !!
|}

* 休館日
** 水曜日、特別整理期間、年末年始
* 開館時間
** 中央図書館 : 9:00-21:00
** 額田図書館 : 9:00-17:00
* 貸出規則
** 貸出対象者 : 愛知県内に在住・在勤・在学の者
** 貸出冊数 : 図書は最大10点、視聴覚資料は最大5点
** 貸出期間 : 最大14日間

{{Location map+|Japan Aichi|width=220|float=left|caption=2008年までの館外貸出可能者の変遷<br>[[File:Blue 000080 pog.svg|12px]] 旧岡崎市<br>[[File:Blue 0080ff pog.svg|12px]] 1997年の拡大自治体<br>[[File:Green 00ff00 pog.svg|12px]] 2000年の拡大自治体|places=
{{Location map~|Japan Aichi|lat_deg=34|lat_min=57|lat_sec=17.0|lat_dir=N|lon_deg=137|lon_min=10|lon_sec=23.1|lon_dir=E|mark=Blue 000080 pog.svg|marksize=12|position=top|label=<small>旧岡崎市</small>}}
{{Location map~|Japan Aichi|lat_deg=34|lat_min=51|lat_sec=51.5|lat_dir=N|lon_deg=137|lon_min=09|lon_sec=56.2|lon_dir=E|mark=Blue 0080ff pog.svg|position=top|label=<small>幸田町</small>}}
{{Location map~|Japan Aichi|lat_deg=34|lat_min=55|lat_sec=07.8|lat_dir=N|lon_deg=137|lon_min=17|lon_sec=31.4|lon_dir=E|mark=Blue 0080ff pog.svg|position=right|label=<small>額田町</small>}}
{{Location map~|Japan Aichi|lat_deg=35|lat_min=06|lat_sec=56.1|lat_dir=N|lon_deg=137|lon_min=09|lon_sec=22.4|lon_dir=E|mark=Green 00ff00 pog.svg|position=top|label=<small>旧豊田市</small>}}
{{Location map~|Japan Aichi|lat_deg=34|lat_min=57|lat_sec=30.7|lat_dir=N|lon_deg=137|lon_min=04|lon_sec=49.2|lon_dir=E|mark=Green 00ff00 pog.svg|position=left|label=<small>安城市</small>}}
{{Location map~|Japan Aichi|lat_deg=34|lat_min=51|lat_sec=42.1|lat_dir=N|lon_deg=137|lon_min=03|lon_sec=42.6|lon_dir=E|mark=Green 00ff00 pog.svg|position=left|label=<small>西尾市</small>}}
{{Location map~|Japan Aichi|lat_deg=34|lat_min=49|lat_sec=35.0|lat_dir=N|lon_deg=137|lon_min=13|lon_sec=10.5|lon_dir=E|mark=Green 00ff00 pog.svg|position=bottom|label=<small>蒲郡市</small>}}
{{Location map~|Japan Aichi|lat_deg=34|lat_min=51|lat_sec=32.0|lat_dir=N|lon_deg=137|lon_min=18|lon_sec=27.0|lon_dir=E|mark=Green 00ff00 pog.svg|position=right|label=<small>音羽町</small>}}
{{Location map~|Japan Aichi|lat_deg=35|lat_min=02|lat_sec=26.6|lat_dir=N|lon_deg=137|lon_min=19|lon_sec=07.5|lon_dir=E|mark=Green 00ff00 pog.svg|position=top|label=<small>下山村</small>}}
}}

岡崎市立図書館は1979年（昭和54年）に最大貸出冊数を2冊から5冊に増やし、1982年（昭和57年）には5冊から3冊に減らしたものの、1985年（昭和60年）には再び5冊に増やし、1998年（平成10年）には10冊に増やした{{sfn|図書館概要|2014|pp=2-4}}。2008年（平成20年）には図書10冊・視聴覚資料5冊となった{{sfn|図書館概要|2014|p=6}}。額田町立図書館は最大2冊の時代が長かったものの、1996年（平成8年）以前には最大3冊となっている。岡崎市と額田町が合併すると、貸出冊数と貸出期間は岡崎市の規則に揃えられた。

1997年（平成9年）までの館外貸出可能者は岡崎市内の在住・在勤・在学者だけだったものの、1997年には岡崎市・[[額田郡]][[幸田町]]・額田郡[[額田町]]の3自治体の相互利用が開始され<ref name=chunichi19970312>「図書の貸し出し、来月から相互利用 岡崎市と幸田、額田両町の公立図書館」中日新聞, 1997年3月12日</ref>、幸田町・額田町の在住・在勤・在学者にも拡大された{{sfn|図書館概要|2014|p=3}}。2000年には[[豊田市]]・[[安城市]]・[[西尾市]]・[[蒲郡市]]・[[宝飯郡]][[音羽町]]・[[東加茂郡]][[下山村 (愛知県東加茂郡)|下山村]]の在住・在勤・在学者も館外貸出が可能となった{{sfn|図書館概要|2014|p=4}}。2008年には館外貸出可能者が愛知県全域の在住・在勤・在学者に拡大された{{sfn|図書館概要|2014|p=5}}。

額田町立図書館の複写代金は開館した1977年時点では1枚100円だったが、その後1枚50円、1枚20円と段階的に減額された。岡崎市立図書館の資料複写代金は1995年（平成7年）に1枚30円から1枚20円に減額され、2000年（平成12年）には1枚10円となった{{sfn|図書館概要|2014|pp=3-4}}。

2000年には岡崎市立図書館が祝日開館を開始{{sfn|図書館概要|2014|p=4}}。2003年（平成15年）には平日の開館時間が17時までから19時までに延長された{{sfn|図書館概要|2014|p=4}}。市町村合併後の2006年（平成18年）には額田図書館の祝日開館を開始した{{sfn|図書館概要|2014|p=5}}。2008年に岡崎市図書館交流プラザ（りぶら）が開館すると、中央図書館は開館時間が9時から21時、額田図書館は開館時間が9時から17時までとなった{{sfn|図書館概要|2014|p=5}}。岡崎市立図書館の休館日は明大寺町時代は月曜日だったが、2008年の岡崎市図書館交流プラザ移転後には水曜日となった。
{{-}}
== 沿革 ==
[[File:Okazaki Genkikan ac (2).jpg|thumb|情報ライブラリーがある若宮町の岡崎げんき館]]

; 岡崎市立図書館/岡崎市立中央図書館
* 1912年8月5日 : 門前町に'''岡崎町立通俗図書館'''が仮開館。{{ウィキ座標|34|57|31.9|N|137|10|20.7|E|scale:10000|位置}}
* 1916年7月1日 : 市制施行にともなって'''岡崎市立図書館'''に改称。
* 1922年12月15日 : [[岡崎公園 (岡崎市)|岡崎公園]]内の新館が開館。{{ウィキ座標|34|57|27.8|N|137|09|32.0|E|scale:10000|位置}}
* 1945年7月20日 : [[岡崎空襲]]により全焼・廃館。
* 1947年7月1日 : [[康生町]]の元[[青年学校]]校舎で再開館。{{ウィキ座標|34|57|24.4|N|137|09|42.9|E|scale:10000|位置}}
* 1962年12月4日 : [[六供町 (岡崎市)|六供町]]の元[[愛知県立岡崎商業高等学校|岡崎商業高校]]校舎に移転。{{ウィキ座標|34|57|44.6|N|137|10|03.6|E|scale:10000|位置}}
* 1966年5月1日 : [[康生通西]]2丁目の元[[岡崎警察署]]庁舎に移転。{{ウィキ座標|34|57|33.4|N|137|09|45.5|E|scale:10000|位置}}
* 1971年11月1日 : [[明大寺町]]の新館に移転。{{ウィキ座標|34|56|31.0|N|137|09|52.1|E|scale:10000|位置}}
* 2005年1月1日 : 自治体合併にともなって'''岡崎市立中央図書館'''に改称。
* 2008年11月1日 : 康生通西4丁目の[[岡崎市図書館交流プラザ]]に移転。{{ウィキ座標|34|57|34.1|N|137|09|33.1|E|scale:10000|位置}}

; 額田町立図書館/岡崎市立額田図書館
* 1977年3月1日 : '''額田町立図書館'''が開館。{{ウィキ座標|34|55|08.1|N|137|17|32.0|E|scale:10000|位置}}
* 2005年1月1日 : 自治体合併にともなって'''岡崎市立額田図書館'''に改称。

== 中央図書館 ==
{{図書館
{{図書館
|名称 = 岡崎市立中央図書館
|名称 = 岡崎市立中央図書館
|英名 =
|英名 =
|画像 = [[File:Okazaki City Library and Community Plaza (2013.04.28) 04.jpg|300px]]
|画像 = [[File:Libra Okazaki ac (6).jpg|300px]]
|画像説明 =
|画像説明 =
|正式名称 =
|正式名称 =
|愛称 = りぶら（Libra）
|愛称 =
|前身 =
|前身 = 岡崎町立通俗図書館<br/>岡崎市立図書館
|専門分野 =
|専門分野 =
|事業主体 = 岡崎市
|事業主体 =
|管理運営 =
|管理運営 =
|建物設計 =
|建物設計 =
|延床面積 = 約8000
|延床面積 =
|開館 =
|開館 = [[1912年]]（[[大正]]元年）[[8月5日]]
|閉館 =
|閉館 =
|所在地郵便番号 = 444-0052
|所在地郵便番号 = 444-0052
18行目: 118行目:
|緯度度 = 34 |緯度分 = 57 |緯度秒 = 33.85
|緯度度 = 34 |緯度分 = 57 |緯度秒 = 33.85
|経度度 = 137 |経度分 = 9 |経度秒 = 33.12
|経度度 = 137 |経度分 = 9 |経度秒 = 33.12
|蔵書数 = 712,596冊 |蔵書数年 = 2014年度<ref>図書館概要 2015、p.38</ref>
<!--|蔵書数 = 712,596 |蔵書数年 = 2014年度{{sfn|図書館概要|2015|p=23}}
|貸出数 = 1,855,786冊 |貸出数年 = 2014年度<ref>図書館概要 2015、p.24</ref>
|貸出数 = 1,855,786冊 |貸出数年 = 2014年度{{sfn|図書館概要|2015|p=24}}
|来館者数 = 1,265,666人 |来館者数年 = 2014年度<ref>図書館概要 2015、p.40</ref>
|来館者数 = 1,265,666人 |来館者数年 = 2014年度{{sfn|図書館概要|2015|p=40}}
|貸出者数 = 392,539人 |貸出者数年 = 2014年度<ref>図書館概要 2015、p.24,36</ref>
|貸出者数 = 392,539人 |貸出者数年 = 2014年度{{sfn|図書館概要|2015|p=24}}-->
|年運営費 = |年運営費年 =
|年運営費 = |年運営費年 =
|条例 = 岡崎市立図書館条例
|条例 =
|館長 =
|館長 =
|職員数 =
|職員数 =
|公式サイト = http://www.library.okazaki.aichi.jp
|公式サイト =
|備考 =
|備考 =
}}
}}


=== 施設案内 ===
'''岡崎市立中央図書館'''（おかざきしりつちゅうおうとしょかん）は、[[愛知県]][[岡崎市]]康生通西4丁目71番地にある[[公共図書館]]（[[公立図書館]]）である。岡崎市内では最大規模の[[図書館]]であり、複合型文化施設「[[岡崎市図書館交流プラザ]]」の中に位置する。
{|class="wikitable" style="font-size:smaller"
|-
| width=50| 地下1階 || colspan=2| 自動出納書庫
|-
| 1階 || width=140| 「レファレンスライブラリー」 || width=500| 地域資料、参考図書、専門雑誌、インターネット席（16席）、データベース席（4席）、持ち込みパソコン利用席（18席）、研究個室（5室）、グループ室（1室）、閲覧席190席
|-
| rowspan=2| 2階 || 「ポピュラーライブラリー」 || 視聴覚ブース、新聞雑誌コーナー、ティーンズコーナー、外国語資料コーナー、グループ室（2室）、点字図書、録音資料、対面朗読室（2室）、おはなしのへや、閲覧席430席
|-
| 「こども図書室」 || 閲覧席80席
|}


{{seealso|岡崎市図書館交流プラザ}}
== 概要 ==
岡崎市の康生地区に位置する[[岡崎市図書館交流プラザ]]内の中核施設で、地上2階から地下1階のフロアを使用している。岡崎市立図書館条例第3条に名称と位置について定めている。蔵書数は、2011年度の時点で、図書が629,933冊、視聴覚資料が22,888点の計652,821冊を有する。収容可能冊数は100万冊（開架31万5千冊、書庫64万冊）。
岡崎市立中央図書館は[[康生通西]]にある複合型文化施設「[[岡崎市図書館交流プラザ]]」（りぶら）の中核施設であり、地上2階から地下1階の3フロアの一部を使用している。2011年度の蔵書数は図書が629,933冊、視聴覚資料が22,888点、計652,821冊である。収容可能冊数は開架31万5千冊、書庫64万冊、計100万冊である。中央図書館長は額田図書館長も兼務し、中央図書館は額田図書館の管理運営及び[[移動図書館|自動車文庫]]の運営を行っている。このほか、9か所にある地域図書室と連絡し、運営を支援している。2008年の岡崎市図書館交流プラザ開館と同時に、岡崎市立中央図書館の窓口業務は民間に委託されている{{sfn|鈴木|2012|p=24}}。


岡崎市図書館交流プラザの建物全体の建設費は約100億円{{sfn|図書館概要|2014|p=7}}。開架に31万5000冊、書庫に64万冊、その他に4万5000冊、計100万冊を収容できる{{sfn|図書館概要|2014|p=7}}。各階のステーションから地下1階の自動出納書庫の操作を行うと、任意の書籍が自動で書庫から搬出される{{sfn|近代建築|2008|p=109}}。1階は地域資料など専門性の高い図書を集めた「レファレンスライブラリー」、2階は新聞・雑誌や一般向け図書を集めた「ポピュラーライブラリー」として区分されている{{sfn|鈴木|2012|p=24}}。南側からの直射日光を避け、北側からの安定した採光を行うために{{sfn|近代建築|2008|p=107}}、図書館部分は建物全体の北側2/3に集められている。紫外線を避けるために、主要なガラスには[[複層ガラス|Low-E複層ガラス]]を採用している{{sfn|近代建築|2008|p=107}}。東面と西面は全面を[[カーテンウォール]]とし、電動ロールブラインドによって遮光制御を容易にしている{{sfn|近代建築|2008|p=107}}。照明は書架の間隔に合わせて配置されている{{sfn|近代建築|2008|p=107}}。
中央図書館長は岡崎市立額田図書館長も兼務し、中央図書館は額田図書館の管理運営及び[[移動図書館|自動車文庫]]の運営を行っている。このほか、9ヶ所にある地域図書室と連絡し、運営を支援している。


[[File:Libra Okazaki ac (8).jpg|thumb|left|開放感ある明るい雰囲気の「ポピュラーライブラリー」入口（2階）]]
== 沿革 ==
[[1912年]]（[[明治]]45年）3月の当時の岡崎町の町会で、[[公立図書館]]の開設が議決された<ref name="sk410">新編岡崎市史 近代 410頁</ref>。同年7月21日、「'''岡崎町立通俗図書館'''」の開館式が開かれた。図書館は8月1日に開館予定だったが、[[明治天皇]]崩御のために8月5日に開館日をずらし、門前町の随念寺下常福院を仮館舎として開館した<ref name="sk410"></ref>。開館時の蔵書数は2,060部、6,232冊で、そのほとんどは岡崎町教育会・[[小柳津要人]]・[[千賀千太郎]]からの寄贈だった<ref name="sk411">新編岡崎市史 近代 411頁</ref>。1912年の利用者は1日6人強と、多くなかった<ref name="sk411"></ref>。


1階の「レファレンスライブラリー」と2階の「ポピュラーライブラリー」はその特色に合わせて内装に差異が付けられており、いずれも[[城下町]]としてのイメージを想起させる黒色と白色がテーマカラーとなっている{{sfn|近代建築|2008|p=106}}。1階には落ち着いた雰囲気の黒い敷物が床面に用いられ、2階には明るい雰囲気の白木の床面が用いられている{{sfn|近代建築|2008|p=106}}{{sfn|山田|2008-12|p=14}}。天井高は1階より2階のほうが高いが、1階が5段書架なのに対して2階は6段書架であり、1階は利用者に落ち着きを、2階は利用者に開放感を与えている{{sfn|近代建築|2008|p=106}}。1階は白い床面に対して黒色の書棚が用いられ、図書の「存在感」が強く示されている{{sfn|近代建築|2008|p=106}}。2階は黒い床面に対して白色の書棚が用いられ、図書の「表情」が際立つように配慮されている{{sfn|近代建築|2008|p=106}}。図書館外部にある夜間・休日返却口に突っ込まれた書籍はベルトコンベアでバックヤードに運ばれ、さらに自動仕分け機でテーマごとに自動分類される{{sfn|近代建築|2008|p=109}}。
[[1916年]]（大正5年）7月1日、[[市町村制|市制]]施行に伴い「'''岡崎市立図書館'''」に改称した。[[1919年]]（大正8年）、愛知県立第二中学校（現・[[愛知県立岡崎高等学校]]）教諭を務めた[[柴田顕正]]が館長に就任した<ref>{{Cite book|和書
|author =
|year = 1979-1-5
|title = 岡崎の人物史
|publisher = 岡崎の人物史編集委員会
|page = 227
}}</ref>。新館の建設も決定し、建設地を[[岡崎公園 (岡崎市)|岡崎公園]]内の[[岡崎城]]二の丸の一角で、財団法人私立盲唖学校跡（その前は[[浄土真宗]]三河教校）とした<ref name="sk936">新編岡崎市史 近代 936頁</ref>。[[1922年]]（大正11年）5月1日に[[地鎮祭]]が執行され着工、同年12月15日に[[即位の礼|御大典]]記念事業として竣工した。1925年時点での蔵書数は19,099冊で、愛知県内では[[西尾市]]の[[西尾市岩瀬文庫|岩瀬文庫]]、[[名古屋市鶴舞中央図書館|市立名古屋図書館]]、[[刈谷市中央図書館|刈谷市図書館]]に次ぐ多さとなった<ref name="sk936" />。柴田は、『三河堤』『三河古墳記』『三河古城記』『龍城雑記』などの郷土史資料や国文学の本を中心に収集した<ref name="sk937">新編岡崎市史 近代 937頁</ref>。また、年間利用者数は672,480人で、市立名古屋図書館、名古屋公衆図書館（現・[[名古屋市西図書館]]）に次いで3位となった<ref name="sk937"></ref>。[[1928年]]（[[昭和]]3年）4月8日には、新聞閲覧室が増築された。しかし、[[1945年]]（昭和20年）7月20日の[[岡崎空襲]]によって全館が焼失し、廃館となった。


1階には閲覧席187席があり、インターネット席（14席）、データベース席（6席）、持込パソコン席（18席）と、研究個室5室とグループ室1室を完備している。2階には閲覧席428席が設置されており、新聞・雑誌コーナーやCDやDVDなどの視聴覚資料と視聴ブース、外国語資料コーナー、[[点字図書]]や[[録音図書]]と対面朗読室2室が置かれている。また、「ティーンズコーナー」として、10代の利用者が必要とする情報を提供する図書を中心にそろえたコーナーを設置している。コーナーには、10代が優先的に使用できる「ティーンズルーム」がある。入口を出て通路を挟んだ反対側には「子ども図書室」がある{{sfn|山田|2008-12}}。また、子ども図書館には児童書や絵本、紙芝居などが置かれ、「おはなしのへや」と「赤ちゃんコーナー」、授乳室を設置している。
[[ファイル:Okazaki City Art Museum 101208.jpg|thumb|250px|right|1971年から利用されていた建物（現・岡崎市美術館）]]
戦後、康生町にあった[[青年学校]]の元校舎を利用し、[[1947年]]（昭和22年）7月1日に再開館した。280m<sup>2</sup>、収蔵図書2,500冊と小規模の暫定的な開館だった<ref name="sg306">新編岡崎市史 現代 306頁</ref>。[[1962年]]（昭和37年）12月4日、六供町字出崎の[[愛知県立岡崎商業高等学校]]の元校舎へ移転し、920m<sup>2</sup>、収蔵図書4万冊となった<ref name="sg306"></ref>。しかし、建物の老朽化が激しく、同地に[[岡崎市民会館]]の建設が決定したことから、[[1966年]]（昭和41年）5月1日に康生通西2丁目の[[岡崎警察署]]の元庁舎へ移転した<ref>新編岡崎市史 現代 307頁</ref>。こうして、空いた建物を図書館として使用してきたが、明大寺町字茶園の愛知県の蚕検定所跡に新館を建設することが決定し、[[1970年]]（昭和45年）12月18日に着工、[[1971年]]（昭和46年）11月1日に開館した<ref>新編岡崎市史 現代 308頁</ref>。また、翌年には隣に[[岡崎市美術館]]が開館した。


これらの設備が評価され、岡崎市図書館交流プラザは第17回愛知まちなみ建築賞、第42回中部建築賞、日本建築学会作品選集2010、日本建築家協会優秀建築選2011、第13回[[公共建築賞]]優秀賞に選ばれている<ref>[http://maruarchi.com/p_takano.html 岡崎市図書館交流プラザ Libra] 高野洋平+森田祥子/一級建築士事務所</ref>。
しかし、徐々に手狭になった図書館の再移転が議論されるようになった。[[2001年]]（[[平成]]13年）2月7日に岡崎市議会に新図書館建設特別委員会が設置された。当初は、岡崎公園の[[グラウンド|グランド]]跡地が最も適当と判断されたが、調査で[[石垣]]などの[[岡崎城]]の遺構が発掘されたことから、不適当となった。そこで、[[岡崎郵便局]]が移転し跡地利用が議論されていた康生通西4丁目が移転先として有力視されるようになった。同年8月13日に開かれた特別委員会で、建設場所を康生通西とする市の提案が了承された<ref>「中日新聞」 2001年8月14日朝刊、西三河版西三河 16頁
</ref>。一方、[[2005年]]（平成17年）1月1日に岡崎市と[[額田町]]の合併に伴い、額田町立図書館を市立額田図書館としたことから、名称を「'''岡崎市立中央図書館'''」に改称した。中央図書館を中核にした複合文化施設「[[岡崎市図書館交流プラザ]]」の建設が決定し、[[2006年]]（平成18年）6月28日に着工、[[2008年]]（平成20年）11月1日に開館した。移転により、延床面積約2,500m<sup>2</sup>から約8,000m<sup>2</sup>に、収蔵資料も約44万冊から約60万冊に増加した。


=== 歴史 ===
[[2010年]]（平成22年）3月頃、インターネットの蔵書システムが閲覧しづらくなる現象が発生。同年4月[[サイバー攻撃]]を仕掛けたとして利用者の一人が逮捕され[[起訴猶予処分]]となった。利用者に攻撃の意図はなく、さらに根本的な原因がシステムの不具合にあったことから、論議を呼んだ。{{Main|岡崎市立中央図書館事件}}同年9月、同システムを手がけた業者のミスにより、図書館利用者の利用状況および個人情報が流出していたことが判明<ref>「中日新聞」 2010年9月28日夕刊、社二 12頁</ref>。流出したのは185件(159人)分<ref>[http://ebino.uxt.cknet.co.jp/TOSHOW/index.asp 平成22年11月30日の個人情報流出についてのお詫び]えびの市民図書館の調査結果 2010年11月30日</ref>。岡崎市は、管理を委託していた[[三菱電機インフォメーションシステムズ]]（MDIS）に対して翌年からの契約解除を発表し、MDISも辞退し契約は撤回された<ref>「朝日新聞」 2010年11月26日名古屋本社版夕刊、2社 6頁、[http://twitter.com/kanda_daisuke/status/8067320454840320 本事件を調査報道した神田大介によるTwitter上の発言(2010.11.26)]</ref>。
==== 随念寺下常福院時代（1908-1923） ====
[[File:Zuinen-ji Hondo 110302.jpg|thumb|left|岡崎町の文教の中心だった[[随念寺]]]]
[[File:隋念寺における常福院.png|thumb|right|随念寺と常福院（赤丸）]]


{{quotation|国民教育の普及完全をはからんとせば、常に学校教育のみに依頼して、之を望むべからず。更に他の社会的教育設備の補充あるを要す。而して、図書館の如きは、その中に於ける最も肝要にして、欠くべからざるものなり。本町にありては、すでに十年以来、之が設立を希望して止まざりしが、今や機熟し、ついにここに町立としてその開設を見るに至れり、けだし、本町の教育事業に於ける一進歩というべし。（後略）|開館記念式典における[[千賀千太郎]]岡崎町長の式辞<ref name=iwatsuki1976>岩月栄治『岡崎の歴史』岡崎の歴史編集委員会, 1976年, pp.247-251</ref>}}
=== 年表 ===
* [[1912年]]8月5日 - 「岡崎町立通俗図書館」が門前町に仮開館。
* [[1916年]]7月1日 - 市制施行に伴い「岡崎市立図書館」に改称。
* [[1922年]]12月15日 - [[岡崎公園 (岡崎市)|岡崎公園]]内に新館竣工。
* [[1945年]]7月20日 - 岡崎空襲により全焼、廃館。
* [[1947年]]7月1日 - 康生町の元[[青年学校]]校舎に再開館。
* [[1962年]]12月4日 - 六供町の元[[愛知県立岡崎商業高等学校|岡崎商業高校]]校舎へ移転。
* [[1966年]]5月1日 - 康生通西2丁目の元[[岡崎警察署]]庁舎へ移転。
* [[1971年]]11月1日 - 明大寺町に新館完成、移転。
* [[2005年]]1月1日 - [[額田町]]との合併により「岡崎市立中央図書館」に改称。
* [[2008年]]11月1日 - 康生通西4丁目の[[岡崎市図書館交流プラザ]]の完成に伴い、移転。


[[三河|三河地方]]の岡崎は[[徳川家康]]の生誕地であり、江戸時代には[[岡崎城]]の城下町や[[東海道]]の宿場町として発展した歴史を持つ{{sfn|山田|2008-12|p=14}}。1899年（明治32年）には[[図書館令]]が公布され、全国的に図書館が増加していった<ref name=iwatsuki1976/>。1912年（明治45年）3月の岡崎町町会で[[公立図書館]]の開設が議決され{{sfn|新編岡崎市史 近代|1991|p=410}}、6月29日に図書館設置の許可が下りると、7月21日には門前町にある[[随念寺]]の法殿にて'''岡崎町立通俗図書館'''の開館式が行われ{{sfn|加藤|1981|p=39}}、8月5日に開館した{{sfn|図書館概要|2014|p=1}}。8月1日に閲覧室の開放を開始するはずだったが、前々日の7月30日に[[明治天皇]]の死去が公表されたことで、8月1日から4日までは休館としていた{{sfn|加藤|1981|p=41}}。福岡・[[柳川市|柳川]]出身で岡崎町立高等女学校（現・[[愛知県立岡崎北高等学校]]）校長を務めていた[[千蔵尚]]が初代館長を務めた{{sfn|鈴木|2008|p=6}}{{sfn|小林|2011|p=6}}。校長と館長を兼任していた千蔵に代わって、初代書記の八木開枝が実質的な運営を担った。八木は大樹寺小学校（現・[[岡崎市立大樹寺小学校]]）の訓導兼校長を務めていた人物である。
== 施設 ==
2階から地下1階の3フロアからなり、地下1階は自動出納[[書庫]]になっている。


[[File:Kensei-Shibata-1.jpg|thumb|150px|市制施行後に初代館長を務めた[[柴田顕正]]]]
地上1階は、閲覧席187席を置く「レファレンスライブラリー」として、地域資料や専門書を中心に排架している。インターネット席（14席）、データベース席（6席）、持込パソコン席（18席）と、研究個室5室とグループ室1室を完備している。


随念寺の階段を下りた場所にある常福院を仮館舎とし{{sfn|新編岡崎市史 近代|1991|p=410}}{{sfn|図書館概要|2014|p=1}}、約50坪ほどの常福院の建物の中で、仏間・庫裏の一部を除いた部分が図書館にあてがわれた{{sfn|小林|2011|p=8}}。かつて額田郡第一番小学岡崎学校（現・[[岡崎市立梅園小学校]]）や岡崎町立高等女学校が設置されるなど、随念寺は岡崎町の文教の中心だった{{sfn|小林|2011|p=1}}。図書館の定義にもよるが、愛知県内では1897年（明治30年）の津島高等小学校図書館（現・[[津島市立図書館]]）、または1907年（明治40年）の[[西尾市岩瀬文庫|岩瀬文庫]]（西尾町・私立）と私立半田図書館（半田町）の開館がもっとも早く、後者を採用した場合に岡崎町立通俗図書館は愛知県9番目の図書館だった{{sfn|小林|2011|p=2}}。
地上2階は、「ポピュラーライブラリー」として閲覧席428席を設置しているほか、子ども用のスペースとして閲覧席76席の「子ども図書室」が用意されている。ポピュラーライブラリーでは、[[新聞]]・[[雑誌]]コーナーや[[コンパクトディスク|CD]]や[[DVD]]などの視聴覚資料と視聴ブース、外国語資料コーナー、[[点字図書]]や[[録音図書]]と対面朗読室2室が置かれている。また、「ティーンズコーナー」として、10代の利用者が必要とする情報を提供する図書を中心にそろえたコーナーを設置している。コーナーには、10代が優先的に使用できる「ティーンズルーム」がある。また、子ども図書館には[[児童書]]や[[絵本]]、[[紙芝居]]などが置かれ、「おはなしのへや」と「赤ちゃんコーナー」、授乳室を設置している。


開館時の蔵書数は2,060部・6,232冊であり<!--古い事業年報では開館時の蔵書が7,232冊と書いてあるがこれは誤り。-->、その大部分は[[小柳津要人]]や[[千賀千太郎]]などの個人や、岡崎町教育会からの寄贈によるものである{{sfn|加藤|1981|p=41}}{{sfn|新編岡崎市史 近代|1991|p=411}}。1912年度の開館日数は219日であり、経常費は436円だった{{sfn|加藤|1981|p=41}}。閲覧人数は1,509人であり、1日平均6人程度だった{{sfn|新編岡崎市史 近代|1991|p=411}}{{sfn|小林|2011|p=7}}。1915年（大正4年）時点では3,857部9,612冊の蔵書を有しており{{sfn|小林|2011|p=8}}、1921年（大正10年）時点では14,933冊の蔵書を有していた{{sfn|小林|2011|p=17}}。
専用駐車場が2面あるが、満車になった場合は周辺の有料駐車場（数箇所）に　時間限定ではあるが駐車できる。


1916年（大正5年）7月1日には岡崎町の[[市町村制|市制]]施行に合わせて'''岡崎市立図書館'''に改称した{{sfn|図書館概要|2014|p=1}}{{sfn|加藤|1981|p=59}}。1919年（大正8年）には館長の千蔵が静岡県郡立志太高等女学校（現・[[静岡県立藤枝西高等学校|静岡県立藤枝西高校]]）に転任したため{{sfn|鈴木|2008|p=6}}、岡崎を代表する文化人だった[[岡田撫琴]]は愛知県立第二中学校（現・[[愛知県立岡崎高等学校|愛知県立岡崎高校]]）教諭を務めた[[柴田顕正]]を館長に推薦し、1919年（大正8年）には柴田が第2代館長（市立図書館としては初代館長）に就任した{{sfn|岡崎の人物史編集委員会|1979|p=227}}。
=== 郷土コレクション ===
図書館では[[西三河]]地方にゆかりの人物に関する資料を集めており、1階のレファレンスライブラリーに郷土資料としては排架されている。特に、[[徳川家康]]・[[菅江真澄]]・[[鶴田卓池]]の3人については文庫としてまとめて公開されている。


==== 岡崎公園時代（1923-1945） ====
「家康文庫」では、徳川家康に関する文献を約2,000点所蔵している。このほか、[[江戸時代]]後期の[[国文学者]]・菅江真澄の資料を集めた「菅江真澄資料内田文庫」がある。これは、菅江真澄の研究家・内田武志の収集した資料を、内田の死後に妹ハチから江戸時代文化史研究者だった新行和子を通して、[[1986年]]に図書館へ寄贈されたものを複製製本して公開している。また、江戸時代後期の[[俳人]]・鶴田卓池に関する資料を集めた「鶴田卓池文庫」は、卓池ゆかりの人々から寄託・寄贈された資料を中心に公開している。書籍・短冊・軸物など265点あり、『紙本著色鶴田卓池自画像一幅』『奥羽記行』などの市指定有形文化財も含まれている。
{{建築物
|名称 = 岡崎公園時代
|画像 = [[File:Okazaki City Library (1923-1945).png|center|280px]]
|画像説明 =
|設計者 = [[鈴木禎次]]
|施工 =
|構造形式 = 西洋館2階建地下室あり
|延床面積=513 |延床面積ref= |延床面積備考=
|所在地郵便番号 =
|所在地 = [[岡崎公園 (岡崎市)|岡崎公園]]内
|緯度度 = |緯度分 = |緯度秒 =
|経度度 = |経度分 = |経度秒 =
|座標右上表示 =
|備考 =地下 : 下足室、装釘室など<br>1階 : 児童閲覧室、夫人閲覧室、一般閲覧室、書庫など<br>2階 : 貴賓室、広間、休憩室、館長室兼応接室、講堂など
}}


[[File:岡崎公園之圖における岡崎図書館.png|thumb|right|180px|大正年間の[[岡崎公園 (岡崎市)|岡崎公園]]における図書館の位置（赤丸）]]
=== りぶら映像アーカイブス ===
過去に岡崎で起きたできごとを伝える[[ニュース]]などの映像を、2階視聴覚コーナーで閲覧することができる。


{{quotation|名古屋市立及豊橋市立図書館と共に本縣に於ける三大公立圖書館として其外観内容共に整備せり|岡崎市立図書館について、『愛知県下公私立図書館記念写真帖』愛知県図書館協会, 1927年{{sfn|愛知県図書館協会|1927|pp=7-8}}}}
[[日本放送協会]]（NHK）の協力で、岡崎市の製作・監修、[[図書館流通センター]]と[[NHKプラネット]]の企画・制作により、2009年3月31日時点で92番組を提供している。


岡崎町は[[即位の礼#大正天皇の即位の礼・大嘗祭|大正天皇御大典]]（1915年）記念事業として新図書館の建設を計画したが、用地の確保などが難航した{{sfn|鈴木|2008|p=9}}。それでも[[岡崎公園 (岡崎市)|岡崎公園]]内の[[岡崎城]]二の丸の一角<ref>岡崎公園のこの場所は財団法人私立盲唖学校跡地であり、その前は[[浄土真宗]]三河教校が使用していた。</ref>に定めると{{sfn|新編岡崎市史 近代|1991|p=936}}、1922年（大正11年）5月1日に地鎮祭を行って着工し、同年12月15日に竣工した{{sfn|加藤|1981|p=66}}。設計は名古屋市の[[鶴舞公園]]奏楽堂や岡崎銀行（現・[[岡崎信用金庫]]資料館）などを手掛けた[[鈴木禎次]]であり{{sfn|小林|2011|p=17}}、赤レンガと白い花崗岩が印象的なルネサンス風建築である{{sfn|鈴木|2008|p=9}}。建設中の1922年7月19日には、岡崎市内の小学校・高等女学校などに対して巡回文庫（[[移動図書館]]）の運行を開始している{{sfn|図書館概要|2014|p=1}}{{sfn|小林|2011|p=20}}。
== 開館時間 ==

* 9時00分 - 21時00分
1923年（大正12年）1月7日に岡崎公園の新図書館が開館した{{sfn|加藤|1981|p=66}}。この図書館は現在の「三河武士のやかた家康館」付近にあった{{sfn|鈴木|2008|p=12}}。総工費は岡崎市予算の13.4%に相当する73,635円{{sfn|鈴木|2008|p=12}}。18,905冊の蔵書を有し{{sfn|小林|2011|p=23}}、2階建の西洋館に地下室を備えており、本館の建坪は106坪8合6勺（約353m<sup>2</sup>）、高さは44尺5寸であり、延床面積は計513 m<sup>2</sup>だった{{sfn|小林|2011|pp=22-23}}。レンガ造2階建の書庫と木造平屋の付属家屋を備えていた{{sfn|鈴木|2008|p=12}}。
; 休館日

* 毎週水曜日（祝日の場合は開館）
岡崎高等女学校を卒業した有能な女性たちが書記などとして柴田館長を支え、中には書記から高等女学校の英語教師に転任した者もいた{{sfn|鈴木|2008|p=17}}。一般利用者は下足を預ける際に1銭を支払う必要があり、女性のために婦人専用閲覧室が設けられた{{sfn|小林|2011|p=25}}。館外貸出の対象は原則として岡崎市内在住者のみであり、貸出の際には補償金が必要となった{{sfn|小林|2011|p=26}}。貸出冊数は最大3冊であり、貸出期間は最大10日間だった{{sfn|小林|2011|p=26}}。市民から点字書96点を寄贈されたことで、1923年には全国的にみて先駆的であるとされる点字部が設けられた{{sfn|小林|2011|p=31}}。
* 特別整理期間（[[教育委員会]]が告示する期間）

* 12月29日 - 1月3日
{|class="wikitable" style="float:left; font-size:smaller"
! colspan=7| 愛知県の主要な図書館（1927年）<ref>『愛知県下公私立図書館記念写真帖』（1927年発行）に記載されている愛知県の図書館全58館のうち、1万冊以上の蔵書を有する6館を主要な図書館とした。</ref>{{sfn|愛知県図書館協会|1927|p=38}}
|-
! # !! 自治体 !! 図書館名 !! 設立年 !! 蔵書数 !! 年間閲覧人数 !! 現在の館名
|-
| 1 || [[幡豆郡]][[西尾市|西尾町]] || 岩瀬文庫 || 1907年 || 89,074 || 187 || [[西尾市岩瀬文庫]]
|-
| 2 || [[名古屋市]][[中区 (名古屋市)|中区]] || 名古屋市立図書館 || 1923年 || 65,551 || 359,763 || [[名古屋市鶴舞中央図書館]]
|-
| 3 || [[名古屋市]][[東区 (名古屋市)|東区]] || 名古屋公衆図書館 || 1925年 || 28,788 || 78,176 || [[名古屋市西図書館]]
|-
| 4 || [[碧海郡]][[刈谷市|刈谷町]] || 刈谷町立刈谷図書館 || 1915年 || 25,500 || 1,256 || [[刈谷市中央図書館]]
|-
| 5 || [[豊橋市]] || 豊橋市立図書館 || 1913年 || 18,914 || 32,321 || [[豊橋市中央図書館]]
|-
| 6 || [[岡崎市]] || '''岡崎市立図書館''' || 1922年 || 18,905 || 52,255 || [[岡崎市立中央図書館]]
|}

1925年（大正14年）時点での蔵書数は19,099冊、閲覧人数は62,780人であり、蔵書数は岩瀬文庫、市立名古屋図書館（現・[[名古屋市鶴舞中央図書館]]）、刈谷図書館（現・[[刈谷市中央図書館]]）に次いで愛知県下第4位だった{{sfn|新編岡崎市史 近代|1991|p=936}}。年間利用者数は672,480人で、市立名古屋図書館、名古屋公衆図書館（現・[[名古屋市西図書館]]）に次いで愛知県下3位だった{{sfn|新編岡崎市史 近代|1991|p=937}}。岡崎公園時代の岡崎市立図書館は、市立名古屋図書館、[[豊橋市中央図書館|豊橋市図書館]]とともに愛知県内の三大公立図書館と評されている{{sfn|小林|2011|p=23}}。

『三河堤』『三河古墳記』『三河古城記』『龍城雑記』などの郷土史資料や国文学の本を中心に収集し{{sfn|新編岡崎市史 近代|1991|p=937}}、1928年（昭和3年）4月8日には新聞閲覧室を増築した{{sfn|図書館概要|2014|p=1}}。戦前には[[市立名古屋図書館]]、[[石川県立図書館]]、[[奈良県立図書情報館|奈良県立奈良図書館]]、[[埼玉県立埼玉図書館]]、[[徳島県立図書館|徳島県立光慶図書館]]、[[東京都立図書館|東京市立図書館]]、[[呉市立図書館]]、[[尾道市立中央図書館|尾道市立尾道図書館]]、[[長崎県立長崎図書館]]、[[豊橋市中央図書館|豊橋市図書館]]、[[大垣市立図書館]]、[[帝国図書館]]などとは、館報の交換などを通じて交流があった{{sfn|鈴木|2008|p=19}}。

1940年（昭和15年）に柴田館長が急逝したことで、岡崎出身で[[小樽高等商業学校]]教授の中村和之雄が第3代館長に就任した{{sfn|鈴木|2008|p=20}}。1945年（昭和20年）7月20日の[[岡崎空襲]]では建物が焼失し、図書館は廃館となった{{sfn|図書館概要|2014|p=1}}。愛知県内では瀬戸市の[[瀬戸市立図書館|市立瀬戸図書館]]と一宮市の[[一宮市立図書館]]も戦災で焼失している{{sfn|加藤|1981|p=96}}。

==== 仮館時代（1947-1971） ====
[[太平洋戦争]]末期に廃館した後、約2年間にわたって全面的に休館。1947年7月11日には岡崎公園内の康生町511にある演舞場（戦時中は[[青年学校]]校舎）だった建物にて再開館した{{sfn|鈴木|2008|p=21}}。所在地は岡崎市康生町515、この場所は後に公園管理事務所となり、現在の岡崎公園グラウンド東側付近に相当する{{sfn|鈴木|2008|p=21}}。戦後初の館長には岡崎市教育長との兼任で横田良四が就任したが、横田は1955年（昭和30年）頃に専任の図書館長となっている{{sfn|鈴木|2008|p=21}}。延床面積は戦前の半分程度の280 m<sup>2</sup>であり{{sfn|新編岡崎市史 現代|1985|p=306}}、再開館時の蔵書数は戦後の混乱が影響して1,000冊程度だった{{sfn|鈴木|2008|p=21}}。閲覧時間は午前10時から午後5時、閲覧料は1回50銭、館外貸出はできなかった{{sfn|鈴木|2012|p=14}}。1947年には[[愛知学芸大学]]岡崎分校に[[CIE図書館|CIE図書室]]を設置している{{sfn|加藤|1981|p=98}}。

1950年（昭和25年）9月には部分的に開架が導入され、分類には[[日本十進分類法]]が導入された{{sfn|鈴木|2012|p=14}}。1949年（昭和24年）には岡崎市立図書館運営委員会が設置され、1951年（昭和26年）には図書館法に則って岡崎市立図書館設置条例が公布され、1955年には岡崎図書館協会が発足している{{sfn|図書館概要|2014|p=2}}。1952年（昭和27年）の利用者数は32,734人（115人/日）であり、閲覧図書数は62,565冊（221冊/日）だった{{sfn|鈴木|2012|p=15}}。一般利用者は約25%であり、残りすべてが児童利用者だった{{sfn|鈴木|2012|p=15}}。

1954年（昭和29年）には館外貸出を開始。対象は高校生以上であり、1回につき最大1冊・最大1週間、保証金として300円を支払う必要があった{{sfn|鈴木|2012|p=15}}。1957年度の蔵書数は27,672冊であり、館外貸出数は6,051冊、館内利用数は64,584冊だった。この年の予算は総額293万2200円であり、うち備品費が127万5000円だった{{sfn|鈴木|2012|p=16}}。1958年（昭和33年）には横田の後任の第5代館長に杉本斌が就任した{{sfn|鈴木|2008|p=23}}。1959年（昭和34年）9月の[[伊勢湾台風]]や1962年（昭和37年）の台風14号では岡崎市立図書館も被害を受けたが、岡崎市は図書館よりも岡崎城や[[岡崎市民会館]]の再建を優先した{{sfn|鈴木|2008|p=23}}。1962年には開館50周年を迎えたが、特に記念行事などは行われていない{{sfn|鈴木|2012|p=17}}。旧青年学校校舎は建物が古くて狭く、テニスコートに隣接していたことで騒がしく、低地にあったため何度も洪水被害を受けた{{sfn|鈴木|2008|p=23}}。

[[File:仮館時代の岡崎図書館の位置図.png|thumb|left|350px|仮館時代の位置の変遷]]

このため、[[六供町]]字出崎15番地1の[[愛知県立岡崎商業高等学校|愛知県立岡崎商業高校]]が移転したのを機に、1962年12月11日に岡崎商業高校の建物に移転した{{sfn|加藤|1981|p=124}}。北側校舎を改修し、3教室の間の壁を取り払って書庫・事務室としたほか、2教室を閲覧室としたが{{sfn|鈴木|2012|p=17}}、教室の黒板はそのまま残された{{sfn|鈴木|2008|p=23}}。延床面積は920 m<sup>2</sup>、蔵書数は4万冊となった{{sfn|新編岡崎市史 現代|1985|p=306}}。この場所は現在の甲山会館付近である{{sfn|鈴木|2008|p=23}}。1966年4月には岡崎市官財課次長を務めていた西崎清忠が杉本の後任の館長に就任した{{sfn|鈴木|2008|p=24}}。

この建物は老朽化が激しく、寒々としていて薄暗かった{{sfn|鈴木|2012|p=17}}。同地に岡崎市民会館の建設が決定したことから、1966年（昭和41年）5月1日には[[康生通西]]2丁目20にある旧[[岡崎警察署]]庁舎へ移転した<ref>新編岡崎市史 現代 307頁</ref>。この場所は現在の[[岡崎シビコ]]付近である{{sfn|鈴木|2008|p=24}}。この建物は木造2階建で延床面積は約1,200m<sup>2</sup>と広かったが、大正初期の建築物であり老朽化が進んでいた{{sfn|鈴木|2012|p=17}}。同年には家康文庫が設置されている{{sfn|鈴木|2012|p=17}}。

===== 新館建設の要望 =====
このように、1947年から1971年（昭和46年）までは既存の建物を暫定的に図書館として使用してきた。1953年頃から図書館の新設を訴える陳情や請願が行われており、1957年度には図書館の新設資金として毎年100万円を積み立てることとなったが、最低でも数千万円を要する建設費用の積み立てとしては少額すぎた{{sfn|新編岡崎市史 現代|1985|p=306}}。1965年度と1966年度の岡崎市議会では、ある議員が図書館は「寒々としていて哀れ（中略）刑務所の中という感じ」（旧岡崎商業高校時代）、「かつて軍部の手先として民衆をふるえ上がらせた“オイコラ”警察の感じ」（旧警察署時代）だとして、新図書館の建設を希求した{{sfn|新編岡崎市史 現代|1985|pp=307-308}}。

1970年（昭和45年）6月頃には[[明大寺町]]に新館を建設することが決定した{{sfn|新編岡崎市史 現代|1985|p=308}}。明大寺町は[[名古屋鉄道|名鉄]][[名鉄名古屋本線|名古屋本線]][[東岡崎駅]]の南に位置する文教地区であり、1912年の開館から半世紀以上を経て初めて名鉄名古屋本線以南に立地することとなった。この敷地には市立岡崎高等看護学院（現・[[岡崎市立看護専門学校]]）と岡崎市婦人会館があったが、それぞれ市立岡崎病院（現・[[岡崎市民病院]]）跡地と旧[[農林水産省]]種畜牧場内に移転している{{sfn|小林|2011|p=85}}。

==== 明大寺町時代（1971-2008） ====
{{建築物
|名称 = 明大寺町時代
|画像 = [[File:Okazaki City Art Museum 101208.jpg|center|250px]]
|画像説明 =
|設計者 =
|施工 =
|構造形式 = 鉄筋コンクリート造一部地下1階付地上3階建
|延床面積=2477 |延床面積ref= |延床面積備考=
|所在地郵便番号 =
|所在地 =愛知県岡崎市[[明大寺町]]字茶園11番地3
|緯度度 = |緯度分 = |緯度秒 =
|経度度 = |経度分 = |経度秒 =
|座標右上表示 =
|備考 =1階 : 新聞コーナー、ブラウジングコーナー、子ども図書室<br>2階 : 開架室、郷土・参考室<br>3階 : 閲覧室、会議室
}}

1970年12月18日から1971年10月28日に新館の建設工事が行われ、1971年（昭和46年）11月1日に明大寺町の新館が開館した{{sfn|新編岡崎市史 現代|1985|p=308}}{{sfn|図書館概要|2014|p=2}}。総工費は約4億円{{sfn|小林|2011|p=88}}。延床面積は2,477m<sup>2</sup>{{sfn|図書館概要|2014|p=2}}。戦前の図書館のイメージからレンガ造り風であり、三階建・二階建・平屋の3層という雛壇式の外観だった{{sfn|鈴木|2008|p=25}}。電動式書架を採用し、閲覧室の拡張を図り{{sfn|加藤|1981|p=149}}、開館にともなって図書館員は倍増の14人となっている{{sfn|鈴木|2012|p=19}}。翌1972年（昭和47年）には隣接地に[[岡崎市美術館]]が開館した。1976年度末には蔵書数が10万冊に達した{{sfn|鈴木|2012|p=19}}。

1977年（昭和52年）以降には、岩津市民センター（1977年）、六ッ美市民センター（1977年）、南部市民センター（1978年）、矢作市民センター（1978年）、東部市民センター（1979年）の各市民センターへの配本を開始し、さらに「太陽の城」（1979年）と「働く婦人会館」（1980年）にも配本を開始した{{sfn|鈴木|2012|p=20}}。1979年（昭和54年）には愛知県の図書館として初めてコンピュータシステムを導入{{sfn|鈴木|2012|p=20}}。1980年（昭和55年）の蔵書数は1971年の新館開館時の約2倍、貸出冊数は1971年の約30倍に達した{{sfn|新編岡崎市史 現代|1985|p=819}}。この背景には入館受付の廃止、開架の設置、館外貸出の簡素化、配本所や移動図書館などがある{{sfn|新編岡崎市史 現代|1985|p=819}}。

障害者向けのサービスとしては、1981年（昭和56年）には身体障害者向けに図書郵送貸出サービスを開始、1982年（昭和57年）には視覚障害者向けにカセットテープの貸出を開始、1985年（昭和60年）には点字図書の貸出を開始した{{sfn|図書館概要|2014|p=2}}。1987年（昭和62年）3月には[[鶴田卓池]]文庫を設置し、同年10月には[[菅江真澄]]文庫を設置。1988年（昭和63年）6月には大改修を行い、一般図書室と資料展示室に充てられていた2階を郷土・参考図書室、郷土資料室に充てられていた1階を一般閲覧室とした{{sfn|鈴木|2012|p=22}}。

1988年度（昭和63年度）から1992年度（平成4年度）までの5か年計画で、[[中日新聞]]・[[朝日新聞]]・[[毎日新聞]]・[[東海愛知新聞]]など4紙の過去40年分計436,000ページを[[光ディスク]]（[[マイクロフィルム]]とは異なる）化する作業を行った<ref name=chunichi19880423>「光ディスクで新聞保存 岡崎市立図書館が来月から入力作業」中日新聞, 1988年4月23日</ref>。1989年度からは愛知県内の公立図書館では初めて光ディスクの利用を開始している<ref name=chunichi19880423/>。1992年（平成4年）にはこども図書館と中学生閲覧室の間の壁を取り払い、中学生閲覧室を廃止してワンフロアのこども図書館とした{{sfn|鈴木|2012|p=22}}。1993年（平成5年）10月にはプレハブの書庫を増設している{{sfn|鈴木|2012|p=22}}。1996年（平成8年）10月1日から28日には改装工事のために休館し、コンピュータを導入{{sfn|図書館概要|2014|p=3}}<ref name=chunichi19961010>「図書の検索が簡単に 岡崎市図書館 利用者用の端末機導入」中日新聞, 1996年10月10日</ref>。この際には館内のレイアウトを大幅に変更しており、レファレンスカウンターや返却ポストを設置している{{sfn|鈴木|2012|p=23}}。相互貸借サービスを開始したのはこの頃であり、1997年4月にはビデオテープの貸出を開始した{{sfn|鈴木|2012|p=23}}。1999年1月には図書館の公式ウェブサイトを開設、2002年にはインターネット蔵書検索・予約システム([[OPAC]])の運用を開始した{{sfn|鈴木|2012|p=23}}。

===== 移転に向けた動き =====
明大寺町の図書館も徐々に手狭になり、再移転が議論されるようになった。2000年には「岡崎市図書館基本構想」が策定され、岡崎公園のグラウンド跡地が建設地に盛り込まれた<ref name=chunichi20010131>「岡崎市新図書館 康生通西地区に変更へ グラウンド跡地 駐車場めどつかず」中日新聞, 2001年1月31日</ref>。しかし、駐車場の建設費が莫大になることが判明したり、発掘調査で江戸時代の石垣など岡崎城の遺構が発掘されたことで、図書館の建設地としては不適当とされた<ref name=chunichi20010131/>。そこで、[[岡崎郵便局]]移転後に跡地の利用方法が議論されていた康生通西4丁目が移転先として有力視されるようになり、建設場所を康生通西4丁目とした<ref name=chunichi20010131/>。1992年に開始された岡崎市図書館建設基金は最終的に35億円となり、1987年に開始された岡崎市構成地区拠点整備基金は15億円となっていた{{sfn|山田|2008-12|p=18}}。これによって岡崎市立図書館は再び名鉄以北に戻ることとなっている。

2004年（平成16年）3月には岡崎市新図書館基本計画が策定され、2005年（平成17年）3月には新図書館を核とする康生地区拠点整備基本設計が策定された。2006年（平成18年）4月には複合文化施設「[[岡崎市図書館交流プラザ]]」の実施設計が策定され、2006年6月28日に着工された{{sfn|鈴木|2012|p=24}}。この間の2005年1月1日には岡崎市が額田郡[[額田町]]を編入合併し、岡崎市立図書館は'''岡崎市立中央図書館'''に改称されている。2004年度から開館までの4年間には市民参加型のワークショップが25回開催され{{sfn|山田|2008-12|p=16}}、建築家であり都市計画の専門家である[[延藤安弘]]（[[愛知産業大学]]教授）がワークショップの指導を行った<ref>[http://www.tkbc.jp/42_libra.html 岡崎市図書館交流プラザLibra] 第42回中部建築賞</ref>。「おかざき図書館倶楽部」は2001年（平成13年）頃から活動を行い、「図書館まつり」、「学校読み聞かせボランティア交流会」、「調べ学習講座」などを企画して図書館とともに運営した{{sfn|山田|2008-12|p=20}}。りぶら開館後には「りぶらサポータークラブ」に改称し{{sfn|山田|2008-12|p=14}}、「図書館まつり」「連続講演会」「講座」などを企画している。

==== 岡崎市図書館交流プラザ時代（2008-） ====
{{建築物
|名称 = 岡崎市図書館交流プラザ時代
|画像 = [[File:Libra Okazaki ac (1).jpg|center|250px]]
|画像説明 =
|設計者 =
|施工 =
|構造形式 = 鉄筋コンクリート造 地上3階建
|延床面積=7895 |延床面積ref= |延床面積備考=
|所在地郵便番号 =
|所在地 =愛知県岡崎市[[康生通西]]4丁目71
|緯度度 = |緯度分 = |緯度秒 =
|経度度 = |経度分 = |経度秒 =
|座標右上表示 =
|備考 =
}}

{{bar box
|title=移転ごとの延床面積の変遷
|titlebar=#DDD
|left1=移転年
|right2=m<sup>2</sup>
|width=280px
|float=left
|bars=
{{bar percent|1912 常福院|orange|2.1|170}}
{{bar percent|1923 岡崎公園|orange|6.5|513}}
{{bar percent|1947 旧演舞場|orange|3.5|279}}
{{bar percent|1962 旧商業高校|orange|12|916}}
{{bar percent|1966 旧警察署|orange|11|891}}
{{bar percent|1971 明大寺町|orange|31|2,477}}
{{bar percent|2008 りぶら|orange|100|7,895}}
}}
2008年（平成20年）9月1日には新館開館準備のために明大寺町の図書館が閉館。11月1日に図書館交流プラザ内に中央図書館が開館した{{sfn|図書館概要|2014|p=5}}。移転によって延床面積は2,477m<sup>2</sup>から7,895m<sup>2</sup>と約3倍に拡大し、約10万冊を新規購入したことで蔵書数は約60万冊に増加した{{sfn|山田|2008-12|p=17}}。公募によって決定した愛称「Libra」（りぶら）は、Library（図書館）とLiberty（自由）を組み合わせた造語である<ref name=chunichi20061108>「愛称は『Libra』 岡崎で建設中の図書館交流プラザ 地元の板倉さん命名」中日新聞, 2006年11月18日</ref>。

開館後の3日間だけで約4万人が訪れ、約2,500人が利用者カードの申請を行うとともに、36,000冊が貸し出された{{sfn|山田|2008-12|pp=17-18}}。2階の「ポピュラーライブラリー」と子ども図書室は貸出数が多すぎて書架がガラガーラになってしまったという{{sfn|山田|2008-12|p=17}}。開館後の1か月間に165,133人（1日平均6,351人）が利用し、月間目標84,000人の2倍近くとなる滑り出しを見せた<ref name=chunichi20081202>「来館 延べ16万5133人 岡崎 りぶら 開館1カ月 目標の倍」中日新聞, 2008年12月2日</ref>。旧館時代から中高生の自習室利用が多かったため、移転後も中高生を締め出すことはしないという方針を設けている{{sfn|山田|2008-12|p=17}}。なお、明大寺町の旧中央図書館は隣接する岡崎市美術館の第5展示室と第6展示室に生まれ変わっている<ref>「岡崎市美術館 旧中央図書館の建物改装 展示室2つ新設 オープン記念 今日から写真展2つ」中日新聞, 2009年6月3日</ref>。

2010年（平成22年）3月から4月には、図書館の蔵書検索システム([[OPAC]])が閲覧しづらくなる現象が発生。図書館は警察に被害届を提出し、5月25日には[[サイバー攻撃]]を仕掛けたとして利用者の一人が逮捕された。この利用者は[[起訴猶予処分]]となったが、利用者側にサイバー攻撃の意図はなく、根本的な原因がシステムの不具合にあったことから論議を呼んだ。9月には図書館が公式見解を発表し、2011年2月には図書館とこの利用者の和解が成立している。この事件はLibrahack（りぶらはっく）事件または[[岡崎市立中央図書館事件]]と呼ばれている。

2010年9月には、蔵書検索システムを手がけた業者のミスによって、図書館利用者の利用状況および個人情報185件（159人分）が流出していたことが判明<ref>「中日新聞」2010年9月28日, p.12</ref><ref>[http://ebino.uxt.cknet.co.jp/TOSHOW/index.asp 平成22年11月30日の個人情報流出についてのお詫び] えびの市民図書館の調査結果, 2010年11月30日</ref>。岡崎市は管理を委託していた[[三菱電機インフォメーションシステムズ]](MDIS)に対して翌年からの契約解除を発表し、MDISも契約更新を辞退した<ref>「朝日新聞」 2010年11月26日名古屋本社版夕刊、2社 6頁、[http://twitter.com/kanda_daisuke/status/8067320454840320 本事件を調査報道した神田大介によるTwitter上の発言(2010.11.26)]</ref>。2012年（平成24年）には開館100周年を迎えた。愛知県の公立図書館としては[[津島市立図書館]]に次いで2番目である{{sfn|鈴木|2012|p=25}}。2014年（平成26年）7月1日からは三河地方では初めて<!--名古屋市鶴舞中央図書館などではすでに導入されていた-->[[国立国会図書館デジタルコレクション]]の閲覧が可能になった<ref name=chunichi20140624>「国会図書館資料閲覧OK 来月から岡崎市中央図書館」中日新聞, 2014年6月24日</ref>。

=== 特色 ===
==== 眺望線 ====
[[File:岡崎市のビスタライン説明図.png|thumb|left|「ビスタライン」と岡崎市図書館交流プラザの関係]]

岡崎の町には古くから、「[[徳川家]]の[[菩提寺]]である[[大樹寺]]から[[岡崎城]]に対する眺望を遮ってはならない」とする不文律がある<ref name=chunichi20030320>「徳川家ぼだい寺 3キロ先の岡崎城 眺望を遮ってはならんぞよ 文化施設は一部低層に」中日新聞, 2003年3月20日</ref>。寛永18年（1641年）に[[徳川家光]]が大樹寺山門や総門を建ててから約370年間、法律や条例などの規制がない中で不文律が維持されており、大樹寺と岡崎城の間の約3kmに眺望を遮る4階建以上の建築物が建設されたことはなかった<ref name=chunichi20030320/>。

岡崎市図書館交流プラザはこの「ビスタライン」[http://www.city.okazaki.aichi.jp/1100/1110/1169/p006107.html]（眺望線）上にあるため、大規模複合施設としては低層の2階建で建設された。岡崎市図書館交流プラザに隣接して31階建・高さ105mの「岡崎タワーレジデンス」（岡崎市最高層）があるが、この超高層マンションは「ビスタライン」をわずかにそれている。

2010年（平成22年）11月には岡崎げんき館で[[ブックスタート]]事業を開始し、岡崎市内の乳児全員に絵本を贈っている<ref name=chunichi20100603>「岡崎でブックスタート事業 乳児全員に絵本を 市中央図書館が11月から贈呈 親子の対話に生かして」中日新聞, 2009年6月3日</ref>。ポリオワクチンの予防接種会場でもある同館で、岡崎市出身の絵本作家である[[瀬川康男]]が絵を担当した『いないいないばあ』（[[松谷みよ子]]作）を贈っている<ref name=chunichi20100603/>。
{{-}}

==== 郷土資料 ====
[[File:Libra Okazaki mukashi-kan ac.jpg|thumb|岡崎むかし館]]

岡崎市ゆかりの人物の郷土資料が充実しており、[[徳川家康]]（岡崎出身の武将）、[[菅江真澄]]（岡崎で活躍した国学者）、[[鶴田卓池]]（岡崎出身の俳人）の3人については個別の文庫が設置されている{{sfn|図書館概要|2014|pp=14-15}}。2008年に岡崎市図書館交流プラザが開館すると、これらの特殊文庫は「岡崎学」コーナーに設置されている{{sfn|小林|2011|pp=132-133}}。

1965年（昭和40年）には「家康公350年祭」を記念し、岡崎ロータリークラブからの寄付金を元に家康文庫を設置{{sfn|小林|2011|pp=132-133}}。ロータリークラブからはその後も毎年寄付を受け、家康文庫を拡張させていった{{sfn|小林|2011|pp=132-133}}。1975年度（昭和50年度）末の家康文庫は663点だったが{{sfn|小林|2011|pp=132-133}}、2007年度（平成19年度）末には2,744点、2014年（平成26年）時点では約3,900点となっている{{sfn|図書館概要|2014|pp=14-15}}。直接家康に言及している文献以外にも、家康が生きた時代などに関する幅広い分野の文献を揃えている{{sfn|図書館概要|2014|pp=14-15}}。1986年（昭和61年）には郷土史家の内田武志から菅江真澄に関する文献の寄贈を受け、1987年（昭和62年）から複製製本した菅江文庫として公開している{{sfn|図書館概要|2014|pp=14-15}}。さらには同年に寄贈または寄託された鶴田卓池に関する文献を中心として、鶴田文庫として書籍・短冊・軸物・粉本・屏風など265点の資料を所蔵している{{sfn|図書館概要|2014|pp=14-15}}。

岡崎市図書館交流プラザ内には歴史資料展示室「岡崎むかし館」がある{{sfn|図書館概要|2014|pp=19-20}}。小中学生の郷土学習に重点を置いており、岡崎出身の偉人、岡崎の歴史、岡崎の文化をまとめている{{sfn|図書館概要|2014|pp=19-20}}。

==== 視聴覚資料 ====
[[File:Libra Okazaki Osamu Uchida Jazz Collection ac (1).jpg|thumb|left|内田修ジャズコレクション展示室]]

岡崎市は[[NHK]]と協力して、過去の岡崎市を伝える映像「りぶら映像アーカイブス」を公開している{{sfn|図書館概要|2014|p=17}}。2013年（平成25年）末時点で280点の映像が公開されており、これらは岡崎市図書館交流プラザでしか見ることができない{{sfn|図書館概要|2014|p=17}}。

岡崎市は「ジャズの町」を謳っている。岡崎市図書館交流プラザ内には「内田修ジャズコレクション展示室」があり、ジャズ界では世界有数のコレクションだとされている{{sfn|図書館概要|2014|p=18}}。このコレクションは岡崎市に生まれ育ったジャズ愛好家の[[内田修]]によって1993年（平成5年）に寄贈されたものであり、レコード、プライベートテープ、書籍、オーディオなどからなる{{sfn|図書館概要|2014|p=18}}。
{{-}}
== 額田図書館 ==
{{図書館
|名称 = 岡崎市立額田図書館
|英名 =
|画像 = [[File:Okazaki-City-Nukata-Library-1.jpg|280px]]
|画像説明 =
|正式名称 =
|愛称 =
|前身 = 額田町立図書館
|専門分野 =
|事業主体 =
|管理運営 =
|建物設計 =
|延床面積 = 562
|開館 = 1977年3月1日
|閉館 =
|所在地郵便番号 = 444-3622
|所在地 = 岡崎市[[樫山町]]字山ノ神10番地1
|緯度度 = 34 |緯度分 = 55 |緯度秒 = 08.0
|経度度 = 137 |経度分 = 17 |経度秒 = 32.1
|年運営費 = |年運営費年 =
|条例 =
|館長 =
|職員数 =
|公式サイト =
|備考 =
}}

{|class="wikitable" style="font-size:smaller"
|-
| 1階 || 新聞雑誌コーナー、ブラウジングルーム、飲食コーナー、<br>子ども図書室、閉架書庫、事務室、開架室、郷土・参考室
|-
| 2階 || 閲覧室、会議室
|}

=== 歴史 ===
[[File:Okazaki City Nukata Branch Office 3.jpg|thumb|left|額田図書館に隣接する額田支所]]

1956年（昭和31年）に4村が合併して[[額田郡]][[額田町]]が成立し、50年後の2006年（平成18年）に岡崎市に編入されて廃止されている。1977年（昭和52年）以前の額田町には愛知県が運営する移動図書館（年4回）や各学校の学校図書館しかなく、町民は文化施設の充実を訴えてきた<ref name=chunichi19760624>「額田町に初の図書館 町役場の東側 来春開館をめざす」中日新聞, 1976年6月24日</ref>。

額田町は[[通産省]]の工業再配置促進補助事業の助成金を主な財源として、額田町役場東側に'''額田町立図書館'''を建設<ref name=chunichi19760624/>。1976年（昭和51年）9月1日に着工、1977年1月31日に竣工し、3月1日に竣工記念式典を行って同日に開館した{{sfn|額田町史|1986|p=842}}。建設工事費は3,300万円、総工費は4,500万円<ref name=chunichi19760624/>。建物は鉄筋コンクリート造2階建であり、延床面積は322m<sup>2</sup><ref name=kouhou156-5>『広報ぬかた』156号, 1977年4月, p.5</ref>。閲覧室と視聴覚室を有し、建物の中央部にはホールがあった<ref name=kouhou156-5>『広報ぬかた』156号, 1977年4月, p.5</ref>。視聴覚室には16mm映写機・8mm映写機・スライド投影機・テレビVTR・テレビカメラステレオなどがあり<ref name=kouhou156-5/>、16mm映画58本、8mm映画122本を備えていた<ref name=1977riyouannai>1977年頃発行の『額田町立図書館 利用案内』による。</ref>。

愛知県では6番目の町立図書館であり、開館時には4,969冊を所蔵した{{sfn|額田町史|1986|p=842}}{{sfn|額田町立図書館|1993|p=1}}。開館月の1977年3月には約1,700人が利用。開館当初は利用者の傾向を把握するために年齢と校区を申告する必要があった。貴重図書や辞典類以外に定価2,000円以上は館外貸出することができず、資料の複写は1枚100円だった<ref name=1977riyouannai/>。

<div style="float:left; width:33%;">
{| class="wikitable"
|-
| 『'''額田町立図書館 利用案内'''』（1977年）<br>
* 休館日 : 毎週月曜日<br>
* 開館時間 : 9:00-17:00<br>
* 館外貸出対象者 : 額田町在住・在勤者<br>
* 貸出冊数・期間 : 最大2冊・最大14日間<br>
* 複写代金 : 1枚100円<br>
* 土足不可、ロビーは喫煙可能
|}
</div><div style="float:left; width:33%;">
{| class="wikitable"
|-
| 『'''額田町立図書館 利用案内'''』（1984年頃）<br>
* 休館日 : 毎週月曜日<br>
* 開館時間 : 9:00-17:00<br>
* 貸出冊数・期間 : 最大2冊・最大14日間<br>
* 複写代金 : 1枚50円
|}
</div><div style="float:left; width:33%;">
{| class="wikitable"
|-
| 『'''額田町立図書館 利用案内'''』（1996年）<br>
* 休館日 : 毎週月曜日<br>
* 開館時間 : 9:00-17:00<br>
* 館外貸出対象者 : 額田町在住・在勤・在学者<br>
* 貸出冊数・期間 : 最大3冊・最大14日間<br>
* 複写代金 : 1枚20円<br>
* 図書の検索機は存在せず
|}
</div><br clear="all">

所蔵冊数は年間2,000冊程度増加、1981年度（昭和56年度）末の所蔵冊数は24,112冊となり、貸出冊数は1977年度の2.9倍となった{{sfn|額田町史|1986|p=842}}。1981年度と1982年度（昭和57年度）の2年間には、学習院大学教授の[[鈴木鎌一郎]]（額田町出身）から計200万円が寄付され、約500冊の図書からなる鈴木鎌一郎文庫が設置された{{sfn|額田町史|1986|p=844}}。1984年（昭和59年）の蔵書数は24,112冊であり、1人あたり年間貸出冊数は2.31冊だった{{sfn|額田町史|1986|p=843}}。1984年頃の『額田町立図書館 利用案内』によると、複写代金は1枚50円だった<ref name=1984riyouannai>1984年頃発行の『額田町立図書館 利用案内』による。</ref>。この時期に購読していた主な新聞・雑誌として、[[中日新聞]]（朝刊・夕刊）、[[中日スポーツ]]、[[朝日新聞]]、[[毎日新聞]]、[[日本経済新聞]]、『[[旅 (雑誌)|旅]]』、『農耕と園芸』、『[[文藝春秋]]』、『[[暮らしの手帖]]』、『[[ミセス (雑誌)|ミセス]]』、『時刻表』、『[[子供の科学]]』、『[[こどものとも]]』、『[[アサヒグラフ]]』、『[[ホリデーオート]]』などがあった<ref name=1984riyouannai/>。

1990年度（平成2年度）には書庫に閉架が設けられ、1991年度には児童室の隣に新聞庫が設けられた{{sfn|額田町立図書館|1993|p=2}}。1991年度（平成3年度）の貸出冊数は28,990冊であり、施設別貸出状況は、額田町立図書館が、23,788冊、各支所が2,684冊、各小学校が2,518冊だった{{sfn|額田町立図書館|1993|p=19}}。1991年度の1日あたり貸出利用者数は43.5人であり、1日あたり貸出冊数は85.6冊だった{{sfn|額田町立図書館|1993|p=20}}。

1993年度（平成5年度）時点の蔵書数は一般書が28,025冊、児童書が10,671冊、郷土資料が1,313冊で、計40,009冊だった{{sfn|額田町立図書館|1993|p=3}}。このほかに紙芝居914巻、テープ100本、雑誌30種類を揃えていた{{sfn|額田町立図書館|1993|p=3}}。1993年時点で購読していた雑誌には、『美しい部屋』、『[[with (雑誌)|with]]』、『[[オレンジページ]]』、『[[家庭画報]]』、『[[きょうの健康]]』、『[[きょうの料理]]』、『暮らしの手帖』、『[[趣味の園芸]]』、『[[SCREEN (雑誌)|SCREEN]]』、『ディズニー』、『ニューハウス』、『フォト』、『[[婦人公論]]』、『[[文芸春秋]]』、『[[平凡社|別冊太陽]]』、『[[MOE (雑誌)|MOE]]』、『[[よいこ (雑誌)|よいこ]]』、『[[LEE (雑誌)|LEE]]』、『[[るるぶ]]』、『[[モーターマガジン]]』、『フィーメイル』、『[[プレジデント社|プレジデント]]』、『時刻表』、『[[マネージャパン]]』、『[[Sports Graphic Number]]』、『フィシュオン』、『[[non-no]]』、『[[おしゃれ工房|新・婦人百科]]』、『[[クロワッサン (雑誌)|クロワッサン]]』、『[[ぴあ]]』、『[[たくさんのふしぎ]]』があった{{sfn|額田町立図書館|1993|p=3}}。1996年の『額田町立図書館 利用案内』によると、複写代金は1枚20円だった<ref name=1996riyouannai/>。

開館時に視聴覚室だった部屋は、1980年（昭和55年）5月に額田町史編集室に模様替えされ、1987年度（昭和62年）に児童館に模様替えされた{{sfn|額田町立図書館|1993|p=2}}。2005年（平成17年）に額田町が岡崎市と合併すると、額田町立図書館は'''岡崎市立額田図書館'''に改称された。

=== 配本所 ===
[[File:Katano Elementary School, in Okazaki City.JPG|thumb|配本所が設置されていた[[岡崎市立形埜小学校]]]]

1978年度（昭和53年度）には[[形埜村|形埜支所]]に、1981年度（昭和56年度）には[[宮崎村 (愛知県額田郡)|宮崎支所]]と[[下山村 (愛知県額田郡)|下山支所]]に配本所を設置し、常時250冊を設置して毎月図書の入れ替えを行った{{sfn|額田町史|1986|p=843}}。1983年（昭和58年）には[[岡崎市立形埜小学校|額田町立形埜小学校]]・[[岡崎市立宮崎小学校|額田町立宮崎小学校]]・[[岡崎市立下山小学校|額田町立下山小学校]]の町内3小学校に巡回文庫（移動図書館ではない）を設置し、年4回入れ替えを行った{{sfn|額田町史|1986|p=843}}<ref name=1996riyouannai>1996年頃発行の『額田町立図書館 利用案内』による。</ref>。

* 各支所{{sfn|額田町立図書館|1993|p=2}}
** 図書250冊（教養60冊・文学90冊・児童書100冊）、紙芝居20巻
** 年12回（毎月中旬）入れ替え
* 各小学校{{sfn|額田町立図書館|1993|p=2}}
** 図書150冊（教養30冊・文学30冊・児童書90冊）
** 年4回（3・6・9・12月）入れ替え

== 移動図書館 ==
1975年（昭和50年）、岡崎市立図書館は[[移動図書館]]用の車両を購入し、「みどり号」と名付けて市内の小学校などへの巡回を開始した{{sfn|図書館概要|2014|p=2}}。1981年（昭和56年）には2台目の移動図書館用車両を購入し、巡回場所を37か所に拡張した{{sfn|鈴木|2012|p=21}}。1983年（昭和58年）には「みどり号」の車両を更新し、名称を「あおい号」に変更している{{sfn|鈴木|2012|p=21}}。1991年（平成3年）には移動図書館用車両1台を更新した{{sfn|図書館概要|2014|p=3}}。2006年（平成18年）には移動図書館用車両1台を電動リフト付きの車両に更新した{{sfn|図書館概要|2014|p=5}}。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
{{reflist|2}}
{{reflist|2}}


== 参考文献 ==
== 文献 ==
=== 事業年報 ===
* 新編岡崎市史編集委員会編『新編 岡崎市史』 岡崎市。
* {{Citation
* 『岡崎市の図書館概要 平成21年度版』 岡崎市立中央図書館、2009年。[http://www.library.okazaki.aichi.jp/?action=common_download_main&upload_id=549]
|author=岡崎市立図書館
* 『岡崎市の図書館概要 平成27年度版』 岡崎市立中央図書館、2015年。[http://www.library.okazaki.aichi.jp/?action=common_download_main&upload_id=2425]
|title=図書館の概要 昭和61年度
|publisher=岡崎市立図書館
|year=1986
|ref={{sfnref|図書館概要|1986}}
}}
* {{Citation
|author=岡崎市立図書館
|title=図書館の概要 昭和62年度
|publisher=岡崎市立図書館
|year=1987
|ref={{sfnref|図書館概要|1987}}
}}
* {{Citation
|author=岡崎市立中央図書館
|title=岡崎市の図書館概要 平成19年度版
|publisher=岡崎市立中央図書館
|year=2007
|ref={{sfnref|図書館概要|2007}}
}}
<!--* {{Citation
|author=岡崎市立中央図書館
|title=岡崎市の図書館概要 平成20年度版
|publisher=岡崎市立中央図書館
|year=2008
|ref={{sfnref|図書館概要|2008}}
}}
* {{Citation
|author=岡崎市立中央図書館
|title=岡崎市の図書館概要 平成21年度版
|publisher=岡崎市立中央図書館
|year=2009
|ref={{sfnref|図書館概要|2009}}
}}
* {{Citation
|author=岡崎市立中央図書館
|title=岡崎市の図書館概要 平成22年度版
|publisher=岡崎市立中央図書館
|year=2010
|ref={{sfnref|図書館概要|2010}}
}}
* {{Citation
|author=岡崎市立中央図書館
|title=岡崎市の図書館概要 平成23年度版
|publisher=岡崎市立中央図書館
|year=2011
|url=http://www.library.okazaki.aichi.jp/?action=common_download_main&upload_id=547
|ref={{sfnref|図書館概要|2011}}
}}
* {{Citation
|author=岡崎市立中央図書館
|title=岡崎市の図書館概要 平成24年度版
|publisher=岡崎市立中央図書館
|year=2012
|url=http://www.library.okazaki.aichi.jp/?action=common_download_main&upload_id=1190
|ref={{sfnref|図書館概要|2012}}
}}
* {{Citation
|author=岡崎市立中央図書館
|title=岡崎市の図書館概要 平成25年度版
|publisher=岡崎市立中央図書館
|year=2013
|url=http://www.library.okazaki.aichi.jp/?action=common_download_main&upload_id=1189
|ref={{sfnref|図書館概要|2013}}
}}-->
* {{Citation
|author=岡崎市立中央図書館
|title=岡崎市の図書館概要 平成26年度版
|publisher=岡崎市立中央図書館
|year=2014
|url=http://www.library.okazaki.aichi.jp/?action=common_download_main&upload_id=2383
|ref={{sfnref|図書館概要|2014}}
}}
* {{Citation
|author=岡崎市立中央図書館
|title=岡崎市の図書館概要 平成27年度版
|publisher=岡崎市立中央図書館
|year=2015
|url=http://www.library.okazaki.aichi.jp/?action=common_download_main&upload_id=2425
|ref={{sfnref|図書館概要|2015}}
}}
* {{Citation
|author=額田町立図書館
|title=図書館の概要 1993年
|publisher=額田町立図書館
|year=1993
|url=
|ref=harv
}}

=== 書籍・雑誌 ===
* {{cite book
|author=
|title=愛知県下公私立図書館記念写真帖
|publisher=愛知県図書館協会
|year=1927
|ref={{sfnref|愛知県図書館協会|1927}}
}}
* {{cite book
|last=加藤 |first=三郎
|title=愛知県図書館史年表資料考察: 愛知県における図書館のあゆみ
|publisher=中部図書館学会
|year=1981
|ref=harv
}}
* {{cite book
|last=小林 |first=清司
|title=愛知県 岡崎市立図書館のあゆみ（資料集）
|publisher=自費出版
|year=2011
|ref=harv
}}<!--※小林清司氏は2011年7月に『愛知県 岡崎市立図書館のあゆみ（資料集）』を刊行。2011年11月には『愛知県 岡崎市立図書館のあゆみ（資料集）増補版』（173p＋10p）を刊行し、2014年には『愛知県 岡崎市立図書館のあゆみ（資料集）新編集私家版』（220p＋10p）を刊行しています。-->
* {{Cite book
|author=新編岡崎市史編集委員会
|title=新編岡崎市史 現代
|publisher=岡崎市
|year=1985
|ref={{sfnref|新編岡崎市史 現代|1985}}
}}
* {{Cite book
|author=新編岡崎市史編集委員会
|title=新編岡崎市史 近代
|publisher=岡崎市
|year=1991
|ref={{sfnref|新編岡崎市史 近代|1991}}
}}
* {{cite book
|last=鈴木 |first=素夫
|title=旧岡崎図書館の面影を訪ねて: 岡崎市立図書館小史 百年の歩み
|publisher=自費出版
|year=2008
|ref=harv
}}
* {{cite book
|last=鈴木 |first=素夫
|title=岡崎図書館百年史 年表: 1912-2012
|publisher=自費出版
|year=2012
|ref=harv
}}
* {{Cite book
|author=
|title=岡崎の人物史
|publisher=岡崎の人物史編集委員会
|year=1979
|ref={{sfnref|岡崎の人物史編集委員会|1979}}
}}
* {{Cite book
|author=額田町史編集委員会
|title=額田町史
|publisher=額田町
|year=1986
|ref={{sfnref|額田町史|1986}}
}}
* {{Citation
|last=山田 |first=万知代
|title=蓄積と協働 岡崎市立中央図書館のこれから
|journal=あうる
|volume=
|issue=86
|publisher=NPO図書館の学校
|year=2008-12, 2009-01
|ref={{sfnref|山田|2008-12}}
}}

* {{Citation
|author=
|title=岡崎市立図書館・岡崎市美術館
|journal=新建築
|publisher=新建築社
|volume=47
|issue=9
|pages=193-204
|year=1972-09
|ref={{sfnref|新建築|1972}}
}}
* {{Citation
|author=
|title=岡崎市図書館交流プラザ「Libra」--佐藤総合・千里建築設計特定設計業務共同企業体
|journal=近代建築
|publisher=近代建築社
|volume=62
|issue=4
|pages=105-109
|year=2008-04
|ref={{sfnref|近代建築|2008}}
}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{commonscat|Okazaki City Library|岡崎市立図書館}}
{{commonscat|Okazaki City Library and Community Plaza|岡崎市図書館交流プラザ}}
* [[岡崎市図書館交流プラザ]]
* [[岡崎市図書館交流プラザ]]
* [[岡崎市立中央図書館事件]]
* [[岡崎市立中央図書館事件]]（Librahack事件）
* [[愛知県の図書館一覧]]
* [[愛知県の図書館一覧]]


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
* [http://www.library.okazaki.aichi.jp/index.php 岡崎市立中央図書館ポータル]
* {{official|http://www.library.okazaki.aichi.jp/index.php}}
* {{twitter|okazaki_tosyo}}


{{DEFAULTSORT:おかさきしりつちゆうおうとしよかん}}
{{DEFAULTSORT:おかさきしりつちゆうおうとしよかん}}

2016年7月16日 (土) 03:25時点における版

岡崎市立図書館
施設情報
前身 岡崎町立通俗図書館
事業主体 岡崎市
管理運営 岡崎市
開館 1912年（大正元年）8月5日
所在地
岡崎市立中央図書館の位置（愛知県内）
中央
額田
額田
ISIL JP-1001933
統計情報
蔵書数 928,696冊（2014年度[2]時点）
貸出数 2,427,668冊（2014年度[3]）
来館者数 1,265,666人[1]（2014年度[4]）
貸出者数 542,234人（2014年度[5]）
条例 岡崎市立図書館条例
公式サイト http://www.library.okazaki.aichi.jp
地図
地図
プロジェクト:GLAM - プロジェクト:図書館
テンプレートを表示

岡崎市立図書館（おかざきしりつとしょかん）は、愛知県岡崎市の公共図書館である。旧岡崎市は2005年に額田郡額田町と合併して新岡崎市となった。岡崎市立図書館は旧岡崎市域の康生通西にある岡崎市立中央図書館、旧額田町域の樫山町にある岡崎市立額田図書館の2館からなる。

利用案内

岡崎市立図書館の概要
名称 延床面積
(m2)		 蔵書数
(冊)		 貸出数
(冊)		 開館日
中央図書館[2] 7,895 712,596 1,855,786 2008年11月1日
額田図書館[2] 562 47,096 38,980 1977年3月1日
その他[6] 169,004 532,902
合計 928,696 2,427,668
  • 休館日
    • 水曜日、特別整理期間、年末年始
  • 開館時間
    • 中央図書館 : 9:00-21:00
    • 額田図書館 : 9:00-17:00
  • 貸出規則
    • 貸出対象者 : 愛知県内に在住・在勤・在学の者
    • 貸出冊数 : 図書は最大10点、視聴覚資料は最大5点
    • 貸出期間 : 最大14日間
岡崎市立中央図書館の位置（愛知県内）
旧岡崎市
旧岡崎市
幸田町
幸田町
額田町
額田町
旧豊田市
旧豊田市
安城市
安城市
西尾市
西尾市
蒲郡市
蒲郡市
音羽町
音羽町
下山村
下山村
2008年までの館外貸出可能者の変遷
旧岡崎市
1997年の拡大自治体
2000年の拡大自治体

岡崎市立図書館は1979年（昭和54年）に最大貸出冊数を2冊から5冊に増やし、1982年（昭和57年）には5冊から3冊に減らしたものの、1985年（昭和60年）には再び5冊に増やし、1998年（平成10年）には10冊に増やした[7]。2008年（平成20年）には図書10冊・視聴覚資料5冊となった[8]。額田町立図書館は最大2冊の時代が長かったものの、1996年（平成8年）以前には最大3冊となっている。岡崎市と額田町が合併すると、貸出冊数と貸出期間は岡崎市の規則に揃えられた。

1997年（平成9年）までの館外貸出可能者は岡崎市内の在住・在勤・在学者だけだったものの、1997年には岡崎市・額田郡幸田町・額田郡額田町の3自治体の相互利用が開始され[9]、幸田町・額田町の在住・在勤・在学者にも拡大された[10]。2000年には豊田市・安城市・西尾市・蒲郡市・宝飯郡音羽町・東加茂郡下山村の在住・在勤・在学者も館外貸出が可能となった[11]。2008年には館外貸出可能者が愛知県全域の在住・在勤・在学者に拡大された[12]。

額田町立図書館の複写代金は開館した1977年時点では1枚100円だったが、その後1枚50円、1枚20円と段階的に減額された。岡崎市立図書館の資料複写代金は1995年（平成7年）に1枚30円から1枚20円に減額され、2000年（平成12年）には1枚10円となった[13]。

2000年には岡崎市立図書館が祝日開館を開始[11]。2003年（平成15年）には平日の開館時間が17時までから19時までに延長された[11]。市町村合併後の2006年（平成18年）には額田図書館の祝日開館を開始した[12]。2008年に岡崎市図書館交流プラザ（りぶら）が開館すると、中央図書館は開館時間が9時から21時、額田図書館は開館時間が9時から17時までとなった[12]。岡崎市立図書館の休館日は明大寺町時代は月曜日だったが、2008年の岡崎市図書館交流プラザ移転後には水曜日となった。

沿革

情報ライブラリーがある若宮町の岡崎げんき館
岡崎市立図書館/岡崎市立中央図書館
額田町立図書館/岡崎市立額田図書館

中央図書館

岡崎市立中央図書館
施設情報
所在地 〒444-0052
愛知県岡崎市康生通西4丁目71番地
位置 北緯34度57分33.85秒 東経137度9分33.12秒 / 北緯34.9594028度 東経137.1592000度 / 34.9594028; 137.1592000座標: 北緯34度57分33.85秒 東経137度9分33.12秒 / 北緯34.9594028度 東経137.1592000度 / 34.9594028; 137.1592000
ISIL JP-1001933
公式サイト http://www.library.okazaki.aichi.jp
地図
地図
プロジェクト:GLAM - プロジェクト:図書館
テンプレートを表示

施設案内

地下1階 自動出納書庫
1階 「レファレンスライブラリー」 地域資料、参考図書、専門雑誌、インターネット席（16席）、データベース席（4席）、持ち込みパソコン利用席（18席）、研究個室（5室）、グループ室（1室）、閲覧席190席
2階 「ポピュラーライブラリー」 視聴覚ブース、新聞雑誌コーナー、ティーンズコーナー、外国語資料コーナー、グループ室（2室）、点字図書、録音資料、対面朗読室（2室）、おはなしのへや、閲覧席430席
「こども図書室」 閲覧席80席
「岡崎市図書館交流プラザ」も参照

岡崎市立中央図書館は康生通西にある複合型文化施設「岡崎市図書館交流プラザ」（りぶら）の中核施設であり、地上2階から地下1階の3フロアの一部を使用している。2011年度の蔵書数は図書が629,933冊、視聴覚資料が22,888点、計652,821冊である。収容可能冊数は開架31万5千冊、書庫64万冊、計100万冊である。中央図書館長は額田図書館長も兼務し、中央図書館は額田図書館の管理運営及び自動車文庫の運営を行っている。このほか、9か所にある地域図書室と連絡し、運営を支援している。2008年の岡崎市図書館交流プラザ開館と同時に、岡崎市立中央図書館の窓口業務は民間に委託されている[14]。

岡崎市図書館交流プラザの建物全体の建設費は約100億円[15]。開架に31万5000冊、書庫に64万冊、その他に4万5000冊、計100万冊を収容できる[15]。各階のステーションから地下1階の自動出納書庫の操作を行うと、任意の書籍が自動で書庫から搬出される[16]。1階は地域資料など専門性の高い図書を集めた「レファレンスライブラリー」、2階は新聞・雑誌や一般向け図書を集めた「ポピュラーライブラリー」として区分されている[14]。南側からの直射日光を避け、北側からの安定した採光を行うために[17]、図書館部分は建物全体の北側2/3に集められている。紫外線を避けるために、主要なガラスにはLow-E複層ガラスを採用している[17]。東面と西面は全面をカーテンウォールとし、電動ロールブラインドによって遮光制御を容易にしている[17]。照明は書架の間隔に合わせて配置されている[17]。

開放感ある明るい雰囲気の「ポピュラーライブラリー」入口（2階）

1階の「レファレンスライブラリー」と2階の「ポピュラーライブラリー」はその特色に合わせて内装に差異が付けられており、いずれも城下町としてのイメージを想起させる黒色と白色がテーマカラーとなっている[18]。1階には落ち着いた雰囲気の黒い敷物が床面に用いられ、2階には明るい雰囲気の白木の床面が用いられている[18][19]。天井高は1階より2階のほうが高いが、1階が5段書架なのに対して2階は6段書架であり、1階は利用者に落ち着きを、2階は利用者に開放感を与えている[18]。1階は白い床面に対して黒色の書棚が用いられ、図書の「存在感」が強く示されている[18]。2階は黒い床面に対して白色の書棚が用いられ、図書の「表情」が際立つように配慮されている[18]。図書館外部にある夜間・休日返却口に突っ込まれた書籍はベルトコンベアでバックヤードに運ばれ、さらに自動仕分け機でテーマごとに自動分類される[16]。

1階には閲覧席187席があり、インターネット席（14席）、データベース席（6席）、持込パソコン席（18席）と、研究個室5室とグループ室1室を完備している。2階には閲覧席428席が設置されており、新聞・雑誌コーナーやCDやDVDなどの視聴覚資料と視聴ブース、外国語資料コーナー、点字図書や録音図書と対面朗読室2室が置かれている。また、「ティーンズコーナー」として、10代の利用者が必要とする情報を提供する図書を中心にそろえたコーナーを設置している。コーナーには、10代が優先的に使用できる「ティーンズルーム」がある。入口を出て通路を挟んだ反対側には「子ども図書室」がある[20]。また、子ども図書館には児童書や絵本、紙芝居などが置かれ、「おはなしのへや」と「赤ちゃんコーナー」、授乳室を設置している。

これらの設備が評価され、岡崎市図書館交流プラザは第17回愛知まちなみ建築賞、第42回中部建築賞、日本建築学会作品選集2010、日本建築家協会優秀建築選2011、第13回公共建築賞優秀賞に選ばれている[21]。

歴史

随念寺下常福院時代（1908-1923）

岡崎町の文教の中心だった随念寺
随念寺と常福院（赤丸）
国民教育の普及完全をはからんとせば、常に学校教育のみに依頼して、之を望むべからず。更に他の社会的教育設備の補充あるを要す。而して、図書館の如きは、その中に於ける最も肝要にして、欠くべからざるものなり。本町にありては、すでに十年以来、之が設立を希望して止まざりしが、今や機熟し、ついにここに町立としてその開設を見るに至れり、けだし、本町の教育事業に於ける一進歩というべし。（後略） — 開館記念式典における千賀千太郎岡崎町長の式辞[22]

三河地方の岡崎は徳川家康の生誕地であり、江戸時代には岡崎城の城下町や東海道の宿場町として発展した歴史を持つ[19]。1899年（明治32年）には図書館令が公布され、全国的に図書館が増加していった[22]。1912年（明治45年）3月の岡崎町町会で公立図書館の開設が議決され[23]、6月29日に図書館設置の許可が下りると、7月21日には門前町にある随念寺の法殿にて岡崎町立通俗図書館の開館式が行われ[24]、8月5日に開館した[25]。8月1日に閲覧室の開放を開始するはずだったが、前々日の7月30日に明治天皇の死去が公表されたことで、8月1日から4日までは休館としていた[26]。福岡・柳川出身で岡崎町立高等女学校（現・愛知県立岡崎北高等学校）校長を務めていた千蔵尚が初代館長を務めた[27][28]。校長と館長を兼任していた千蔵に代わって、初代書記の八木開枝が実質的な運営を担った。八木は大樹寺小学校（現・岡崎市立大樹寺小学校）の訓導兼校長を務めていた人物である。

市制施行後に初代館長を務めた柴田顕正

随念寺の階段を下りた場所にある常福院を仮館舎とし[23][25]、約50坪ほどの常福院の建物の中で、仏間・庫裏の一部を除いた部分が図書館にあてがわれた[29]。かつて額田郡第一番小学岡崎学校（現・岡崎市立梅園小学校）や岡崎町立高等女学校が設置されるなど、随念寺は岡崎町の文教の中心だった[30]。図書館の定義にもよるが、愛知県内では1897年（明治30年）の津島高等小学校図書館（現・津島市立図書館）、または1907年（明治40年）の岩瀬文庫（西尾町・私立）と私立半田図書館（半田町）の開館がもっとも早く、後者を採用した場合に岡崎町立通俗図書館は愛知県9番目の図書館だった[31]。

開館時の蔵書数は2,060部・6,232冊であり、その大部分は小柳津要人や千賀千太郎などの個人や、岡崎町教育会からの寄贈によるものである[26][32]。1912年度の開館日数は219日であり、経常費は436円だった[26]。閲覧人数は1,509人であり、1日平均6人程度だった[32][33]。1915年（大正4年）時点では3,857部9,612冊の蔵書を有しており[29]、1921年（大正10年）時点では14,933冊の蔵書を有していた[34]。

1916年（大正5年）7月1日には岡崎町の市制施行に合わせて岡崎市立図書館に改称した[25][35]。1919年（大正8年）には館長の千蔵が静岡県郡立志太高等女学校（現・静岡県立藤枝西高校）に転任したため[27]、岡崎を代表する文化人だった岡田撫琴は愛知県立第二中学校（現・愛知県立岡崎高校）教諭を務めた柴田顕正を館長に推薦し、1919年（大正8年）には柴田が第2代館長（市立図書館としては初代館長）に就任した[36]。

岡崎公園時代（1923-1945）

岡崎公園時代
情報
設計者 鈴木禎次
構造形式 西洋館2階建地下室あり
延床面積 513 m²
所在地 岡崎公園内
備考 地下 : 下足室、装釘室など
1階 : 児童閲覧室、夫人閲覧室、一般閲覧室、書庫など
2階 : 貴賓室、広間、休憩室、館長室兼応接室、講堂など
テンプレートを表示
大正年間の岡崎公園における図書館の位置（赤丸）
名古屋市立及豊橋市立図書館と共に本縣に於ける三大公立圖書館として其外観内容共に整備せり — 岡崎市立図書館について、『愛知県下公私立図書館記念写真帖』愛知県図書館協会, 1927年[37]

岡崎町は大正天皇御大典（1915年）記念事業として新図書館の建設を計画したが、用地の確保などが難航した[38]。それでも岡崎公園内の岡崎城二の丸の一角[39]に定めると[40]、1922年（大正11年）5月1日に地鎮祭を行って着工し、同年12月15日に竣工した[41]。設計は名古屋市の鶴舞公園奏楽堂や岡崎銀行（現・岡崎信用金庫資料館）などを手掛けた鈴木禎次であり[34]、赤レンガと白い花崗岩が印象的なルネサンス風建築である[38]。建設中の1922年7月19日には、岡崎市内の小学校・高等女学校などに対して巡回文庫（移動図書館）の運行を開始している[25][42]。

1923年（大正12年）1月7日に岡崎公園の新図書館が開館した[41]。この図書館は現在の「三河武士のやかた家康館」付近にあった[43]。総工費は岡崎市予算の13.4%に相当する73,635円[43]。18,905冊の蔵書を有し[44]、2階建の西洋館に地下室を備えており、本館の建坪は106坪8合6勺（約353m2）、高さは44尺5寸であり、延床面積は計513 m2だった[45]。レンガ造2階建の書庫と木造平屋の付属家屋を備えていた[43]。

岡崎高等女学校を卒業した有能な女性たちが書記などとして柴田館長を支え、中には書記から高等女学校の英語教師に転任した者もいた[46]。一般利用者は下足を預ける際に1銭を支払う必要があり、女性のために婦人専用閲覧室が設けられた[47]。館外貸出の対象は原則として岡崎市内在住者のみであり、貸出の際には補償金が必要となった[48]。貸出冊数は最大3冊であり、貸出期間は最大10日間だった[48]。市民から点字書96点を寄贈されたことで、1923年には全国的にみて先駆的であるとされる点字部が設けられた[49]。

愛知県の主要な図書館（1927年）[50][51]
# 自治体 図書館名 設立年 蔵書数 年間閲覧人数 現在の館名
1 幡豆郡西尾町 岩瀬文庫 1907年 89,074 187 西尾市岩瀬文庫
2 名古屋市中区 名古屋市立図書館 1923年 65,551 359,763 名古屋市鶴舞中央図書館
3 名古屋市東区 名古屋公衆図書館 1925年 28,788 78,176 名古屋市西図書館
4 碧海郡刈谷町 刈谷町立刈谷図書館 1915年 25,500 1,256 刈谷市中央図書館
5 豊橋市 豊橋市立図書館 1913年 18,914 32,321 豊橋市中央図書館
6 岡崎市 岡崎市立図書館 1922年 18,905 52,255 岡崎市立中央図書館

1925年（大正14年）時点での蔵書数は19,099冊、閲覧人数は62,780人であり、蔵書数は岩瀬文庫、市立名古屋図書館（現・名古屋市鶴舞中央図書館）、刈谷図書館（現・刈谷市中央図書館）に次いで愛知県下第4位だった[40]。年間利用者数は672,480人で、市立名古屋図書館、名古屋公衆図書館（現・名古屋市西図書館）に次いで愛知県下3位だった[52]。岡崎公園時代の岡崎市立図書館は、市立名古屋図書館、豊橋市図書館とともに愛知県内の三大公立図書館と評されている[44]。

『三河堤』『三河古墳記』『三河古城記』『龍城雑記』などの郷土史資料や国文学の本を中心に収集し[52]、1928年（昭和3年）4月8日には新聞閲覧室を増築した[25]。戦前には市立名古屋図書館、石川県立図書館、奈良県立奈良図書館、埼玉県立埼玉図書館、徳島県立光慶図書館、東京市立図書館、呉市立図書館、尾道市立尾道図書館、長崎県立長崎図書館、豊橋市図書館、大垣市立図書館、帝国図書館などとは、館報の交換などを通じて交流があった[53]。

1940年（昭和15年）に柴田館長が急逝したことで、岡崎出身で小樽高等商業学校教授の中村和之雄が第3代館長に就任した[54]。1945年（昭和20年）7月20日の岡崎空襲では建物が焼失し、図書館は廃館となった[25]。愛知県内では瀬戸市の市立瀬戸図書館と一宮市の一宮市立図書館も戦災で焼失している[55]。

仮館時代（1947-1971）

太平洋戦争末期に廃館した後、約2年間にわたって全面的に休館。1947年7月11日には岡崎公園内の康生町511にある演舞場（戦時中は青年学校校舎）だった建物にて再開館した[56]。所在地は岡崎市康生町515、この場所は後に公園管理事務所となり、現在の岡崎公園グラウンド東側付近に相当する[56]。戦後初の館長には岡崎市教育長との兼任で横田良四が就任したが、横田は1955年（昭和30年）頃に専任の図書館長となっている[56]。延床面積は戦前の半分程度の280 m2であり[57]、再開館時の蔵書数は戦後の混乱が影響して1,000冊程度だった[56]。閲覧時間は午前10時から午後5時、閲覧料は1回50銭、館外貸出はできなかった[58]。1947年には愛知学芸大学岡崎分校にCIE図書室を設置している[59]。

1950年（昭和25年）9月には部分的に開架が導入され、分類には日本十進分類法が導入された[58]。1949年（昭和24年）には岡崎市立図書館運営委員会が設置され、1951年（昭和26年）には図書館法に則って岡崎市立図書館設置条例が公布され、1955年には岡崎図書館協会が発足している[60]。1952年（昭和27年）の利用者数は32,734人（115人/日）であり、閲覧図書数は62,565冊（221冊/日）だった[61]。一般利用者は約25%であり、残りすべてが児童利用者だった[61]。

1954年（昭和29年）には館外貸出を開始。対象は高校生以上であり、1回につき最大1冊・最大1週間、保証金として300円を支払う必要があった[61]。1957年度の蔵書数は27,672冊であり、館外貸出数は6,051冊、館内利用数は64,584冊だった。この年の予算は総額293万2200円であり、うち備品費が127万5000円だった[62]。1958年（昭和33年）には横田の後任の第5代館長に杉本斌が就任した[63]。1959年（昭和34年）9月の伊勢湾台風や1962年（昭和37年）の台風14号では岡崎市立図書館も被害を受けたが、岡崎市は図書館よりも岡崎城や岡崎市民会館の再建を優先した[63]。1962年には開館50周年を迎えたが、特に記念行事などは行われていない[64]。旧青年学校校舎は建物が古くて狭く、テニスコートに隣接していたことで騒がしく、低地にあったため何度も洪水被害を受けた[63]。

仮館時代の位置の変遷

このため、六供町字出崎15番地1の愛知県立岡崎商業高校が移転したのを機に、1962年12月11日に岡崎商業高校の建物に移転した[65]。北側校舎を改修し、3教室の間の壁を取り払って書庫・事務室としたほか、2教室を閲覧室としたが[64]、教室の黒板はそのまま残された[63]。延床面積は920 m2、蔵書数は4万冊となった[57]。この場所は現在の甲山会館付近である[63]。1966年4月には岡崎市官財課次長を務めていた西崎清忠が杉本の後任の館長に就任した[66]。

この建物は老朽化が激しく、寒々としていて薄暗かった[64]。同地に岡崎市民会館の建設が決定したことから、1966年（昭和41年）5月1日には康生通西2丁目20にある旧岡崎警察署庁舎へ移転した[67]。この場所は現在の岡崎シビコ付近である[66]。この建物は木造2階建で延床面積は約1,200m2と広かったが、大正初期の建築物であり老朽化が進んでいた[64]。同年には家康文庫が設置されている[64]。

新館建設の要望

このように、1947年から1971年（昭和46年）までは既存の建物を暫定的に図書館として使用してきた。1953年頃から図書館の新設を訴える陳情や請願が行われており、1957年度には図書館の新設資金として毎年100万円を積み立てることとなったが、最低でも数千万円を要する建設費用の積み立てとしては少額すぎた[57]。1965年度と1966年度の岡崎市議会では、ある議員が図書館は「寒々としていて哀れ（中略）刑務所の中という感じ」（旧岡崎商業高校時代）、「かつて軍部の手先として民衆をふるえ上がらせた“オイコラ”警察の感じ」（旧警察署時代）だとして、新図書館の建設を希求した[68]。

1970年（昭和45年）6月頃には明大寺町に新館を建設することが決定した[69]。明大寺町は名鉄名古屋本線東岡崎駅の南に位置する文教地区であり、1912年の開館から半世紀以上を経て初めて名鉄名古屋本線以南に立地することとなった。この敷地には市立岡崎高等看護学院（現・岡崎市立看護専門学校）と岡崎市婦人会館があったが、それぞれ市立岡崎病院（現・岡崎市民病院）跡地と旧農林水産省種畜牧場内に移転している[70]。

明大寺町時代（1971-2008）

明大寺町時代
情報
構造形式 鉄筋コンクリート造一部地下1階付地上3階建
延床面積 2,477 m²
所在地 愛知県岡崎市明大寺町字茶園11番地3
備考 1階 : 新聞コーナー、ブラウジングコーナー、子ども図書室
2階 : 開架室、郷土・参考室
3階 : 閲覧室、会議室
テンプレートを表示

1970年12月18日から1971年10月28日に新館の建設工事が行われ、1971年（昭和46年）11月1日に明大寺町の新館が開館した[69][60]。総工費は約4億円[71]。延床面積は2,477m2[60]。戦前の図書館のイメージからレンガ造り風であり、三階建・二階建・平屋の3層という雛壇式の外観だった[72]。電動式書架を採用し、閲覧室の拡張を図り[73]、開館にともなって図書館員は倍増の14人となっている[74]。翌1972年（昭和47年）には隣接地に岡崎市美術館が開館した。1976年度末には蔵書数が10万冊に達した[74]。

1977年（昭和52年）以降には、岩津市民センター（1977年）、六ッ美市民センター（1977年）、南部市民センター（1978年）、矢作市民センター（1978年）、東部市民センター（1979年）の各市民センターへの配本を開始し、さらに「太陽の城」（1979年）と「働く婦人会館」（1980年）にも配本を開始した[75]。1979年（昭和54年）には愛知県の図書館として初めてコンピュータシステムを導入[75]。1980年（昭和55年）の蔵書数は1971年の新館開館時の約2倍、貸出冊数は1971年の約30倍に達した[76]。この背景には入館受付の廃止、開架の設置、館外貸出の簡素化、配本所や移動図書館などがある[76]。

障害者向けのサービスとしては、1981年（昭和56年）には身体障害者向けに図書郵送貸出サービスを開始、1982年（昭和57年）には視覚障害者向けにカセットテープの貸出を開始、1985年（昭和60年）には点字図書の貸出を開始した[60]。1987年（昭和62年）3月には鶴田卓池文庫を設置し、同年10月には菅江真澄文庫を設置。1988年（昭和63年）6月には大改修を行い、一般図書室と資料展示室に充てられていた2階を郷土・参考図書室、郷土資料室に充てられていた1階を一般閲覧室とした[77]。

1988年度（昭和63年度）から1992年度（平成4年度）までの5か年計画で、中日新聞・朝日新聞・毎日新聞・東海愛知新聞など4紙の過去40年分計436,000ページを光ディスク（マイクロフィルムとは異なる）化する作業を行った[78]。1989年度からは愛知県内の公立図書館では初めて光ディスクの利用を開始している[78]。1992年（平成4年）にはこども図書館と中学生閲覧室の間の壁を取り払い、中学生閲覧室を廃止してワンフロアのこども図書館とした[77]。1993年（平成5年）10月にはプレハブの書庫を増設している[77]。1996年（平成8年）10月1日から28日には改装工事のために休館し、コンピュータを導入[10][79]。この際には館内のレイアウトを大幅に変更しており、レファレンスカウンターや返却ポストを設置している[80]。相互貸借サービスを開始したのはこの頃であり、1997年4月にはビデオテープの貸出を開始した[80]。1999年1月には図書館の公式ウェブサイトを開設、2002年にはインターネット蔵書検索・予約システム(OPAC)の運用を開始した[80]。

移転に向けた動き

明大寺町の図書館も徐々に手狭になり、再移転が議論されるようになった。2000年には「岡崎市図書館基本構想」が策定され、岡崎公園のグラウンド跡地が建設地に盛り込まれた[81]。しかし、駐車場の建設費が莫大になることが判明したり、発掘調査で江戸時代の石垣など岡崎城の遺構が発掘されたことで、図書館の建設地としては不適当とされた[81]。そこで、岡崎郵便局移転後に跡地の利用方法が議論されていた康生通西4丁目が移転先として有力視されるようになり、建設場所を康生通西4丁目とした[81]。1992年に開始された岡崎市図書館建設基金は最終的に35億円となり、1987年に開始された岡崎市構成地区拠点整備基金は15億円となっていた[82]。これによって岡崎市立図書館は再び名鉄以北に戻ることとなっている。

2004年（平成16年）3月には岡崎市新図書館基本計画が策定され、2005年（平成17年）3月には新図書館を核とする康生地区拠点整備基本設計が策定された。2006年（平成18年）4月には複合文化施設「岡崎市図書館交流プラザ」の実施設計が策定され、2006年6月28日に着工された[14]。この間の2005年1月1日には岡崎市が額田郡額田町を編入合併し、岡崎市立図書館は岡崎市立中央図書館に改称されている。2004年度から開館までの4年間には市民参加型のワークショップが25回開催され[83]、建築家であり都市計画の専門家である延藤安弘（愛知産業大学教授）がワークショップの指導を行った[84]。「おかざき図書館倶楽部」は2001年（平成13年）頃から活動を行い、「図書館まつり」、「学校読み聞かせボランティア交流会」、「調べ学習講座」などを企画して図書館とともに運営した[85]。りぶら開館後には「りぶらサポータークラブ」に改称し[19]、「図書館まつり」「連続講演会」「講座」などを企画している。

岡崎市図書館交流プラザ時代（2008-）

岡崎市図書館交流プラザ時代
情報
構造形式 鉄筋コンクリート造 地上3階建
延床面積 7,895 m²
所在地 愛知県岡崎市康生通西4丁目71
テンプレートを表示
移転ごとの延床面積の変遷
移転年 m2
1912 常福院
  
 170
1923 岡崎公園
  
 513
1947 旧演舞場
  
 279
1962 旧商業高校
  
 916
1966 旧警察署
  
 891
1971 明大寺町
  
 2,477
2008 りぶら
  
 7,895

2008年（平成20年）9月1日には新館開館準備のために明大寺町の図書館が閉館。11月1日に図書館交流プラザ内に中央図書館が開館した[12]。移転によって延床面積は2,477m2から7,895m2と約3倍に拡大し、約10万冊を新規購入したことで蔵書数は約60万冊に増加した[86]。公募によって決定した愛称「Libra」（りぶら）は、Library（図書館）とLiberty（自由）を組み合わせた造語である[87]。

開館後の3日間だけで約4万人が訪れ、約2,500人が利用者カードの申請を行うとともに、36,000冊が貸し出された[88]。2階の「ポピュラーライブラリー」と子ども図書室は貸出数が多すぎて書架がガラガーラになってしまったという[86]。開館後の1か月間に165,133人（1日平均6,351人）が利用し、月間目標84,000人の2倍近くとなる滑り出しを見せた[89]。旧館時代から中高生の自習室利用が多かったため、移転後も中高生を締め出すことはしないという方針を設けている[86]。なお、明大寺町の旧中央図書館は隣接する岡崎市美術館の第5展示室と第6展示室に生まれ変わっている[90]。

2010年（平成22年）3月から4月には、図書館の蔵書検索システム(OPAC)が閲覧しづらくなる現象が発生。図書館は警察に被害届を提出し、5月25日にはサイバー攻撃を仕掛けたとして利用者の一人が逮捕された。この利用者は起訴猶予処分となったが、利用者側にサイバー攻撃の意図はなく、根本的な原因がシステムの不具合にあったことから論議を呼んだ。9月には図書館が公式見解を発表し、2011年2月には図書館とこの利用者の和解が成立している。この事件はLibrahack（りぶらはっく）事件または岡崎市立中央図書館事件と呼ばれている。

2010年9月には、蔵書検索システムを手がけた業者のミスによって、図書館利用者の利用状況および個人情報185件（159人分）が流出していたことが判明[91][92]。岡崎市は管理を委託していた三菱電機インフォメーションシステムズ(MDIS)に対して翌年からの契約解除を発表し、MDISも契約更新を辞退した[93]。2012年（平成24年）には開館100周年を迎えた。愛知県の公立図書館としては津島市立図書館に次いで2番目である[94]。2014年（平成26年）7月1日からは三河地方では初めて国立国会図書館デジタルコレクションの閲覧が可能になった[95]。

特色

眺望線

「ビスタライン」と岡崎市図書館交流プラザの関係

岡崎の町には古くから、「徳川家の菩提寺である大樹寺から岡崎城に対する眺望を遮ってはならない」とする不文律がある[96]。寛永18年（1641年）に徳川家光が大樹寺山門や総門を建ててから約370年間、法律や条例などの規制がない中で不文律が維持されており、大樹寺と岡崎城の間の約3kmに眺望を遮る4階建以上の建築物が建設されたことはなかった[96]。

岡崎市図書館交流プラザはこの「ビスタライン」[1]（眺望線）上にあるため、大規模複合施設としては低層の2階建で建設された。岡崎市図書館交流プラザに隣接して31階建・高さ105mの「岡崎タワーレジデンス」（岡崎市最高層）があるが、この超高層マンションは「ビスタライン」をわずかにそれている。

2010年（平成22年）11月には岡崎げんき館でブックスタート事業を開始し、岡崎市内の乳児全員に絵本を贈っている[97]。ポリオワクチンの予防接種会場でもある同館で、岡崎市出身の絵本作家である瀬川康男が絵を担当した『いないいないばあ』（松谷みよ子作）を贈っている[97]。

郷土資料

岡崎むかし館

岡崎市ゆかりの人物の郷土資料が充実しており、徳川家康（岡崎出身の武将）、菅江真澄（岡崎で活躍した国学者）、鶴田卓池（岡崎出身の俳人）の3人については個別の文庫が設置されている[98]。2008年に岡崎市図書館交流プラザが開館すると、これらの特殊文庫は「岡崎学」コーナーに設置されている[99]。

1965年（昭和40年）には「家康公350年祭」を記念し、岡崎ロータリークラブからの寄付金を元に家康文庫を設置[99]。ロータリークラブからはその後も毎年寄付を受け、家康文庫を拡張させていった[99]。1975年度（昭和50年度）末の家康文庫は663点だったが[99]、2007年度（平成19年度）末には2,744点、2014年（平成26年）時点では約3,900点となっている[98]。直接家康に言及している文献以外にも、家康が生きた時代などに関する幅広い分野の文献を揃えている[98]。1986年（昭和61年）には郷土史家の内田武志から菅江真澄に関する文献の寄贈を受け、1987年（昭和62年）から複製製本した菅江文庫として公開している[98]。さらには同年に寄贈または寄託された鶴田卓池に関する文献を中心として、鶴田文庫として書籍・短冊・軸物・粉本・屏風など265点の資料を所蔵している[98]。

岡崎市図書館交流プラザ内には歴史資料展示室「岡崎むかし館」がある[100]。小中学生の郷土学習に重点を置いており、岡崎出身の偉人、岡崎の歴史、岡崎の文化をまとめている[100]。

視聴覚資料

内田修ジャズコレクション展示室

岡崎市はNHKと協力して、過去の岡崎市を伝える映像「りぶら映像アーカイブス」を公開している[101]。2013年（平成25年）末時点で280点の映像が公開されており、これらは岡崎市図書館交流プラザでしか見ることができない[101]。

岡崎市は「ジャズの町」を謳っている。岡崎市図書館交流プラザ内には「内田修ジャズコレクション展示室」があり、ジャズ界では世界有数のコレクションだとされている[102]。このコレクションは岡崎市に生まれ育ったジャズ愛好家の内田修によって1993年（平成5年）に寄贈されたものであり、レコード、プライベートテープ、書籍、オーディオなどからなる[102]。

額田図書館

岡崎市立額田図書館
施設情報
前身 額田町立図書館
延床面積 562 m2
開館 1977年3月1日
所在地 〒444-3622
岡崎市樫山町字山ノ神10番地1
位置 北緯34度55分08.0秒 東経137度17分32.1秒 / 北緯34.918889度 東経137.292250度 / 34.918889; 137.292250座標: 北緯34度55分08.0秒 東経137度17分32.1秒 / 北緯34.918889度 東経137.292250度 / 34.918889; 137.292250{{#coordinates:}}: 各ページで primary のタグは複数指定できません
ISIL JP-1001933
公式サイト http://www.library.okazaki.aichi.jp
地図
地図
プロジェクト:GLAM - プロジェクト:図書館
テンプレートを表示
1階 新聞雑誌コーナー、ブラウジングルーム、飲食コーナー、
子ども図書室、閉架書庫、事務室、開架室、郷土・参考室
2階 閲覧室、会議室

歴史

額田図書館に隣接する額田支所

1956年（昭和31年）に4村が合併して額田郡額田町が成立し、50年後の2006年（平成18年）に岡崎市に編入されて廃止されている。1977年（昭和52年）以前の額田町には愛知県が運営する移動図書館（年4回）や各学校の学校図書館しかなく、町民は文化施設の充実を訴えてきた[103]。

額田町は通産省の工業再配置促進補助事業の助成金を主な財源として、額田町役場東側に額田町立図書館を建設[103]。1976年（昭和51年）9月1日に着工、1977年1月31日に竣工し、3月1日に竣工記念式典を行って同日に開館した[104]。建設工事費は3,300万円、総工費は4,500万円[103]。建物は鉄筋コンクリート造2階建であり、延床面積は322m2[105]。閲覧室と視聴覚室を有し、建物の中央部にはホールがあった[105]。視聴覚室には16mm映写機・8mm映写機・スライド投影機・テレビVTR・テレビカメラステレオなどがあり[105]、16mm映画58本、8mm映画122本を備えていた[106]。

愛知県では6番目の町立図書館であり、開館時には4,969冊を所蔵した[104][107]。開館月の1977年3月には約1,700人が利用。開館当初は利用者の傾向を把握するために年齢と校区を申告する必要があった。貴重図書や辞典類以外に定価2,000円以上は館外貸出することができず、資料の複写は1枚100円だった[106]。

『額田町立図書館 利用案内』（1977年）
  • 休館日 : 毎週月曜日
  • 開館時間 : 9:00-17:00
  • 館外貸出対象者 : 額田町在住・在勤者
  • 貸出冊数・期間 : 最大2冊・最大14日間
  • 複写代金 : 1枚100円
  • 土足不可、ロビーは喫煙可能
『額田町立図書館 利用案内』（1984年頃）
  • 休館日 : 毎週月曜日
  • 開館時間 : 9:00-17:00
  • 貸出冊数・期間 : 最大2冊・最大14日間
  • 複写代金 : 1枚50円
『額田町立図書館 利用案内』（1996年）
  • 休館日 : 毎週月曜日
  • 開館時間 : 9:00-17:00
  • 館外貸出対象者 : 額田町在住・在勤・在学者
  • 貸出冊数・期間 : 最大3冊・最大14日間
  • 複写代金 : 1枚20円
  • 図書の検索機は存在せず


所蔵冊数は年間2,000冊程度増加、1981年度（昭和56年度）末の所蔵冊数は24,112冊となり、貸出冊数は1977年度の2.9倍となった[104]。1981年度と1982年度（昭和57年度）の2年間には、学習院大学教授の鈴木鎌一郎（額田町出身）から計200万円が寄付され、約500冊の図書からなる鈴木鎌一郎文庫が設置された[108]。1984年（昭和59年）の蔵書数は24,112冊であり、1人あたり年間貸出冊数は2.31冊だった[109]。1984年頃の『額田町立図書館 利用案内』によると、複写代金は1枚50円だった[110]。この時期に購読していた主な新聞・雑誌として、中日新聞（朝刊・夕刊）、中日スポーツ、朝日新聞、毎日新聞、日本経済新聞、『旅』、『農耕と園芸』、『文藝春秋』、『暮らしの手帖』、『ミセス』、『時刻表』、『子供の科学』、『こどものとも』、『アサヒグラフ』、『ホリデーオート』などがあった[110]。

1990年度（平成2年度）には書庫に閉架が設けられ、1991年度には児童室の隣に新聞庫が設けられた[111]。1991年度（平成3年度）の貸出冊数は28,990冊であり、施設別貸出状況は、額田町立図書館が、23,788冊、各支所が2,684冊、各小学校が2,518冊だった[112]。1991年度の1日あたり貸出利用者数は43.5人であり、1日あたり貸出冊数は85.6冊だった[113]。

1993年度（平成5年度）時点の蔵書数は一般書が28,025冊、児童書が10,671冊、郷土資料が1,313冊で、計40,009冊だった[114]。このほかに紙芝居914巻、テープ100本、雑誌30種類を揃えていた[114]。1993年時点で購読していた雑誌には、『美しい部屋』、『with』、『オレンジページ』、『家庭画報』、『きょうの健康』、『きょうの料理』、『暮らしの手帖』、『趣味の園芸』、『SCREEN』、『ディズニー』、『ニューハウス』、『フォト』、『婦人公論』、『文芸春秋』、『別冊太陽』、『MOE』、『よいこ』、『LEE』、『るるぶ』、『モーターマガジン』、『フィーメイル』、『プレジデント』、『時刻表』、『マネージャパン』、『Sports Graphic Number』、『フィシュオン』、『non-no』、『新・婦人百科』、『クロワッサン』、『ぴあ』、『たくさんのふしぎ』があった[114]。1996年の『額田町立図書館 利用案内』によると、複写代金は1枚20円だった[115]。

開館時に視聴覚室だった部屋は、1980年（昭和55年）5月に額田町史編集室に模様替えされ、1987年度（昭和62年）に児童館に模様替えされた[111]。2005年（平成17年）に額田町が岡崎市と合併すると、額田町立図書館は岡崎市立額田図書館に改称された。

配本所

配本所が設置されていた岡崎市立形埜小学校

1978年度（昭和53年度）には形埜支所に、1981年度（昭和56年度）には宮崎支所と下山支所に配本所を設置し、常時250冊を設置して毎月図書の入れ替えを行った[109]。1983年（昭和58年）には額田町立形埜小学校・額田町立宮崎小学校・額田町立下山小学校の町内3小学校に巡回文庫（移動図書館ではない）を設置し、年4回入れ替えを行った[109][115]。

  • 各支所[111]
    • 図書250冊（教養60冊・文学90冊・児童書100冊）、紙芝居20巻
    • 年12回（毎月中旬）入れ替え
  • 各小学校[111]
    • 図書150冊（教養30冊・文学30冊・児童書90冊）
    • 年4回（3・6・9・12月）入れ替え

移動図書館

1975年（昭和50年）、岡崎市立図書館は移動図書館用の車両を購入し、「みどり号」と名付けて市内の小学校などへの巡回を開始した[60]。1981年（昭和56年）には2台目の移動図書館用車両を購入し、巡回場所を37か所に拡張した[116]。1983年（昭和58年）には「みどり号」の車両を更新し、名称を「あおい号」に変更している[116]。1991年（平成3年）には移動図書館用車両1台を更新した[10]。2006年（平成18年）には移動図書館用車両1台を電動リフト付きの車両に更新した[12]。

脚注

  1. ^ 来館者数は中央図書館のみの統計。
  2. ^ a b c 図書館概要 2015, p. 23.
  3. ^ 図書館概要 2015, p. 24.
  4. ^ 図書館概要 2015, p. 40.
  5. ^ 図書館概要 2015, p. 36.
  6. ^ 市民センターなど8つの地域図書室の蔵書数や貸出数。
  7. ^ 図書館概要 2014, pp. 2–4.
  8. ^ 図書館概要 2014, p. 6.
  9. ^ 「図書の貸し出し、来月から相互利用 岡崎市と幸田、額田両町の公立図書館」中日新聞, 1997年3月12日
  10. ^ a b c 図書館概要 2014, p. 3.
  11. ^ a b c 図書館概要 2014, p. 4.
  12. ^ a b c d e 図書館概要 2014, p. 5.
  13. ^ 図書館概要 2014, pp. 3–4.
  14. ^ a b c 鈴木 2012, p. 24.
  15. ^ a b 図書館概要 2014, p. 7.
  16. ^ a b 近代建築 2008, p. 109.
  17. ^ a b c d 近代建築 2008, p. 107.
  18. ^ a b c d e 近代建築 2008, p. 106.
  19. ^ a b c 山田 & 2008-12, p. 14.
  20. ^ 山田 & 2008-12.
  21. ^ 岡崎市図書館交流プラザ Libra 高野洋平+森田祥子/一級建築士事務所
  22. ^ a b 岩月栄治『岡崎の歴史』岡崎の歴史編集委員会, 1976年, pp.247-251
  23. ^ a b 新編岡崎市史 近代 1991, p. 410.
  24. ^ 加藤 1981, p. 39.
  25. ^ a b c d e f 図書館概要 2014, p. 1.
  26. ^ a b c 加藤 1981, p. 41.
  27. ^ a b 鈴木 2008, p. 6.
  28. ^ 小林 2011, p. 6.
  29. ^ a b 小林 2011, p. 8.
  30. ^ 小林 2011, p. 1.
  31. ^ 小林 2011, p. 2.
  32. ^ a b 新編岡崎市史 近代 1991, p. 411.
  33. ^ 小林 2011, p. 7.
  34. ^ a b 小林 2011, p. 17.
  35. ^ 加藤 1981, p. 59.
  36. ^ 岡崎の人物史編集委員会 1979, p. 227.
  37. ^ 愛知県図書館協会 1927, pp. 7–8.
  38. ^ a b 鈴木 2008, p. 9.
  39. ^ 岡崎公園のこの場所は財団法人私立盲唖学校跡地であり、その前は浄土真宗三河教校が使用していた。
  40. ^ a b 新編岡崎市史 近代 1991, p. 936.
  41. ^ a b 加藤 1981, p. 66.
  42. ^ 小林 2011, p. 20.
  43. ^ a b c 鈴木 2008, p. 12.
  44. ^ a b 小林 2011, p. 23.
  45. ^ 小林 2011, pp. 22–23.
  46. ^ 鈴木 2008, p. 17.
  47. ^ 小林 2011, p. 25.
  48. ^ a b 小林 2011, p. 26.
  49. ^ 小林 2011, p. 31.
  50. ^ 『愛知県下公私立図書館記念写真帖』（1927年発行）に記載されている愛知県の図書館全58館のうち、1万冊以上の蔵書を有する6館を主要な図書館とした。
  51. ^ 愛知県図書館協会 1927, p. 38.
  52. ^ a b 新編岡崎市史 近代 1991, p. 937.
  53. ^ 鈴木 2008, p. 19.
  54. ^ 鈴木 2008, p. 20.
  55. ^ 加藤 1981, p. 96.
  56. ^ a b c d 鈴木 2008, p. 21.
  57. ^ a b c 新編岡崎市史 現代 1985, p. 306.
  58. ^ a b 鈴木 2012, p. 14.
  59. ^ 加藤 1981, p. 98.
  60. ^ a b c d e 図書館概要 2014, p. 2.
  61. ^ a b c 鈴木 2012, p. 15.
  62. ^ 鈴木 2012, p. 16.
  63. ^ a b c d e 鈴木 2008, p. 23.
  64. ^ a b c d e 鈴木 2012, p. 17.
  65. ^ 加藤 1981, p. 124.
  66. ^ a b 鈴木 2008, p. 24.
  67. ^ 新編岡崎市史 現代 307頁
  68. ^ 新編岡崎市史 現代 1985, pp. 307–308.
  69. ^ a b 新編岡崎市史 現代 1985, p. 308.
  70. ^ 小林 2011, p. 85.
  71. ^ 小林 2011, p. 88.
  72. ^ 鈴木 2008, p. 25.
  73. ^ 加藤 1981, p. 149.
  74. ^ a b 鈴木 2012, p. 19.
  75. ^ a b 鈴木 2012, p. 20.
  76. ^ a b 新編岡崎市史 現代 1985, p. 819.
  77. ^ a b c 鈴木 2012, p. 22.
  78. ^ a b 「光ディスクで新聞保存 岡崎市立図書館が来月から入力作業」中日新聞, 1988年4月23日
  79. ^ 「図書の検索が簡単に 岡崎市図書館 利用者用の端末機導入」中日新聞, 1996年10月10日
  80. ^ a b c 鈴木 2012, p. 23.
  81. ^ a b c 「岡崎市新図書館 康生通西地区に変更へ グラウンド跡地 駐車場めどつかず」中日新聞, 2001年1月31日
  82. ^ 山田 & 2008-12, p. 18.
  83. ^ 山田 & 2008-12, p. 16.
  84. ^ 岡崎市図書館交流プラザLibra 第42回中部建築賞
  85. ^ 山田 & 2008-12, p. 20.
  86. ^ a b c 山田 & 2008-12, p. 17.
  87. ^ 「愛称は『Libra』 岡崎で建設中の図書館交流プラザ 地元の板倉さん命名」中日新聞, 2006年11月18日
  88. ^ 山田 & 2008-12, pp. 17–18.
  89. ^ 「来館 延べ16万5133人 岡崎 りぶら 開館1カ月 目標の倍」中日新聞, 2008年12月2日
  90. ^ 「岡崎市美術館 旧中央図書館の建物改装 展示室2つ新設 オープン記念 今日から写真展2つ」中日新聞, 2009年6月3日
  91. ^ 「中日新聞」2010年9月28日, p.12
  92. ^ 平成22年11月30日の個人情報流出についてのお詫び えびの市民図書館の調査結果, 2010年11月30日
  93. ^ 「朝日新聞」 2010年11月26日名古屋本社版夕刊、2社 6頁、本事件を調査報道した神田大介によるTwitter上の発言(2010.11.26)
  94. ^ 鈴木 2012, p. 25.
  95. ^ 「国会図書館資料閲覧OK 来月から岡崎市中央図書館」中日新聞, 2014年6月24日
  96. ^ a b 「徳川家ぼだい寺 3キロ先の岡崎城 眺望を遮ってはならんぞよ 文化施設は一部低層に」中日新聞, 2003年3月20日
  97. ^ a b 「岡崎でブックスタート事業 乳児全員に絵本を 市中央図書館が11月から贈呈 親子の対話に生かして」中日新聞, 2009年6月3日
  98. ^ a b c d e 図書館概要 2014, pp. 14–15.
  99. ^ a b c d 小林 2011, pp. 132–133.
  100. ^ a b 図書館概要 2014, pp. 19–20.
  101. ^ a b 図書館概要 2014, p. 17.
  102. ^ a b 図書館概要 2014, p. 18.
  103. ^ a b c 「額田町に初の図書館 町役場の東側 来春開館をめざす」中日新聞, 1976年6月24日
  104. ^ a b c 額田町史 1986, p. 842.
  105. ^ a b c 『広報ぬかた』156号, 1977年4月, p.5
  106. ^ a b 1977年頃発行の『額田町立図書館 利用案内』による。
  107. ^ 額田町立図書館 1993, p. 1.
  108. ^ 額田町史 1986, p. 844.
  109. ^ a b c 額田町史 1986, p. 843.
  110. ^ a b 1984年頃発行の『額田町立図書館 利用案内』による。
  111. ^ a b c d 額田町立図書館 1993, p. 2.
  112. ^ 額田町立図書館 1993, p. 19.
  113. ^ 額田町立図書館 1993, p. 20.
  114. ^ a b c 額田町立図書館 1993, p. 3.
  115. ^ a b 1996年頃発行の『額田町立図書館 利用案内』による。
  116. ^ a b 鈴木 2012, p. 21.

文献

事業年報

書籍・雑誌

  • 愛知県下公私立図書館記念写真帖. 愛知県図書館協会. (1927) 
  • 加藤, 三郎 (1981). 愛知県図書館史年表資料考察: 愛知県における図書館のあゆみ. 中部図書館学会 
  • 小林, 清司 (2011). 愛知県 岡崎市立図書館のあゆみ（資料集）. 自費出版 
  • 新編岡崎市史編集委員会 (1985). 新編岡崎市史 現代. 岡崎市 
  • 新編岡崎市史編集委員会 (1991). 新編岡崎市史 近代. 岡崎市 
  • 鈴木, 素夫 (2008). 旧岡崎図書館の面影を訪ねて: 岡崎市立図書館小史 百年の歩み. 自費出版 
  • 鈴木, 素夫 (2012). 岡崎図書館百年史 年表: 1912-2012. 自費出版 
  • 岡崎の人物史. 岡崎の人物史編集委員会. (1979) 
  • 額田町史編集委員会 (1986). 額田町史. 額田町 
  • 山田, 万知代 (2008-12, 2009-01), “蓄積と協働 岡崎市立中央図書館のこれから”, あうる (NPO図書館の学校) (86) 
  • “岡崎市立図書館・岡崎市美術館”, 新建築 (新建築社) 47 (9): 193-204, (1972-09) 
  • “岡崎市図書館交流プラザ「Libra」--佐藤総合・千里建築設計特定設計業務共同企業体”, 近代建築 (近代建築社) 62 (4): 105-109, (2008-04) 

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、岡崎市立図書館に関連するカテゴリがあります。
ウィキメディア・コモンズには、岡崎市図書館交流プラザに関連するカテゴリがあります。

外部リンク

「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=岡崎市立中央図書館&oldid=60449564」から取得