アドマイヤベガ

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アドマイヤベガ
2000年11月25日 東京競馬場
欧字表記 Admire Vega
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 1996年3月12日
死没 2004年10月29日(8歳没)
サンデーサイレンス
ベガ
母の父 トニービン
生国 日本の旗 日本北海道早来町
生産者 ノーザンファーム
馬主 近藤利一
調教師 橋田満栗東
厩務員 児玉武大
競走成績
生涯成績 8戦4勝
獲得賞金 2億9060万2000円
勝ち鞍
GI 東京優駿 1999年
GII 京都新聞杯 1999年
GIII ラジオたんぱ杯3歳S 1998年
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アドマイヤベガ (Admire Vega) は、日本競走馬種牡馬である。1999年東京優駿(日本ダービー)に優勝した。母ベガは桜花賞優駿牝馬(オークス)を勝った名牝。全弟にセントライト記念を勝ったアドマイヤボス、半弟に朝日杯フューチュリティステークス帝王賞などGI7勝をあげたアドマイヤドンがいる。

来歴

幼駒時代

ベガはサンデーサイレンスとの初めての仔を受胎したが、エコー検査で受胎確認を行った際二卵性双生児であることが判明した。このまま成長した場合お互いの発育が悪くなり、産まれた際に小さくなりすぎると判断されたことから、片方の胎子がつぶされ、残された方の胎子から生まれたのがアドマイヤベガだった[1][2]。生まれたときには既に母ベガと同様に左前脚が内側に曲がっており、日に日に曲がりが大きくなっていったという[3][4]

競走馬時代

1998年11月7日の新馬戦でデビューし1位に入線したが、最後の直線走路で斜行して他馬の進路を妨害したために4着降着の処分を受けた[3]。レース内容自体は他馬を圧倒していたことから、次走には未勝利戦ではなく、当初のプランどおり500万下特別のエリカ賞を選び、スリリングサンデーらを相手に格上挑戦で勝利した[3]。3戦目は、ラジオたんぱ杯3歳ステークス(GIII)に出走し、これも優勝し2歳を終えた。

1999年、3歳となったアドマイヤベガはクラシック戦線へ向かった。初戦は、皐月賞トライアル弥生賞(GII)に出走、単勝オッズ1.5倍と断然の1番人気に推されるが、ナリタトップロードに敗れた。しかし、上がり3ハロンのタイムは出走メンバー中最も速かった。次に皐月賞GI)に向かうが、直前に体調不良を起こし、馬体重を-12kgと大幅に減らして出走した。それでも1番人気に推されたが、テイエムオペラオーの6着に終わった。

その後、東京優駿(GI)に出走した。ここで初めて2番人気になるが、馬体重を+10kgと体調を戻してきた。道中は後方に控え、最後の直線で先に抜け出したテイエムオペラオー・ナリタトップロードの二頭を大外から後方一気の末脚でかわし、当時アイネスフウジンが持っていたレースレコードタイ記録(2:25.3)で優勝した。このレースで(前年スペシャルウィークに続いて)武豊は史上初のダービー連覇を達成した。

その後、3歳秋初戦として菊花賞トライアルの京都新聞杯(GII)に出走し、再びナリタトップロードを差し切って優勝した。しかしクラシック第3戦菊花賞(GI)ではナリタトップロードの6着に敗れた。その後休養に入り、翌年の宝塚記念(GI)を目標に調整が進められたが、左前脚の繋靭帯炎が判明し、2000年に引退した。

競走成績

以下の内容は、netkeiba.comの情報[5]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
備考
1998.11.07 京都 3歳新馬 芝1600m(良) 14 1 1 001.70(1人) 04着 R1:35.1(34.9) -0.4 0武豊 54 マヤノマタドール 456 [注釈 1]
0000.12.05 阪神 エリカ賞 5下 芝2000m(稍) 8 6 6 001.20(1人) 01着 R2:06.1(35.9) -0.0 0武豊 54 (スリリングサンデー) 464
0000.12.26 阪神 ラジオたんぱ杯3歳S GIII 芝2000m(良) 11 4 4 002.10(1人) 01着 R2:04.1(34.8) -0.1 0武豊 54 マチカネキンノホシ 454
1999.03.08 中山 弥生賞 GII 芝2000m(稍) 15 4 6 001.50(1人) 02着 R2:03.7(35.0) -0.2 0武豊 55 ナリタトップロード 456
0000.04.18 中山 皐月賞 GI 芝2000m(良) 17 1 2 002.70(1人) 06着 R2:01.3(35.9) -0.6 0武豊 57 テイエムオペラオー 444
0000.06.06 東京 東京優駿 GI 芝2400m(良) 18 1 2 003.90(2人) 01着 R2:25.3(34.4) -0.1 0武豊 57 (ナリタトップロード) 454
0000.10.17 京都 京都新聞杯 GII 芝2200m(良) 18 6 11 003.00(2人) 01着 R2:12.3(34.6) -0.0 0武豊 57 (ナリタトップロード) 458
0000.11.07 京都 菊花賞 GI 芝3000m(良) 15 8 14 002.30(1人) 06着 R3:08.2(34.4) -0.6 0武豊 57 ナリタトップロード 458

種牡馬時代

引退後は、早来町の社台スタリオンステーション種牡馬となり、2004年には初年度産駒が走り出し好成績を収めた。しかしその年の10月29日に偶発性破裂のため死亡[6][3][7]。残した産駒は4世代のみで、2005年産の産駒がラストクロップとなった。2006年にキストゥヘヴンが桜花賞を制し、産駒の平地GI初勝利をあげた。2007年度リーディングサイアーは10位となっている。 障害競走に秀でた産駒も多く、メルシーモンサンが2010年のJ・GI中山グランドジャンプを制すなど、障害においても優秀な産駒を輩出している。

主な産駒

太字はGI級競走

母の父としての主な産駒

血統表

アドマイヤベガ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系ヘイロー系
[§ 2]

*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
アメリカ
父の父
Halo
1969 黒鹿毛
アメリカ
Hail to Reason
1958
Turn-to
Nothirdchance
Cosmah
1953
Cosmic Bomb
Almahmoud
父の母
Wishing Well
1975 鹿毛
アメリカ
Understanding
1963
Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower
1964
Montparnasse
Edelweiss

ベガ
1990 鹿毛
北海道早来町
*トニービン
Tony Bin
1983 鹿毛
アイルランド
*カンパラ
Kampala
1976
Kalamoun
State Pension
Severn Bridge
1965
Hornbeam
Priddy Fair
母の母
*アンティックヴァリュー
Antique Value
1979 鹿毛
アメリカ
Northern Dancer
1961
Nearctic
Natalma
Moonscape
1967
Tom Fool
Brazen F-No.9-f
母系(F-No.) 9号族(FN:9-f) [§ 3]
5代内の近親交配 Almahmoud4×5 [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ アドマイヤベガ 5代血統表2017年8月28日閲覧。
  2. ^ netkeiba.com アドマイヤベガ 5代血統表2017年8月28日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ アドマイヤベガ 5代血統表2017年8月28日閲覧。
  4. ^ JBISサーチ アドマイヤベガ 5代血統表2017年8月28日閲覧。

脚注

注釈

  1. ^ 1位入線4着降着

出典

  1. ^ 【世界オモロイ競馬】双子のサラブレッド、その運命やいかに”. uma-jin.net. 2022年2月19日閲覧。
  2. ^ 『週刊100名馬vol.92 アドマイヤベガ』27-28頁
  3. ^ a b c d JRA-VAN広場 名馬メモリアル アドマイヤベガ”. JRAシステムサービス株式会社. 2022年2月19日閲覧。
  4. ^ 『週刊100名馬vol.92 アドマイヤベガ』4頁
  5. ^ アドマイヤベガ | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年7月17日閲覧。
  6. ^ アドマイヤベガ 早過ぎた死”. 朝日新聞. 2022年2月5日閲覧。
  7. ^ 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル”. www.studbook.jp. 2022年2月19日閲覧。

参考文献

外部リンク