大葉ナナコ

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おおば ななこ
大葉 ナナコ
生誕 日本の旗 東京都
職業 公益社団法人誕生学協会代表理事
株式会社バースセンス研究所代表取締役
一般財団法人ベビー&バースフレンドリー財団代表理事
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大葉 ナナコ(おおば ななこ、1965年 - )は、日本の社会起業家。本名は大社 由美(おおこそ ゆみ)[1]

公益社団法人誕生学協会代表理事、株式会社バースセンス研究所代表取締役一般財団法人ベビー&バースフレンドリー財団代表理事。第27・28期東京都青少年問題協議会委員[2][3]

経歴[編集]

中学から高校、短大までの8年間を学校法人女子美術大学で学び、高校生の頃にモデルとして活動[4]女子美術大学付属中学校・高等学校を経て、1985年に女子美術大学短期大学部生活デザイン科を卒業。その後はテレビ番組制作や出版関係の仕事に従事[5]

1987年の第一子出産、育児経験を契機として、妊娠・出産の教育をする職業としての「バースコーディネーター」をはじめる[6]。大学の通信教育課程で心理学、社会学、教育学の単位を取得する[7]

1997年から桜美林大学オープンカレッジ、毎日新聞カルチャーシティ等で助産師とともに講座を開く[7]。2003年に「幸せなお産を増やすための人材育成プログラム・教材の開発」を行うバースセンス研究所を設立[8]

2005年日本誕生学協会を設立し、未就学児・小学生・中学生・高校生・大学生及び成人のそれぞれの年齢を対象に、妊娠出産のしくみと命の大切さに関する知識の教育を行う「誕生学」を生み出し、小・中・高校での出張授業を行う[9]

2006年第27・28期、東京都青少年問題協議会委員[2][3]

2008年日本初、行政の週末両親学級の開発と講師派遣を外部委託先として受託する[7]

2011年内閣府より「公益社団法人 誕生学協会」として公益認定される[7]

2013年環境省「グッドライフアワード」実行委員就任[10]。少子化対策と女性の活躍推進の両立支援を行うベビー&バースフレンドリー財団を設立[11]

2014年より筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ健康システム・マネジメント専攻修士課程にて、「幸せホルモン」「愛情ホルモン」と呼ばれ、ストレスを緩和し幸せな気分をもたらすペプチドホルモン、オキシトシンについて研究中[12]

2015年Google Woman Will「Happy Back To Work」サポーター就任[13]

2男3女の母でもある[6]

主張[編集]

  • 自然分娩を「自然なお産」と呼び特に推奨しており、不妊治療による妊娠でも、「自然分娩にチャレンジすべき」という主張をしている[14]
  • 陣痛中、産婦が緊張したりストレスがたまると陣痛が弱くなるとしている[15]
  • WHOの推奨する母乳育児を強く推奨しており、ほとんどの女性が母乳で育てる事が可能と主張しており、母乳が出ない女性はケアが出来ていないだけとしている[16]
  • 帝王切開については緊急時の場合については否定していないが、「自然に生む力を高めようとせずお手軽に帝王切開を選ぶのはお薦めしませんが、いずれにしろそうした心の持ち方は子育てに反映されるもの。」[17]と批判的な主張もしている。
  • 陣痛促進剤は「生まれようとする力(赤ちゃんの力)」を妨げるものなので、インフォームドコンセント無く受け身の使用を避けるべきと主張している[18]
  • 漫画については性描写の有無にかかわらず「漫画に描かれている世界は恋愛ばかりで世界が狭い」とする意見に賛同を示しており、親は子供が漫画を読む事自体に対して否定的な態度をとることを推奨している[19]
  • つわりについては「キチッとした性格の人より、ふわっとしたゆるキャラの女子のほうが、つわりはキツくなさそうな印象」と述べている[20]
  • 日本ホメオパシー医学協会10周年に寄せた祝辞で、ホメオパシーを人生のガイド役として多くの人に紹介していきたいと述べた[21]
  • 第28期東京都青少年問題協議会の席上、大葉は、性描写のあるマンガの読者は認知障害を起こしているという見方を主流化する必要があると述べ、同時に彼らは認知障害であり暴力的とすれば法規制が可能になる、という主張を展開した[22]。この主張に対して、マンガの読者を差別しているという批判の声が、各方面から上がった[23][24][25][26]

その他の活動[編集]

  • 「誕生学アドバイザー」「ベビーマッサージ」「バースコーディネーター」養成講師
  • 2003年度厚生労働省子ども家庭総合研究事業“親と子のコミュニケーションスキル向上検討会”委員
  • 2004年東京都専門指導員研修講師(ベビーマッサージ)
  • 伊勢丹「マタニティベビーコンシェルジュ」養成講師
  • 日総研「参加型マタニティクラスの企画運営法」「ベビーマッサージ教室運営法」講師
  • 市区行政と協働で週末両親学級プログラム構築
  • 豪州出産教育コンサルタント会社「Birth International」(CEO Andrea Robertson)の日本エージェントとして国際研修を複数開講。
  • 映画うまれる コメンテーター、バースコーディネーター[27]

著書[編集]

  • 「わらう育児のすすめ(2歳~6歳編)」(実業之日本社
  • 「アイナ・メイの自然出産ガイド」(メディカ出版)※訳
  • 「えらんだお産」(河出書房新社
  • 「怖くない育児」(講談社文庫
  • 「いのちってスゴイ!赤ちゃんの誕生~おなかの中のドラマと生きる力」(素朴社)
  • 「Birth」(金の星社
  • 「体と心にやさしいナチュラルなお産」(アスペクト
  • 「心により添う助産術実践テキスト」(メディカ出版) ※監訳
  • 「案ずるより産むが優し」(扶桑社
  • 「35歳からのおめでたスタンバイ」(学陽書房
  • 「ゆるむ育児のススメ」(実業之日本社)
  • 「いのちはどこからきたの?~9歳までに伝える『誕生』の話」(情報センター出版局
  • 「産む力の咲かせ方~出産準備クラスにおけるエンパワーメント」(メディカ出版)※共訳
  • 「産んでよかった“高齢出産”」(祥伝社
  • 「えらぶお産~出産だってセルフプロデュースしたい!」(河出書房新社
  • 10代の生き方ヒント3「命を授かり育む喜び」(学校のテキスト:栄光)
  • 『女がめざめる暮らし方~31のレシピ』(サンマーク出版)
  • 『Life 誕生学の現場から』(ポプラ社)

ビデオ[編集]

  • 45分ビデオ「心の扉を開くベビーマッサージ」(制作/バースセンス研究所)

DVD[編集]

  • 心が伝わるはじめてのベビーマッサージ(監修)2008年[28]
  • 身籠リズム~スローライフ・スローバース (制作/バースセンス研究所)2005年[29]

出演番組[編集]

  • 輝く女のシリーズ8 第八弾 贅沢なお産(2006年05月30日NTV)にカリスマバースコーディネーターとして参画。
  • ハピふる!(2008年1月28日~2008年9月26日フジテレビ系列)にてバースセンス研究所の出産講座に出演。
  • エチカの鏡〜ココロにキクTV〜(2010年2月7日放送分フジテレビ系列)に出演。

脚注[編集]

  1. ^ 総理官邸IT新改革戦略評価専門調査会特別テーマ検討委員会
  2. ^ a b 第27期東京都青少年問題協議会委員名簿 平成20年10月14日現在 東京都
  3. ^ a b 第28期東京都青少年問題協議会委員名簿 平成22年10月20日現在 東京都
  4. ^ 大葉ナナコ. “大葉ナナコHistory”. バースセンス研究所. 2009年1月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年6月27日閲覧。
  5. ^ バースセンス研究所. “経歴”. about us. バースセンス研究所. 2011年6月27日閲覧。
  6. ^ a b 大葉ナナコプロフィール all about
  7. ^ a b c d プロフィール”. バースセンス研究所. 2016年10月14日閲覧。
  8. ^ バースセンス研究所とは”. バースセンス研究所. 2016年10月14日閲覧。
  9. ^ 誕生学とは”. 誕生学協会. 2016年10月14日閲覧。
  10. ^ 第1回グッドライフアワード”. 環境省. 2016年10月14日閲覧。
  11. ^ ホーム”. ベビー&バースフレンドリー協会. 2016年10月14日閲覧。
  12. ^ 筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ健康システム・マネジメント専攻スポーツウエルネス学位プログラム”. 2016年10月14日閲覧。
  13. ^ 大葉ナナコさん”. Google Woman Will. 2016年10月14日閲覧。
  14. ^ 大葉ナナコ (2008年4月28日). “不妊治療で授かっても自然なお産はできる”. チビダス. all about. 2011年6月27日閲覧。 “現在、不妊治療中の方でも、自然に産んでみたいと思っている方は、ぜひチャレンジして欲しい。授かるときは医療サポートを受けたけれども、自然なお産を希望して、納得できるお産ができたときには、幸福を感じるホルモンがたくさん分泌されて達成感でいっぱいになるものです。”
  15. ^ バースセンス研究所. “必読!出産スタンバイ”. WEBレッスン. バースセンス研究所. 2011年6月27日閲覧。
  16. ^ 大葉ナナコ (2007年5月11日). “政府も提言?母乳育児のすすめ”. チビダス. all about. 2011年6月27日閲覧。 “政府の教育再生会議は子どもの保護者に対し、子育ての留意点や教えるべき徳目などを盛り込んだ緊急提言「『子育てを思う』保護者そして皆さんへ」を近く公表するということです。その内容は、「保護者は子守唄を歌い、おっぱいをあげ、赤ちゃんの瞳をのぞく。母乳が十分でなくても抱きしめるだけでもいい」「授乳中や食事中はテレビをつけない。幼児期はテレビ・ビデオを1人で見せない」といったような具体的な子育て指南がなされているということです。 これを受けて、テレビなどのマスコミでは「家庭生活の細かい部分までに口を挟む必要があるのだろうか?」「母乳が出ない人がかわいそう」といった論調も出てきているようです。こうした提言が、政府が家庭内のことに口を出すことになるか否かはひとまず置いておいて、提言の全体に関しての意見は正式発表を待ちたいと思いますが、上記の内容に関しては肯定できますし、当サイトをご愛読いただいている方にとってはすでに「当たり前のこと」でもありますよね。「出ない人」はケアが行き届いてないから!”
  17. ^ 大葉ナナコ (2007年9月15日). “自然分娩がゴールではない”. チビダス. all about. 2011年6月27日閲覧。
  18. ^ 2002年3/9毎日新聞大阪朝刊2面「ひと」
  19. ^ バースコーディネーター 大葉ナナコさん×北極しろくま堂店主 園田正世 対談「あなたを産んで本当によかった!」”. 北極しろくま堂有限会社 (2008年8月). 2012年9月25日閲覧。
  20. ^ 2012年マガジンワールド社刊 an・an No.1826 あなたの"妊娠力"は!?より
  21. ^ 大葉ナナコ. “ホメオパシーは人生のパートナー”. 日本ホメオパシー医学協会. 2011年4月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年6月30日閲覧。
  22. ^ 第28期東京都青少年問題協議会第8回専門部会” (PDF). 東京都青少年・治安対策本部 総合対策部 青少年課. 2016年5月29日閲覧。
  23. ^ 『児童ポルノ法改定と青少年条例改定は昨年来どう連動してきたか』(月刊創ブログ 2010年3月16日)2015年5月7日閲覧。
  24. ^ 『COMIC CITY会場内設置ノートから「都の議論の進め方に感じる事」』コミックシティなどの同人誌即売会を主催する赤ブーブー通信社(有限会社ケイ・コーポレーション)は公式サイトで、会場設置ノートに書かれた参加者の意見として大葉をオタク差別だと批判する声を紹介している。2015年5月7日閲覧。
  25. ^ 『「非実在青少年」問題とは何なのか、そしてどこがどのように問題なのか?まとめ』(Gigazin 2010年03月19日)2015年5月7日閲覧。
  26. ^ COMICリュウ編集部編 (著, 編集) 『非実在青少年◆読本』(徳間書店刊)
  27. ^ キャスト&スタッフ”. うまれる. 2012年9月25日閲覧。
  28. ^ [1]
  29. ^ http://melma.com/backnumber_86369_2193159/

外部リンク[編集]