国鉄タ3300形貨車

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国鉄タ3300形貨車
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
所有者 東洋高圧工業三井東圧化学
改造年 1955年(昭和30年) - 1960年(昭和35年)
改造数 7両
消滅 1978年(昭和53年)
常備駅 大船駅下関駅
主要諸元
車体色
専用種別 ユーロイド
化成品分類番号 制定前に形式消滅
軌間 1,067 mm
全長 7,800 mm
タンク材質 アルミニウム
普通鋼一般構造用圧延鋼材
荷重 12 t
実容積 10.1 m3
自重 8.8 t - 9.6 t
換算両数 積車 2.2
換算両数 空車 1.0
走り装置 一段リンク式二段リンク式
車輪径 860 mm
軸距 3,800 mm
最高速度 65 km/h→75 km/h
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国鉄タ3300形貨車(こくてつタ3300がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した私有貨車タンク車)である。

本形式より改造され別形式となったタ13300形についても本項目で解説する。

タ3300形[編集]

タ3300形は、ユーロイド専用の12t 積みタンク私有貨車である。「ユーロイド」とはユリア樹脂系接着剤の商品名である。

1955年(昭和30年)9月29日にタ2900形より4両(タ2905 - タ2908)の専用種別変更(メタノール→ユーロイド)が行われ、形式名は新形式名であるタ3300形(タ3300 - タ3303)とされた。その後も増備は続き1960年(昭和35年)6月27日までに、3両(タ3304 - タ3306)がタ3050形、タ2900形より改造の上本形式に編入された。

本形式の他にユーロイドを専用種別とする形式には、タ13300形(2両、後述)、タキ5350形(7両)の2形式が存在した。

落成時の所有者は東洋高圧工業(その後社名は合併により三井東圧化学へ変更)の1社のみである。

車体色は黒色、寸法関係は一例として全長は7,800mm、軸距は3,800mm、実容積は10.1m3、自重は8.8t - 9.6t、換算両数は積車2.2、空車1.0、走り装置は一段リンク式であったが二段リンク式に変更された。

1978年(昭和53年)3月15日に最後まで在籍した2両(タ3303,タ3306)が廃車となり、同時に形式消滅となった。

タ13300形[編集]

国鉄タ13300形貨車
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
所有者 東洋高圧工業→三井東圧化学
種車 タ3300形
改造年 1968年(昭和43年)
改造数 2両
消滅 1978年(昭和53年)
常備駅 豊沼駅
主要諸元
車体色 銀+黄1号の帯
黒+黄1号の帯
専用種別 ユーロイド
化成品分類番号 制定前に形式消滅
軌間 1,067 mm
全長 7,800 mm
タンク材質 アルミニウム
荷重 12 t
実容積 10.1 m3
自重 8.8 t
換算両数 積車 2.2
換算両数 空車 1.0
走り装置 一段リンク式
車輪径 860 mm
軸距 3,800 mm
最高速度 65 km/h
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タ13300形はユーロイド専用の12t 積み私有貨車(タンク車)である。

当初タ3300形の軸ばね支持装置は一段リンク式であったが、貨物列車の最高速度引き上げが行われた1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正対応のため、大半の車は二段リンク式に改造したが、北海道地区ではスピードアップが見送られたため、二段リンク化の対象外となった車両が2両(タ3301,タ3302→タ13301,タ13302)残り、区別のため別形式(タ13300形)とした。車番は現番号に「10000」を加える形となった。改造内容は標記類の書き換え以外何もなく、むしろ本形式の方が本来のタ3300形ともいえる。

識別のため記号に「ロ」を丸で囲んだ通称マルロが追加され「タ」となり黄色(黄1号)の帯を巻いている。タンク体には同色で「道外禁止」と標記された。

所有者は東洋高圧工業(その後社名は合併により三井東圧化学へ変更)であり、その常備駅は函館本線豊沼駅であった。

塗色は、黒色または銀色であり黄色(黄1号)の帯を巻いている。全長は7,800mm、実容積は10.1m3、自重は8.8t、換算両数は積車2.2、空車1.0、最高運転速度は65km/h、車軸は12t長軸であった。

1978年(昭和53年)2月14日に2両そろって廃車となり、同時に形式消滅となった。

参考文献[編集]

  • レイルマガジン』通巻140号(1995年5月・ネコ・パブリッシング
    • 吉岡心平「私有貨車セミナー」 pp. 74-77
  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目[編集]